?色の「ためいき」

ほんと世の中「わからない」ことばかり。ニュースを見ても「?マーク」が増えるだけ。そんな「?」を書き連ねてみました。

なぜ、いま、黒田官兵衛なの?

2014-01-20 17:26:55 | こんな番組はいらない
今年の大河ドラマは「軍師官兵衛」である。既に放送は始まっているが、まだまだオープニングで、いつもの大河ドラマのように、官兵衛さんのプライベートな部分に重点が置かれ、ナンダカンダ語るべき段階ではないだろう。

どうやらご当地での騒ぎも、前作の会津若松に比べると、まだまだ「それ程でもない」ようである。ただ、官兵衛さんは軍師だっただけに、どこが正真正銘のご当地なのか、姫路でも小田原でも「最初に言いだした地方が勝ち」という気もしなくない。

それにしても、なぜ今回は黒田官兵衛さんなのだろう。前回の「八重の桜」は、白虎隊の最期に代表される戊辰戦争の悲劇が背景なのに対し、官兵衛さんは軍師だけに「戦(いくさ)」はつきものである。どちらも、血なまぐさい「戦(いくさ)」の中を生き抜いた歴史的人物といえなくもない。

もちろん、重点が「戦(いくさ)」に置かれているわけではないし、それぞれの人間的魅力らしくものを描こうとしている部分もあるのだろう。また「江~姫たちの戦国~」や「篤姫」など、主役を女性にして、「戦(いくさ)」の惨たらしさを避けようとした場合もある。

ただ、女性とはいっても主人公は、すべて「お姫さま」である。夫や息子を、兵士として戦場に狩り立てられる心配もないし、軍隊に食べものを供出して飢えに苦しむこともない。制作側の意図は別として、結局は「優雅な『お姫さま』暮らし」のしか印象に残るだけでしかなかったような気がする。

まぁ、受け止めかたは十人十色だから、「考えすぎだろ」という意見もあるだろう。しかし、事実、大河ドラマの過去を振りかえれば、第一回の「花の生涯」から「戦(いくさ)」がからんでなかったのは「いのち」や「春の波涛」くらい圧倒的に少ない。とりわけ、ここ数年は、「龍馬伝」から次の「花燃ゆ」まで、「戦(いくさ)」がらみである。

まさか昨今の世相に反映しているわけはないだろう。しかし「花燃ゆ」のように歴史的評価も定まっていない久坂玄瑞その人の妻にスポットを当てる選択があっては、「なぜ、いま、黒田官兵衛なの?」と不思議になるのも無理はないといえなくもない。

たしかに、戦国武将は記録文書が比較的残っている。逸話も伝えられているだろからドラマにしやすいのだろう。それにともなって、戦国武将には地域ごとのファンも多く、なにかとやりやすい。なんといっても、戦国武将と「戦(いくさ)」を好む多くの視聴者の傾向もある。

しかし、そこが制作側の腕の見せどころである。「大日本沿海輿地全図」をつくった伊能忠敬や、賄賂の根源と悪名ばかり伝えられる田沼意次を、開明的政治家としての再評価するなど、なにも「戦(いくさ)」がからまなくても、ドラマに採りあげる歴史的人物は多いはずだ。


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