再生可能エネルギー固定価格買取制度、H24年度の賦課金減免状況

前回、固定価格買取制度の賦課金減免事業所について、個人的に集計した結果を掲載しましたが、資源エネルギー庁の資料でH24年度の賦課金減免状況が公開されました。

再生可能エネルギーの固定価格買取制度についてH24年10月(pdf,P44)
http://www.enecho.meti.go.jp/saiene/kaitori/dl/2012setsumeikai.pdf

減免対象は以下の通り

 855事業者、1430事業所。
 減免対象電力量 476億kWh(製造業419億kWh、非製造業57億kWh)

賦課金が免除される金額は
 
 476億kwh x 0.22円/kwh x 80% = 約84億円

となります。

 
私の集計では減免認定の電気使用量は約450億kwhでしたので、約26億kwhの集計漏れがあったようです。訂正いたします。(事業者、事業所数は合っていた)

業種別・賦課金減免状況

(クリックで大きく見られます)

業種別の減免対象電力量では製造業が9割を占め、鉄鋼(154億kWh)、化学(93億kWh)、非鉄金属(46億kWh)、電子部品(46億kwh)など。
また、非製造業では、水道(27億kWh)、熱供給(10億kWh)、冷蔵倉庫(9億kWh)などとなっています。

減免対象の電力量が476億kwhということは、日本の年間発電量約1兆kwhの5%以下。前回も書いたとおり賦課金減免はそれほど多くない印象です。これは電気事業者から購入した電気が対象で、自家発電を使っている大手企業が対象にならないためかと思います。また、減免認定されると企業名、電気使用量等が公表されるのでこれを嫌って認定を受けなかった企業もあるかもしれません。

この賦課金減免制度では、規模がある程度大きく、かつ、売り上げに対する電力使用量が大きくなければ減免を受けることはできません。すでに節電の取り組みをおこなっている事業所は減免を受けられないという可能性も。また、水道業などは国際競争力に配慮するという減免の趣旨に当てはまるのかも疑問あり。

再生可能エネルギーの固定価格買取制度は、電気使用者が負担することで再生可能エネルギーの普及を進めようという制度。納得して賦課金を払い続けることができるか。どこまで負担できるか。不公平感をどうなくすか。こういった詳細設計が固定価格買取制度の鍵になると考えています。


関連ページ
再生エネ賦課金の減免求めるドイツ企業3倍に (2012/8/30)
http://jrri.jp/info-201208.html
ドイツの賦課金減免制度が来年から緩和されることで、減免される電力量は850億kWhから1070億kWhへと増えると。

電気代高騰が総選挙争点に=脱原発のドイツ-国民に不満、不公平感も
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201210/2012102000168&g=pol
賦課金引き上げ、8割が反対=電気代高騰に反発-独調査
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201210/2012102700092
企業の減免が拡大される一方、家庭用の賦課金は大幅に上昇。国民の不満、不公平感が高まっていると。

欧州におけるFIT制度と 産業界の費用負担及び軽減措置等に関する動向 ~ ドイツを中心として ~
http://www.jisf.or.jp/news/topics/documents/Ito_1129_JPN.pdf
ドイツの賦課金減免制度の詳細説明あり。

日本エネルギー経済研究所 賦課金の減免措置の運用細則が明らかに
http://eneken.ieej.or.jp/data/4358.pdf

再生可能エネルギー固定価格制度、賦課金減免について
http://blog.goo.ne.jp/fun_energy/e/30d8bdd66d3dbee77467bbe7f2d4fcb0
前回記事。賦課金減免の制度内容についてはこちらをご覧ください。

2012/11/18 更新
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