夢の中で

「夢」とはすごいなぁとよく思う。
「夢」というのは、将来の夢ではなく、寝るときに見る「夢」である。
僕は最近、「夢」を見ていない。
おそらく、寝る時間もあまりなく、ほぼ毎日勉強なので相当疲れているのだろう。
「夢」は基本的に起きてからあまり覚えていない。
しかし、僕は１回見た、あの「夢」だけは今も覚えている。
それは、“自分の体で、大空を飛んだこと”だ。
人間は自分で飛ぶことができない。重力が大きいからだ。
月日がたてば、やがて飛べるようになるかもしれないが、おそらくしばらく時間がかかるだろう。
僕はこのときのわくわく感がどうしてもたまらなかった。
雲ひとつない、大空を、鳥たちと共に飛び回っているのだ。
風が暖かくて気持ちがよい。
どこへ行ったのかは知らないが、とにかく僕は飛んでいた。
僕はあの感覚を忘れることはできない。
今まで見た「夢」の中で一番、楽しさあふれる夢だったと思う。
僕はもう一度あの「夢」が見たい。
「夢」でいいのだ。「夢」ならば自分は何をしたって構わない。
そこが「夢」のいいところだと思う。
そして、ふと、目が覚めるとそこはあたたかい布団の中だった。