3月8日に公開された iOS5.1により、iPhone 4S で「日本語 Siri」が利用可能になった。これまでタップやフリックで行なっていた iPhone の操作が「声」でできるということで、iPhone 4S ユーザーは日本語対応を待ち焦がれていたことだろう。
だが、実際に蓋を開けてみると「申し訳ありません」「○○(自分が質問した内容)を Web で検索してはいかがでしょう?」と、あれこれ Siri に質問をしても理想の回答を得られないことがある。「私には理解できません」を連発されると、iPhone に向かって話しかけている自分が虚しくなる。
一方、情報検索や機能の呼び出しとは関係ない「雑談」に対してはユニークな返事をしてくれる。例えば、「結婚してください」→「まだお互いのことをほとんど知らないじゃないですか」や、「愛してるよ」→「ほかの携帯電話にも同じことを言ってるんじゃないですか?」などだが、何故か反応がよそよそしい。
音声パッケージ「ロレブロン13モンスターハートビーツラ版」を適用した Siri へ「愛してるよ」と話すと…
そんな「Siri」の現状を鑑み、ブロードバンド接続サービスを提供するインターリンクは、日本語「Siri」用の音声パッケージを独自に開発すると同時に、 iOS への正式採用を目指して Apple と直接交渉を進めることを2012年4月1日に明らかにした(http://www.interlink.or.jp/siri)。今回、開発が決定している音声パッケージは、「修造版」「ローラ版」「オタク版」「アイドル版」「車掌版」「BL 版」「ツンデレ版」「時代劇版」「メイド版」の全9種類。入力音声の内容?文脈をもとに回答を選択するアルゴリズムが各パッケージで異なっており、「修造版」は「諦めるなお前」といった叱咤激励系の回答のみとなる。
また、各パッケージには利用期間が長くなるにつれ、回答が変化する機能も実装される。これにより回答が次第にフランクになり、親密な関係を築くこともできるという。各パッケージの音声は本人を想定しており、順次出演者と交渉を進める予定。
開発工程の発表と、「オタク版」「アイドル版」「車掌版」などの声優のオーディションは、2012年5月1日よりオタク川柳の特設サイト「Siri 声優オーディション」で実施される。具体的な開発は、8月1日から始まる「2012シリコンバレーインターンシップ」で行われ、今年10月中旬~11月上旬の完成を目指すとしている。
修造版を適用した Siri へ「愛してるよ」と話すと…
車掌版を適用した Siri へ「愛してるよ」と話すと…
…とインターリンクが大々的に発表したこの「Siri 用音声パッケージの開発」は、同社がエイプリルフールのために用意したジョーク。実際に同インターンシップで開発されるのは、同社が本年秋に再開する「シルバー向け無料 iPad 教室」の教材となる iPad アプリだ。インターン生は、iPad の楽しさが伝わると同時に、認知症予防にも繋がるアプリの考案と作成に従事する。