『書斎の競馬』元編集長のひとりごと

馬・車券歴40年以上50年未満。いつの間にかいい歳になった。

藤沢調教師考

2006-07-20 01:58:46 | 競馬
調教師の役割って何だろう。今週の函館の1000万下特別の登録馬にミスターケビンの名前があったので、またぞろ藤沢調教師の悪態をつきたくなった。高馬を買ってもせいぜいこの程度なんですよね。そりゃこのレベルの馬ばかり買っていれば、何十頭に1頭かはタイトル馬だって出てくるだろうけれど、スポンサーは殺されます。

ミスターケビンのオーナーは、6億円の”トゥザビクトリーの2006”のスポンサーの一人と目されるパチだかパチスロ機器メーカーの社長さん。
ミスターケビンはマル外でコルダーのトレーニングセールで10秒1を計時した馬で、値段は覚えていないが、とてつもない額だったと思う。
Stormcat×Eilza、なにしろ母親はBCジュベナイルフィリーズ、サンタアニタオークスとふたつのG1を買っているのだから数百万ドルは下らない代物だったような気がする。
しかし順調だったのはデビュー後2戦だけ、続くNZTは1番人気で15着に大敗、その後函館の1000万下の特別でデザーモを配したにもかかわらず9着と敗れ、頭にきて潮騒特別に連闘をかけて、やっと3勝目を手中にしたが、無理使いがたたったかその後約1年の休養を余儀なくされた。
そして今年は再びその潮騒特別からの下ろしたが7着、良血のスピード馬もすっかり色褪せてしまった。
この程度で終わるか、G3くらいの短距離戦がとれるかわからないが、本来はもう少し走ってもいい馬で、仕上げ方、使い方などに問題があったといっていい。 
現在本賞金2850万円、購買価格の何分の1がサルベージできたのだろうか。
馬券を買う立場でもこんな馬を狙っていたら大赤字毎度1番人気で勝った時が1.9倍ではたまらない。
藤沢馬を嫌うというのはそういうことなのです。

オーナーレベルでいうと藤沢さんと長い付き合いは難しい。
ミスターケビンは曲りなりにも出走しているからよいとして、競馬場に姿を現さず闇に消えた高馬だってかなりの数になる。
オーナーでもシンコウのオーナーなんかはとっくに消えたし、タイキなんかもフラフラでほぼ離れた。
それでもスポンサーは後を絶たないのだから、よほど人の懐に潜るのが上手な人なんでしょう。

今年のセレクトセールの買い物が気になって累計してみたところ、藤沢さん関連と思われる当歳馬は9頭で12億9千7百万円、1歳が4頭で3億5千百万円、おそらく庭先やマル外含めると年間20頭から入るので平均1億くらいとしても年間20億円以上の金が藤沢馬に投下されている。
これに対して藤沢厩舎の稼いだカネは昨年が12億9938万円、今年は現時点で約4億9千万円、だれが見ても勘定が合わないのがよくわかる。
こういう人がリーディングだからといって名伯楽とか名調教師とか言われることには抵抗を感じます。
この対極にいる高馬などおよそ縁のない調教師で、勝鞍も賞金獲得額も少ないけれどスポンサーは食い物にしないというタイプも少なくはない。
そうした調教師を見つけて馬券を組み立てるほうが、はるかに競馬はおもしろくなりますよ。