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旧★キャバリアのふく★ブログ

理解できないということは何か?

2006年01月27日 | 子供プロジェクト
★愛犬写真募集中!★

行ってきました。
脳と仮想の著者であり脳科学者の茂木健一郎氏のセミナー。
世界一受けたい授業での「A Ha!」体験授業、
プロジェクトXの後釜「プロフェッショナル」の司会、
そしてソニーのクオリアなどでもお馴染みの先生です。

脳と仮想の中で述べられているポイントを
わかりやすく講義してくださり、目からウロコの2時間半でした。

セミナーのテーマは、
「理解できないということは何か?」です。
日常の何気ない会話の中でさえかなり頻繁に
「この人は、なんでそんなふうに思うんだろう?」と
考えてしまいがちな私には嬉しいテーマでした。
内容を簡単にご紹介します。

自閉症の子供は「他人の心を理解できない」と言われている。
確かにそれはそうなんだけど、
だからといって自閉症でない自分を
安全圏においてしまうのはおかしい。

他人の心は絶対に分からないものとしてある
多様性を受け入れることで人生は豊かになる
自分の価値感を人に強制してはならない


養老先生もことあるごとに触れられていますが
茂木先生も大前提として
”他人の心は誰にもわからない”ということを仰っていました。
でも人間は生きていかなきゃならないから、
『わかったことにして』進んで行くんですよと。

ではなぜ、人は他人に共感したり、
相手の心にある美しいものを感じることができるのか?

ここが今回の講義で私が一番印象に残って
涙が出そうに感動した部分なんだけど。

人間の脳にはミラーニューロンといる神経細胞があるそうです。
このミラーニューロンは、
自分がある行動をしても、
他人が同じ行動をするのを見ても、
同じように活動するそうです。

なんでそんな細胞が必要かって言うと。
ヒトは「理解しよう」とするとき、
過去の同じような体験から得た『記憶』を
脳から引っ張り出してきて「わかろう」とするんですね。
”コミュニケーション”は、
”自分の感情のレパートリーを相手に投影すること”とイコールなんです。

図で書くと、こんな感じ。

コミュニケーションイメージ
人間は体験から得た記憶を、
『感情のレパートリー』として蓄積します。
この感情のレパートリーが沢山あれば、それだけ「わかる」確立が高い。

というわけで、
コミュニケーションを円滑するために、
豊かな人生を送るために、
『感情のレパートリー』を引き出す役割として、
他人の体験であっても
自分が体験したように感じることができるミラーニューロンという神経が人間には備わっておるんじゃな。
ここまではアグリー?
(ちなみにこのミラーニューロン君、
言葉を司る神経の近くにお住いなんですって。なんか感動的だよね。)


さて。いよいよこのブログの本題ですが。
今までのお話のポイントは2つあります。

まずひとつめ。
他人の行動(経験)は
ミラーニューロンによって自分にコピーされている


感動的な経験をたくさんする人と一緒にいれば、
その経験は自分にもコピーされて蓄積される。
不平不満が多い人と一緒にても、同じように自分にコピーされる。
『誰と一緒にいるか』は、人生において非常に重要な課題である。

もうひとつは。
コミュニケーションとは
“自分の感情のレパートリー”を相手に投影すること


感情のレパートリーがたくさんあれば、
それだけ「わかる」ことができる。
大切な人と、喜びや悲しみを分かち合うこともできる。
(余談ですが・・・。
 感情のレパートリーを増やすには、たくさんの経験が必要だから
 経験を積むこと=『歳をとる』ことは、素晴らしいことなんですよ!
 人に年齢を明かすことは、全然恥ずかしくなんかないんだよ。)


このふたつのポイントから導き出される結論は、

相手の中にある美しいものに感動するということは
自分の中にある美しいものを確認した喜びでもある


ということです。わかりますか?(て、間違ってないよね?この解釈)
あの人のこんなところが大好き!こんな部分が素晴らしい!
素敵だな~、尊敬できるな~と思うことは、
すでに自分の内側に備わっていることとして考えて良い。
逆もまた然り。
それって、もの凄いことだと思いませんか?
このことに気付く前と後では、人生はまるで別のものになってしまう。
え!?そうだったんだ!まさかそんなことだったとは。。。
全然知らなかったよ。良かった~、今日来て。
ありがとう!茂木先生!大収穫です!

今回のセミナーでは他にも
スモールワールドネットワークや多重文脈性など
興味深いキーワードが盛りだくさんだったのですが。
それから私も人生のテーマである
『子供の想像力を育むために、オトナがすべきことは何か?』について
ななんと茂木先生にお答えいただいたなんていう
嬉しいハプニングもあったのですが、
それはまた別の機会ということで。

茂木先生の温かいお人柄にも触れることもでき、
本当に素晴らしいセミナーでした。

脳と仮想

新潮社

おさらいの意味で何度でも読みたい一冊




*後日談*
この感動を早速みんなと分かち合おう!と思っていたんですがね。
意外にも「何を今更。そりゃそうじゃん。」的な意見が多し。
ううう
オトナって、オトナって!




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