ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第31巻-3落日の死影

2006-12-24 13:21:57 | 第031巻~第035巻

■落日の死影(第113話) 発表1976年3月

評価     ★★★★

依頼人    西側某国黒幕

ターゲット  毒物工場の破壊と科学者の殺害

報酬     不明

今回弾丸発射数     10/ 通算弾丸発射数 770

今回殺害人数       20/ 通算殺害人数   691

今回まぐわい回数    1/  通算まぐわい回数  62

<ストーリー>
CIAが大統領令に背いて毒物を貯蔵していることが判明、西側某国はゴルゴに毒物工場破壊の依頼をする。東側某国より同様の依頼を受けた「AX-3」とゴルゴがミクロネシアで鉢合わせるが・・・

<この一言>
蛇の死体も犬の死体も、人間の死体も・・・同じはずだ・・・

<もう一言>
女の髪のピンをふっとばすだけで金になる、ということもある・・・狙撃屋ならな・・・

<解説>
CIAが化学(毒物)兵器を密かに貯蔵していることが判明。毒物兵器はCIAのみならずKGBにも供給されており、東西各陣営は証拠隠滅のために毒物工場の破壊と科学者の殺害を指示する。西側より依頼を受けたゴルゴと東側より依頼を受けた「AX-3」がミクロネシアでバッティング。ターゲットが特定の個人ではないため、両者は図らずも共同戦線をはることになるが、ミッション遂行後、AX-3はゴルゴ殺害の依頼をうけたため、両者はプロ同士の決着を付ける。

この「AX-3」、ゴルゴに匹敵するほどの実力の持ち主で、魅力的なキャラクターだ。秘密工場を探すまでのプロセスは常にゴルゴをリードしていた。抱いた女も同じで、まぐわい中においても最後までイカない、というのも同じ。破壊工作においても、銃と手榴弾という武器も同じ、狙うターゲットの優先順位も同じという、プロとしてゴルゴと双璧とみていいだろう。実際、銃での腕前は互角であり、ゴルゴの肩に着弾させている。

しかしながら、プロフェッショナルとしての考え方の違いが、生死を分けることになる。
AX-3が旧日本軍将校の自決死体を見て、「誇り高く死にたいものだな・・・くだらねえ感傷ってやつかな・・・」とゴルゴにつぶやく。ゴルゴは「だろうな・・・蛇の死体も犬の死体も、人間の死体も・・・同じはずだ・・・」と答える。ゴルゴは「くだらない感傷」について同意し、「誇り高い死」については同意していない。つまり、「誇り高い死」も「そうではない死」も存在せず、生き残ることが絶対条件であることを示唆している。
「プロ同士の対決では先に動いた方が不利になる」ため、ゴルゴとAX-3は銃を携えたまま6時間ほどにらみ合う。一発ずつ残した弾丸で撃ち合うが、ゴルゴの弾丸はAX-3を外し、AX-3の弾丸はゴルゴの肩をかすめる。直後、ゴルゴは旧日本軍の短刀を拾い上げ、AX-3を仕留める。絶対的な「生」にこだわりを持つゴルゴ、必然の勝利である。ゴルゴの信条が伺われる本作は、プロ同士の名勝負として記憶されていい。

パチスロ『ゴルゴ13 THE PROFESSIONAL』でも、AX-3との対決が採用されている。AX-3を倒せばボーナス(当たり)となるのだが、パチスロ上でもAX-3は強敵でなかなか倒せない。ゴルゴが勝つと「銃では互角だったぜ・・・銃では・・・」というAX-3の最期のセリフを聞くことが出来る。

ズキューン

ゴルゴ13 (31)巻掲載
ゴルゴ13 143 百人の毛沢東最新巻
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8 コメント

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今日は賛美歌13番さん、マリヨ神父です。 (マリヨ神父)
2011-02-25 16:58:55
今日は賛美歌13番さん、マリヨ神父です。
このエピソード、船戸与一が小説化して小学館から発売されるって話知ってました?
まぁ元々、船戸与一=外浦吾郎脚本物なので当たり前だって言われればそれまでなんですけど(笑)
この後、『鬼畜の宴』や『おろしや間諜伝説』も小説化されるって話ですよ。なんか、自分が創出した人気キャラを使ってのゴルゴ人気に乗っかった商売根性丸出しの姿勢がみえみえで嫌な感じがします。
船戸与一としての作家人生に限界を感じて手っ取り早く金を稼ぐ手段としての安易なノベライズ化、しかも各種ゴルゴサイトを閲覧しての(笑)、人気のある作品のノベライズ化!同じ外浦吾郎脚本物でも『氷結海峡』や『スキャンダルの未払い金』等は絶対にノベライズ化しないでしょう(笑)
こんな安易なノベライズ小説は絶対に読みたくありません。でも、『スドロナス・マリヨ』がノベライズ化されたら買うかな?(笑)
マリヨ神父さん、こんばんは。 (賛美歌13番)
2011-02-27 22:24:16
マリヨ神父さん、こんばんは。
船戸与一=外浦吾郎脚本がノベライズされるって本当ですか!興味深い情報ありがとうございます。
さすが脚本研究家だけあって情報が早いですね。
>『氷結海峡』や『スキャンダルの未払い金』
これらの作品についても、なんらかの落とし前(リメイクや納得のいく説明)をつけて欲しいと思います。多分、出版されるや買ってしまいそう(笑)
賛美歌13番さんこんにちは、今日は仕事が休みで... (マリヨ神父)
2011-02-28 14:21:13
賛美歌13番さんこんにちは、今日は仕事が休みでブラブラしているマリヨ神父です(笑)
久し振りにブック〇フ意外のきちんとした本屋(笑)へ行って来ました。船戸与一作小説「落日の死影」が本日発売でした。
買うのは癪だから一時間程立ち読み(笑)さすがに直木賞作家だけあって、ストーリーに厚みが増していました。名無しの「AX-3」には「ハンス・ユルゲンス」と云う名前が与えられていましたね!
マリヨ神父さん、こんばんは。 (賛美歌13番)
2011-03-06 22:33:49
マリヨ神父さん、こんばんは。
おお!船戸与一の小説、手にされましたか!!新聞広告にも大きく告知されていましたね。まだ、実物を見ていませんが楽しみです。はやくブック○フにでないかなから(苦笑)
讃美歌13番さん,こんにちは。 (ゴルゴサウルス)
2011-10-26 11:55:45
讃美歌13番さん,こんにちは。

今作の小説版,私の近辺の書店ではどうしても見つかりませんでしたが意外な事に(笑)図書館で読むことができました。
しかし,原作と異なりAX-3の本名や経歴が詳しく述べられていた点が私にはあまり評価出来ませんでしたでしたね。
最期まで正体不明のままだった事が逆に彼を印象の強いキャラクターとしていると思っているので。
ゴルゴサウルスさん、こんばんは。 (賛美歌13番)
2011-10-31 01:20:17
ゴルゴサウルスさん、こんばんは。
小説版、本屋で手に取ったのですが、読んでません。やはり小説よりもオリジナルのほうが良さそうですね。”絵”の印象が強いだけに、ゴルゴシリーズの小説リライト版は難しいのでしょう。
この作品のアニメ版のAX-3は、耳ではなく、右足→左... (カイ)
2012-03-14 07:57:36
この作品のアニメ版のAX-3は、耳ではなく、右足→左足と撃ち抜いてますね。
カイさん、こんばんは。 (賛美歌13番)
2012-05-06 22:16:28
カイさん、こんばんは。
アニメ版、ビデオにとってありますが、原作との相違点をチェックできていません。パチスロ版ゴルゴ13でも、このAX-3は重要キャラでした。本作はやはり名作ですね。

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