?色の「ためいき」

ほんと世の中「わからない」ことばかり。ニュースを見ても「?マーク」が増えるだけ。そんな「?」を書き連ねてみました。

「4K解像度」の試験放送で、強いられた「地デジバブル」を再び夢見るのは誰だ?

2014-06-03 15:43:02 | この報道に??
6月2日から「4K解像度」の試験放送がはじまったという。「4K解像度」とは、横4,000×縦2,000前後の解像度に対応した映像のことで、現在の地上波デジタル放送は1440×1080画素なので、単純に考えれば「4倍は画面がキレイな放送」ということになる。

となると「試しに『4K解像度』の試験放送を見たい」と思うのが人情だろう。しかし、どこかのチャンネルを選べば、すぐ見れるわけではない。まず、今お持ちのテレビでは映らないので、専用の受信機が付いたテレビが必要になる。しかも、試験放送はCSで放送するので、CS放送を受信できるテレビや専用のアンテナなど「なにかとモノ要り」なのは間違いない。

もっとも、政府総務省は『4K解像度』による東京オリンピック中継を計画し、4K対応製品を経済戦略のひとつに据え、「夢よもう一度」を目論みんでいる。家電メーカーや家電量販店は、ワールドカップを機会に、4K対応製品を売り場に投入、「地デジバブル」の再来を期待し、新製品の投入もはじまろうとしている。

しかし、家電メーカーや家電量販店の「地デジバブル」は、消費者のニーズがもたらした「バブル」ではなく、無理矢理ひきおこしたものであるという「汚点」は、いつしか忘れ去られてしまっている。

テレビ放送が地上アナログ波から地上デジタル波に、強制的に切り替えかえられるために、消費者は新しく買わなければテレビを見ることができないから「テレビを買う」ことを強いられたカラクリが、テレビへのニーズがつくりあげられたのである。

まったく買う気がないにもかかわらず、必要に迫られて「買わされる」のも、たしかに需要に違いがない。しかし、製品の魅力を認めて購入意欲を形成するのではなく、「見られなくなる」から購入するのでは、製品の魅力を競うことはない。なにしろ「見られる」という最低の基準を満足させればいいのだから、家電メーカーや家電量販店はニーズに応えるのではなく、大画面というシーズで競うという大失敗をおかしてしまったのであった、

ニーズに応ええるための製品開発でなければ、メーカーの競争力が育つわけではない。シーズばかりで競争しても、その結果は「ガラケー」と同じように国際的な競争力を失い、進化から取り残されてしまうだけである。

テレビメーカーが急速に競争力を失っていったのは、「地デジバブル」の甘い汁を吸って、メーカーとしての競争力を育成していかなかった結果だろう。にもかかわらず、『4K解像度』の放送を再び「絶好のチャンス」とだけ受け取り、消費者のニーズに応えることを怠れば、「ガラケー」の二の舞になってしまう可能性は高い。

もしかすると「地デジ」と同じように、ある日から『4K解像度』の放送以外は停止と政府が決め、「テレビメーカーは好調」と喧伝するために、「欲しくもない『4K解像度』対応テレビを買わされ」るのだけは、もう二度とゴメンこうむりたいものだ。


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