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山之口獏詩文集

2007-01-05 | 沖縄の本
山之口獏は、明治36年生まれ沖縄出身の詩人です。
沖縄県立第一中学校時代には、方言罰札に反発してウチナーグチを使い続け、方言札を独り占めしたそうです。19歳で東京に出てから、59歳で亡くなるまで詩を書き続けますが、これらはもちろんヤマトグチです。

この本には詩だけでなく、日記やエッセイも入っていて「青年時代」というエッセイで、沖縄に対する思いを語っています。

行きつけの喫茶店でコーヒーを飲んでいると、常連の一人が日焼けした顔で入ってきて「沖縄へ出張に行って来た」と言います。山之口が沖縄出身とも知らず「酋長の家に招待されて丼で泡盛を飲んだ」とか「土人がどうした」とかいうことを語ります。それを瞠目して聞いている喫茶店の娘に、結婚を申し込むつもりの山之口は、自分が沖縄人と知ったらどうなるだろうと、一抹の哀愁に襲われてしまいます。これは、昭和初期の頃の話です。



コンプレックスを抱えながらヤマトで生きた山之口は、戦後1958年に2ヶ月の間沖縄に帰郷しますが、大きなショックで茫然自失になり、しばらくは文章も書けなくなり、それからわずか4年後に59才で亡くなったそうです。下の「弾を浴びた島」は、一見あっさりとした印象を受けますが、その奥に深い悲しみがあります。


「弾を浴びた島」
  島の土を踏んだとたんに
  ガンジューイとあいさつしたところ
  はいおかげさまで元気ですとか言って
  島の人は日本語で来たのだ
  郷愁はいささか戸惑いしてしまって
  ※ウチナーグチマディン ムル
  イクサニ サッタルバスイ※ と言うと
  島の人は苦笑したのだが
  沖縄語は上手ですねと来たのだ

  ※沖縄言葉まで すべて 戦争でやられたのか※




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2 コメント

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魂の詩人 (沖縄のヒロシ)
2007-01-06 00:02:59
山之口獏は魂の詩人だと思います。
木訥とした語り口の中に人間の魂みたいなものが
存在しているのですね・・・
言葉で語るというよりも魂で語るみたいな。。
沖縄のヒロシさんへ (gangaze)
2007-01-06 10:54:31
私が初めて山之口獏の詩を知ったのは、高田渡の歌でした。あの独特のキャラクターと歌い方から創造してたよりも、山之口獏は、もっとトガッタ人なのかなと思います。山之口獏の作品を、もっと読みたくなりました。
単にオキナワだけではない、もっと大きなものを感じさせる人ですね。それが、沖縄のヒロシさんの言葉を借りれば「人間の魂」なのかもしれません。