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環境を考える
エネファームは省エネなのか?その1 実際の効率は?
家庭用燃料電池「エネファーム」について。
日本政府は家庭用燃料電池と蓄電池を成長分野と位置づけ、補助金等で普及拡大を進めています。
平成24年度 民生用燃料電池導入支援事業 補助金制度のご案内
http://www.fca-enefarm.org/subsidy24/subsidy.html
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環境にやさしい燃料電池システム導入支援のための国の補助金制度について
快適で豊かなくらしを維持しながら省エネ・CO2削減を実現する。
それが「エネファーム」でスタートする新しいエコライフです。
環境にやさしくありたい、というあなたのために 家庭用燃料電池「エネファーム」のあるライフスタイルを国も応援しています。
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環境にやさしく、省エネ・CO2削減を実現するという「エネファーム」。では実際どのくらい省エネ・CO2削減になるのでしょうか?
まずは、仕様です。
家庭用燃料電池「エネファーム」の新製品発売について
http://www.tokyo-gas.co.jp/Press/20130117-02.html
発電出力 200W~750W
定格発電効率 39.0% (LHV)35.2% (HHV)
定格熱回収効率 56.0% (LHV)50.6% (HHV)
総合効率 95.0% (LHV)85.8% (HHV)
*熱出力についてはここでは記載がありませんが、約1kwのようです。
*ガス消費量は記載なし。
参考:現行製品仕様 http://home.tokyo-gas.co.jp/enefarm_special/enefarm/specific.html
LHVは低位発熱量,HHVは高位発熱量。「総合効率世界最高となる95.0%(LHV)」というのは、定格発電(750W)時に
発電効率 39% + 熱回収効率 56% = 95%
ということになります(HHVでは85.8%)。これを見るとエネファームでは定格発電時が最も効率が高いようです。効率95%というのは確かにすばらしいのですが、家庭では750Wの電気需要が常にあるわけではなく、また熱(給湯)の需要も限られています。最低出力の200Wの場合にはどの程度の効率なのかは分かりません。
また、ページ下の「エネファームについて」では、こんな記載も。
火力発電所からの電気と都市ガス給湯器からの給湯を行なう方式と比べ、定格発電時にCO2排出量を約49%削減、一次エネルギー消費量を約37%削減できます。また、年間の光熱費を約6万円節約、年間のCO2排出量を約1.3トン削減できます。
このCO2、一次エネルギー消費量削減というのも定格発電時。実際に家庭で使用した場合にどの程度の省エネ、CO2削減になるのか分かりません。
従来システムとエネファームの一次エネルギー利用効率比較
http://home.tokyo-gas.co.jp/enefarm_special/merit/energy.html
東京ガス エネファームスペシャルサイトより。従来システムでは、発電時に63%が失われ家に届くのは最初にあったエネルギーのたったの37%。それに対し、エネファームならなんと81%も利用できます。と。
こちらも定格出力時の効率(現行商品、HHV)で実際の使用状況でのエネルギー削減はありません。また、電力会社での発電時の一次エネルギーとの比較なのですが、石炭・石油・天然ガスなどの火力発電での効率を示しているようです。エネファームでの一次エネルギーは天然ガスなので、ここでは天然ガスでの発電(+熱回収)での効率で比較する方が公平かと思います。
CO2排出量
http://home.tokyo-gas.co.jp/enefarm_special/merit/co2.html
CO2排出量ですが、こちらも「定格出力時」に火力発電と比べて48%減。また、発電時の排出量原単位は火力発電平均の0.69kg-co2/kwhで計算されています。
電事連:2012年・電気事業における環境行動計画 2011年度のCO2排出実績
http://www.fepc.or.jp/environment/warming/environment/pdf/2012.pdf#page=6
上記資料によると、平成23年度の電気事業全体での使用端排出原単位は0.510kg-co2/kwhなので、電気使用時のCO2排出量は平成23年度の約1.35倍で計算されていることになります。
また、年間1.5tのCO2削減とあり、これには試算条件もあります。これについてはまた次回。
ここまで見て、エネファームでは定格発電時の最大効率でのみ宣伝されていて、実際の家庭での使用時の効率、エネルギー消費量等が分かりません。家庭は750Wの電力需要が常にあるわけではなく、低出力時の効率が重要。また、熱出力(給湯)と発電のバランスも考慮する必要があります。理論値の最大効率だけでの宣伝では、実態とかけ離れたものになりかねません。
続く
関連ページ
一般社団法人 燃料電池普及促進協会
http://www.fca-enefarm.org/about.html
JX日鉱日石 家庭用燃料電池 エネファーム
http://www.noe.jx-group.co.jp/lande/product/fuelcell/index.html
パナソニック 家庭用燃料電池(エネファーム)
http://panasonic.co.jp/ap/FC/index.htm
燃料電池よ、お前もか 「エネファーム」好調の先に潜むワナ(日経新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0101L_R00C12A6000000/
2013/1/29 更新
日本政府は家庭用燃料電池と蓄電池を成長分野と位置づけ、補助金等で普及拡大を進めています。
平成24年度 民生用燃料電池導入支援事業 補助金制度のご案内
http://www.fca-enefarm.org/subsidy24/subsidy.html
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環境にやさしい燃料電池システム導入支援のための国の補助金制度について
快適で豊かなくらしを維持しながら省エネ・CO2削減を実現する。
それが「エネファーム」でスタートする新しいエコライフです。
環境にやさしくありたい、というあなたのために 家庭用燃料電池「エネファーム」のあるライフスタイルを国も応援しています。
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環境にやさしく、省エネ・CO2削減を実現するという「エネファーム」。では実際どのくらい省エネ・CO2削減になるのでしょうか?
まずは、仕様です。
家庭用燃料電池「エネファーム」の新製品発売について
http://www.tokyo-gas.co.jp/Press/20130117-02.html
発電出力 200W~750W
定格発電効率 39.0% (LHV)35.2% (HHV)
定格熱回収効率 56.0% (LHV)50.6% (HHV)
総合効率 95.0% (LHV)85.8% (HHV)
*熱出力についてはここでは記載がありませんが、約1kwのようです。
*ガス消費量は記載なし。
参考:現行製品仕様 http://home.tokyo-gas.co.jp/enefarm_special/enefarm/specific.html
LHVは低位発熱量,HHVは高位発熱量。「総合効率世界最高となる95.0%(LHV)」というのは、定格発電(750W)時に
発電効率 39% + 熱回収効率 56% = 95%
ということになります(HHVでは85.8%)。これを見るとエネファームでは定格発電時が最も効率が高いようです。効率95%というのは確かにすばらしいのですが、家庭では750Wの電気需要が常にあるわけではなく、また熱(給湯)の需要も限られています。最低出力の200Wの場合にはどの程度の効率なのかは分かりません。
また、ページ下の「エネファームについて」では、こんな記載も。
火力発電所からの電気と都市ガス給湯器からの給湯を行なう方式と比べ、定格発電時にCO2排出量を約49%削減、一次エネルギー消費量を約37%削減できます。また、年間の光熱費を約6万円節約、年間のCO2排出量を約1.3トン削減できます。
このCO2、一次エネルギー消費量削減というのも定格発電時。実際に家庭で使用した場合にどの程度の省エネ、CO2削減になるのか分かりません。
従来システムとエネファームの一次エネルギー利用効率比較
http://home.tokyo-gas.co.jp/enefarm_special/merit/energy.html
東京ガス エネファームスペシャルサイトより。従来システムでは、発電時に63%が失われ家に届くのは最初にあったエネルギーのたったの37%。それに対し、エネファームならなんと81%も利用できます。と。
こちらも定格出力時の効率(現行商品、HHV)で実際の使用状況でのエネルギー削減はありません。また、電力会社での発電時の一次エネルギーとの比較なのですが、石炭・石油・天然ガスなどの火力発電での効率を示しているようです。エネファームでの一次エネルギーは天然ガスなので、ここでは天然ガスでの発電(+熱回収)での効率で比較する方が公平かと思います。
CO2排出量
http://home.tokyo-gas.co.jp/enefarm_special/merit/co2.html
CO2排出量ですが、こちらも「定格出力時」に火力発電と比べて48%減。また、発電時の排出量原単位は火力発電平均の0.69kg-co2/kwhで計算されています。
電事連:2012年・電気事業における環境行動計画 2011年度のCO2排出実績
http://www.fepc.or.jp/environment/warming/environment/pdf/2012.pdf#page=6
上記資料によると、平成23年度の電気事業全体での使用端排出原単位は0.510kg-co2/kwhなので、電気使用時のCO2排出量は平成23年度の約1.35倍で計算されていることになります。
また、年間1.5tのCO2削減とあり、これには試算条件もあります。これについてはまた次回。
ここまで見て、エネファームでは定格発電時の最大効率でのみ宣伝されていて、実際の家庭での使用時の効率、エネルギー消費量等が分かりません。家庭は750Wの電力需要が常にあるわけではなく、低出力時の効率が重要。また、熱出力(給湯)と発電のバランスも考慮する必要があります。理論値の最大効率だけでの宣伝では、実態とかけ離れたものになりかねません。
続く
関連ページ
一般社団法人 燃料電池普及促進協会
http://www.fca-enefarm.org/about.html
JX日鉱日石 家庭用燃料電池 エネファーム
http://www.noe.jx-group.co.jp/lande/product/fuelcell/index.html
パナソニック 家庭用燃料電池(エネファーム)
http://panasonic.co.jp/ap/FC/index.htm
燃料電池よ、お前もか 「エネファーム」好調の先に潜むワナ(日経新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0101L_R00C12A6000000/
2013/1/29 更新
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