もーあしび旧記

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氷川丸

2007-02-15 22:59:51 | 船舶事務所
横浜・山下公園に一隻の客船が係留されている。
昭和5年建造の氷川丸である。
横浜市指定の文化財にも指定され、長年氷川丸マリンタワーによって公開展示されていたが、去る2006年12月をもって公開展示の営業を終了してしまった。
少し前の話題になるけれど、氷川丸を見学してきた時の話にお付き合い願いたい。


日本の大型客船のプラモデルとなると相当数が少ないが、その少ない中の一隻に氷川丸が含まれている。以前から我が家にストックしてあるモデルなので、その資料集めが最大の目的であった。

乗船口で、半額に下がった乗船料を払い見学コース最初のエンジンルームに入る。
海面下にあるエンジンルームには当時最新型であったデンマークのB&W社製ディーゼルエンジンが鎮座する。

このエンジンは現存最古のディーゼル内燃機関だそでうで、文化価値が高いそうだ。
ブリッジ(操舵室)から直接エンジンの操作が出来ず、エンジンルームには機関士が乗り組み操作していた。
ブリッジからの指示は円形の指示盤を主に使い、補助的に専用ボックス内の電話を使っていた。(電話はあっても騒音で聞き取りにくかっただろうなぁ)

エンジンルーム内のメーターもレトロな物が並び、時代を感じさせる。

長くなってしまったけど、1/700のプラモのエンジンルームはドンガラであるので資料的価値は・・・・???



さて、次のコーナーは日本の外航客船黄金期の頃のモデルを並べたコーナー。
現存しない船も多数あり、今後の模型化しようとする船の参考にじっくり見学させてもらう。
1/700では潰れがちなブリッジ周りのディテールや、上から見たディテールは大変参考になる。




続いて、現役の頃の氷川丸の映像や写真パネル、ゆかりの品々を見ながら船の歴史を学ぶ。
戦火の中を生き抜いた逞しさや、多くの人の人生の一部担ってきたのだと感慨に耽ったりする。

船室を覗きながら赤絨毯敷きの廊下を歩く。

当時は豪華客船ではあったのだろうけど、どの部屋のベットも長さが短く、身長180cmの私には窮屈そうである。

船首に出て模型化の際には色等を参考にするため、アンカーウインチやクレーンをカメラに収める。


アンカーウインチや船首甲板の色は現役当時の色か怪しいが、このあたりは模型化の際に製作者のセンスがでるところだ。

木材を多用した甲板は、建造当時のままの部分とのこと。つくづく古い船であることを実感する。

甲板に突き出した換気口の開口部は赤く塗られており、模型でも良いアクセントになりそうだ。

煙突には、日本郵船の所属を表す赤線2本(二引き)ファンネルマークが入る。

その横には救命ボートが吊るされている。

よく見ると、救命ボートにも日本郵船のマークが入っている。

普段はじっくり見るものではないので、救命ボートの配色も模型の参考になる。

ブリッジに上がって、操舵室を見学。
やっぱりレトロだなぁ~。
因みに神棚には、船名の由来になった氷川神社の神様が奉ってある。


操舵室を出て後ろを向くと、ブリッジの高さを実感。高所恐怖症なので、早々に退散・・・。


船尾に降りて、マリンタワーとをバックに一枚。


保存・維持管理は大変だろうけど、どちらも横浜市民に愛されてきたシンボルだけにどちらも末永く残してほしいと願いながら帰路に着いた。