名刺に仮寓のマンションの電話番号を書き加えて渡した。
久しぶりに自宅に帰るつもりで出てきたが、時間も遅くなり栃木市に戻ることにした。
何故か若やいでいる自分に気がついた。
赴任して初めての新年を迎え、来客の応対そして挨拶まわりと時間が過ぎた。
自宅から車で夜遅く戻ってきていつしか一週間が過ぎていた。
夜、仮寓のマンションでテレビを観ていると電話が鳴った。
「はい。もしもし・・」
「洋子です。今晩は。この間はとても楽しかったわ。
ありがとうございました
ところで、この間のお話に甘えて、そちらに伺っても宜しいですか」
いきなり、洋子には驚いたが何か嬉しい響きに聴こえた。
「勿論ですよ。で、何時、来られるの・・」
「今週末の土曜日はいかがですか」
と洋子の声が弾んでいるように聴こえた
「いいですよ。交通の便がいい東北本線の小山駅にしましょう。
駅の中央改札口にしましょう。
時刻は洋ちゃんの都合の良い時刻でいいですから決めたら
連絡をください。
楽しみにして待っています」
する洋子は
「栃木市の文化を観に行くのですから、
両毛線で行かせてくださらない」
寂しそうな駅の改札口を想い浮かべた。
この時、重要な意味を持つとは夢想にしなかった。
「改札口は一カ所しかないから、直ぐに分かるよ」
そう返事をすると、暫し間をおいて、その通りかなと思った。
当日の朝を迎えた。
下野の冬は冷える。
やはり、学生時代最後のスケート旅行も、この時期だった。
昨晩、自宅から取り寄せておいた懐かしいスケートに行った時のアルバムをソファーのテーブルの上に置いておいた。
今朝のモーニングはミルクとフランスパンで軽くすませた。 ひとり住まいだから何もすることもないので、せめて珈琲ぐらいは毎朝、ミルで豆を挽きドリップしている。部屋中に漂う珈琲豆の香りは眠気覚ましには最高だと思っている。出来立ての珈琲に石のように固い珈琲シュガーをスプーンで二杯半入れて掻き回し、暫し思考した。
足利と益子も案内するとなると二~三日は必要だ。もしかしたら、この機会限りの訪問かも知れない。 なら余計に益子と隣り合わせの笠間も入れた案内をして上げたい。 しかし、泊まる処は紹介できるほどの満足する魅力ある処はない。
やはり、ここ栃木市の蔵屋敷だけにするしかないか。
その後は洋子と話をして決めよう
つづく
追記:この話の半分ぐらいになりました。時代は昭和40年代で、いかにも「昭和です」。
このまま続けても…中断か休憩をしたいと思います。ご意見を頂ければ幸いです。
久しぶりに自宅に帰るつもりで出てきたが、時間も遅くなり栃木市に戻ることにした。
何故か若やいでいる自分に気がついた。
赴任して初めての新年を迎え、来客の応対そして挨拶まわりと時間が過ぎた。
自宅から車で夜遅く戻ってきていつしか一週間が過ぎていた。
夜、仮寓のマンションでテレビを観ていると電話が鳴った。
「はい。もしもし・・」
「洋子です。今晩は。この間はとても楽しかったわ。
ありがとうございました
ところで、この間のお話に甘えて、そちらに伺っても宜しいですか」
いきなり、洋子には驚いたが何か嬉しい響きに聴こえた。
「勿論ですよ。で、何時、来られるの・・」
「今週末の土曜日はいかがですか」
と洋子の声が弾んでいるように聴こえた
「いいですよ。交通の便がいい東北本線の小山駅にしましょう。
駅の中央改札口にしましょう。
時刻は洋ちゃんの都合の良い時刻でいいですから決めたら
連絡をください。
楽しみにして待っています」
する洋子は
「栃木市の文化を観に行くのですから、
両毛線で行かせてくださらない」
寂しそうな駅の改札口を想い浮かべた。
この時、重要な意味を持つとは夢想にしなかった。
「改札口は一カ所しかないから、直ぐに分かるよ」
そう返事をすると、暫し間をおいて、その通りかなと思った。
当日の朝を迎えた。
下野の冬は冷える。
やはり、学生時代最後のスケート旅行も、この時期だった。
昨晩、自宅から取り寄せておいた懐かしいスケートに行った時のアルバムをソファーのテーブルの上に置いておいた。
今朝のモーニングはミルクとフランスパンで軽くすませた。 ひとり住まいだから何もすることもないので、せめて珈琲ぐらいは毎朝、ミルで豆を挽きドリップしている。部屋中に漂う珈琲豆の香りは眠気覚ましには最高だと思っている。出来立ての珈琲に石のように固い珈琲シュガーをスプーンで二杯半入れて掻き回し、暫し思考した。
足利と益子も案内するとなると二~三日は必要だ。もしかしたら、この機会限りの訪問かも知れない。 なら余計に益子と隣り合わせの笠間も入れた案内をして上げたい。 しかし、泊まる処は紹介できるほどの満足する魅力ある処はない。
やはり、ここ栃木市の蔵屋敷だけにするしかないか。
その後は洋子と話をして決めよう
つづく
追記:この話の半分ぐらいになりました。時代は昭和40年代で、いかにも「昭和です」。
このまま続けても…中断か休憩をしたいと思います。ご意見を頂ければ幸いです。