福祉革命!

今、福祉業界は 崩壊危機に直面中。人は心で生きてます。皆さんに愛と勇気を…

ご利用者の気遣い(頂き物等)に対する専門性

2008-12-07 23:09:29 | Weblog
 ご利用者やご家族から「気持ちなので」と、贈答品やお茶等を「召し上がって下さい」と、出される事があると思います。
ヘルパーから、「何故、頂き物をしてはいけないのですか?お茶もダメですか?
断るとご利用者の気持ちを無にして逆に失礼な気がするのですが・・・」
と、聞かれる事があります。
事業所(会社)によっては、頂くのが当然の事のように断ることも無く「いつも、ありがとうございます」と、受け取られている事業所も多いと耳にします。

しかし、介護保険を利用したサービスは国の公的資金を利用しているサービス業の一つです。
勿論、ご利用者様は、友達や知人ではありません。
どんな些細な物でも、金額や品物に限らず、「頂き物」を受け取る事は、先々に繋がりません。決してベターなことではないでしょう。

特に訪問介護の場合は、ご利用者様のテリトリーがご自宅である為、気分を損ねず断る事は至難の業。
例えば、訪問する度に、いつもお茶やお茶菓子等を用意されており「一緒に話しながらお茶を飲みたいから仕事はしないで、そこに座ってお茶を飲みの相手して」「内緒にすればいいのだから、飲んでくれなければ帰さない」等と、口説き文句のような言葉で勧められる事や「~ヘルパーは、いつも食べてから帰ってくれるのに、連れないわね」等と、言われることもあるでしょう。
気遣いをなさるご利用者様(お客様)の気持ちは、大変有難く感謝しなければなりません。
だからこそ「何故断らなければいけない事なのか」を、しっかりとしたスーパービジョンの指導をされていないとヘルパー自身は断る事に「罪悪感」に苦しみ、深く悩まれるかもしれません。
ご利用者様との関係性が良い時は、頂き物等が人間関係を築く為の一つのアイテムかのように関係性を深められたような様に一見、錯覚される事があるかもしれません。
人間関係は物で築かれるような薄い物では決してないと思います。

 安易に一人のヘルパーが禁止されている事(規則)を守らなければ、他のヘルパーも規則を守りきれなくなり、規律は保たれずチームワークは崩れます。その結果、せっかく頑張られたご利用者様との関係性や仕事への信用等、大切にされてきたものを失う事にも繋がりかねません。
又、ご利用者様(お客様)は、一度受け取られると「また、次も用意しないと・・・」と、逆に義務感に近い感覚になられ、ご利用者様(お客様)に気を遣わせてしまう事もあります。

 更に、何らかの切っ掛けでご利用者(お客様)との関係性が崩れた時は、諸刃の剣です。
「あんなに色々気を遣って色々してあげたのに・・・」と、逆に不信感を強く募らせ、サービス事態が中止になる事や、受け取ったヘルパー個人に対しての批判や責任を追及するような事等も少なくありません。
ご利用者様への初回面接や契約時の禁止事項説明等をしっかりと伝える事は責任者としの大切な職務であると思います。又、事業所(会社)への報告が無い事でのトラブルは事業所も責任を取りきれない事がありますので、職員へのリスクマネージメントとしてのスーパービジョン教育が重要ではないでしょうか。

「また、ご訪問させて頂きたいので、禁止されている事は、内緒と言われても、嘘がつけない性格なので、お気持ちだけ頂きます」と、いつも笑顔で頑なに断られているヘルパーをご利用者は「真面目で信頼が出来るヘルパー」と評価されることもあります。

 心の仕事であるからこそ、感情だけに左右されない意識や覚悟が必要ではないでしょうか。「その場だけが、よければいい」のではなく、先々に繋ぐ対応が対人間職の専門性ではないでしょうか。

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ほたる)
2008-12-08 23:58:01
職業的人間関係は2級ヘルパーレベルの教科書でも書かれています。「親しき中にも礼儀あり」日本人としての最低限の美徳。実のなる木の下で冠を正すような愚行を戒める世の中。まして利害関係・利益相反関係にあれば、行為そのものが「贈収賄」です。そのことで保険請求上の公平性に影響が出れば「保険金詐欺」です。限りなく恥かしい話です。
返信する
初めてコメントさせて頂きます (りぃ)
2008-12-24 03:07:22
いつも大変興味深く読ませて頂いています。
頂き物については全く同感でありますが、実際 これについては本当に色々な事がありました。
今もそう言うヘルパーさんと曜日違いで入っており、頂き物の他にも時間延長や 違うサービス時間に訪問しておしゃべりをしたり…等という事もあるようで チームワークの乱れを感じています。
社員の方(サ責さん)に話してもなかなかそのヘルパーさんに伝えて頂けないようで残念です(やはり言いにくいみたいです…)。
ヘルパーのミーティングや 印刷物等、会社からも色々な機会にも もう一度、徹底して頂ければ、と お願いして居るのですが…。
返信する
りぃさん (福祉革命管理人)
2008-12-25 16:04:36
「福祉革命」をご覧下さり、貴重なご意見本当にありがとうございます。

 在宅ヘルパーは、ご利用者様と一対一の現場で、ヘルパー同士での関わりが難しい分、チームワークの認識が薄まりやすい職種であると思います。りぃさんと同じように、ご利用者様を思い、職業意識を持ち続け、一生懸命規則を守り頑張っていらっしゃる方々が、逆に悩まれ、働きにくくなられている現状は、とても残念に思います。
 私は今も「正義は勝つ」と信じています。
日々闘われ頑張っていらっしゃるヘルパーの皆様を、これからも、陰ながら応援させて頂きたいと思います。
「調整役」であるサービス提供責任者は、ヘルパーは勿論、ご利用者様を守る事は重要な職務だと思います。
 その為にも、職員の意識教育やリスクマネージメントとしてご利用者様との契約時等に心を鬼にして先に繋がる為にもしっかり「良い事、悪い事」等をお伝えする事で、職務遂行といえるのではないでしょうか。

又、サービス提供責任者は、過酷な責任や精神的孤独の中で日々闘っておられると思います。ご利用者様の明日の生活の為にも・・・現場で頑張っているヘルパーの皆様の為にも・・・今後の福祉の為にも・・・微力ながら応援させて頂けたらと思います。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。