『書斎の競馬』元編集長のひとりごと

馬・車券歴40年以上50年未満。いつの間にかいい歳になった。

ディープを消す最初にして最後のチャンス

2006-12-24 09:30:09 | 競馬
凱旋門賞、JCとメイチの競馬が続いているディープインパクトを信じるか信じないか。強さは衆目の認めるところだが、この馬の調子はわからない。大本営発表の「生涯最高のデキ」宣言などは信じないほうがよい。類い稀な闘争心、心肺機能でなんとか格好つけるかも知れないが、小回り中山がベストとも思えず、人気ほどの信頼感はない。

敗れた競馬をベストレースなどといっては失礼かもしれないが、弱敵相手の3歳三冠レースや春季G1よりレイルリンクやプライドと死闘を演じた凱旋門賞のディープはたしかに強かった。
初の海外遠征、経験したことのない力を要する馬場を59.5キロ背負って先行し最後は力尽きたものの、ハリケーンラン、シロッコなどには先着した走り(失格だったが)が再現できるなら、ほぼ勝負付けのついているメンバーに負けることはなかろうと思う。
しかしディープは引退宣言後にJCを使った。
デビュー時から16キロ減、生涯最低体重の436キロは、見るからに後のないギリギリの状態だった。
背水の仕上げだったのか、回復に手間取ったのかはわからないが、勝っても負けてもおそらくこれがラストランだろうと思ったほど。
これまで直線で目一杯追われたのは凱旋門賞とJC、JCは自らハミを取っていくような感じはなく、BSあたりからおっつけ気味の追走。タラレバはこの世界では禁句だが、強力先行ハーツクライがのど鳴りでなければ…ウィジャボードがディープの前マークでなく先団にいたら…ディープが勝ったかどうかわからない危ない競馬だった。
ちなみに凱旋門賞上位馬のその後は、1着レイルリンクは種牡馬、2着のプライドはラストランの香港Cを勝ったが、繰り上がり3着のハリケーンランはチャンピオンS3着、BCターフ6着、消耗戦に耐えて好調子を持続するのはきわめて難しい。
燃焼しきった馬と不完全燃焼だった馬の上昇度と下降度をプラスマイナスすると…ディープが消えるという妄想? が大きく膨らみ始めている。

対抗格のダイワメジャーもマイルCSで燃え尽きたかもしれない馬である。
千八の毎日王冠、二千の天皇賞・秋を勝って3連勝、いずれも着差のわりには強い内容で、中距離馬資質を備えているのでコーナー6回の二千五百は問題なかろう。
ただ香港マイルと有馬と比べた場合、どちらが勝機ありかといえば断然香港マイルのはず、なのに見向きもしなかったというあたりが、使える状態ではなかったのではないかという疑念も生む。
少なくとも秋3戦はピークの状態だったといえるが、今回がまだあるのか、もうないのかの崖っぷちだ。

勝てないということを不完全燃焼というならば3歳ドリームパスポートはその最たるものだろう。
菊花賞は競馬に勝って勝負に負けた。
JCはこれまで見せたことのない先行策で抜け出したもののディープに2馬身離された。ただ初の古馬一線級との対戦でもあって着差ほどの能力差は感じない。
3歳ではドリームパスポートより能力下のアドマイヤムーンが、香港Cで凱旋門賞2着のプライドに短首差2着だったということからすれば、ディープと同じくらい走っても不思議はない。
中山小回り向きの器用さがあり、馬込みは苦にしないから内からでも中からでも外からでも競馬ができる。
デビュー以来毎度手替わりという珍しい馬だが、それでいて3着以下のない堅実派、先日日本記録を更新したばかりの内田博幸とはいちばん手が合いそうな感じがする。

春までは3歳の雄だったメイショウサムソンも秋は不完全燃焼。
神戸新聞杯で降着もどきの競馬をしたのがケチのつき始めで、その後もまっすぐ走ったためしはない。
まっすぐ走れないのは石橋がタコなのか、毎度の太め残りが原因かわからないが、なぜか出るたびに牛状態だったと思う。
ドリームパスポートとの春の力関係からすれば、もう一度見直す価値はある。

メルボルンC勝ちのデルタブルースは二千五百よりも距離があったほうがいいタイプなのだろうが、出遅れて3着と好走した一昨年のJCを思い起こすと争覇圏内と考えてよい。その後国内ではステイヤーズSを勝っただけだが、そのころは7分程度の状態にしかなかった。
ハンディ戦の国際G1の結果をどう評価するかだが、完全に復調しているならその先行力は侮れない。

その他ではスイープトウショウ、ポップロック、コスモバルクなどが掲示板候補。
ディープインパクトを消す最初にして最後のチャンス。中心はドリームパスポート。

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (匿名さん)
2006-12-24 22:32:23
Rail LinkについてはK Abdulla殿下のレーシングマネージャーが凱旋門賞後に「来年も現役を続ける」という趣旨の発言をしていましたが、その後種牡馬になるという報道があったのでしょうか。もしあればぜひとも教えていただきたいのですが・・・。