死して屍拾うものなし

日々の記録。

殺人狂時代

2009-01-31 15:35:38 | 映画・TV・ようつべ
岸田森サマが出演した映画をあれこれ見ていくと、角川映画は別にして
結構決まった監督の映画に出演してるんだな、ってのがわかります。
主なところで、実相寺昭雄(エロ多め)と岡本喜八。
実相寺さんは、独特な映像に圧倒されますが、わりとアートな感じの映画が多く
森サマといえど、時たま睡魔に負けます。「曼陀羅」なんかは最高なんだけどね。

岡本喜八監督の映画は、総じて面白い!
去年から、あれこれ見始めて「邦画ナメてました。すみません」と思いました。
イヤ、ホントに。
そんな岡本喜八監督の映画の中でもカルト映画とされている「殺人狂時代」が
どういうわけか、近所のツタヤに置いてあったので、早速レンタルして鑑賞。
1967年の作品。
ちなみに、この映画は試写会で作品を見た映画会社の上層部に怖れられ半年間も
オクラ入り。その後、ひっそりと公開され、一週間で打ち切られたという、なか
なかカルトないきさつを持つ映画です。

まぁ、大々的に宣伝しづらい映画だとは思うけど・・
でも、話は非常に面白い!
ルパン三世は、この映画を参考にしたというのもうなづけます。
ちなみに、この映画には森サマは出ていません。
主演は、仲代達矢。
でも、主役は天本英世だと思います(笑)

お話は、マザコンで重度の水虫持ちの犯罪心理学者…学者?大学教授かな?の
仲代達矢(さっぱりさえない)が、殺し屋に命を狙われるところから始まります。
殺し屋は、溝呂木博士(天本英世)率いる人口調節のために無駄な人間を抹殺する
“大日本人口調節審議会”というカルト集団から派遣されてきたのでした。
一応、天本博士、いや溝呂木博士は、表向きは精神病院の院長さんです。
この精神病院が非常に素敵なんです。

どうよ?この病院のセンス。
白黒映画のよさをを生かしたセットよね。

…ひきの方がわかるかしらん?
これは、ラスト近くのシーン。右が天本さん、左が仲代達矢。
二人ともスタイルいいな。

溝呂木博士を見ていると

どうしてもこの人を思い出します。
同じ系統ですね・・

仲代さんは、悪運強く殺し屋から逃れることが出来ました。
その後、後から後からやってくる殺し屋と対峙していくうちに、自分がなんで
狙われるのかが、判明していくのですが。。以上、あらすじ(笑)

ちなみに、お話は戦中のナチスの頃のドイツにまでさかのぼります。
さかのぼる、というかナチスの財宝が絡んでくるのです。
最初の写真の外人は、溝呂木博士に殺しを依頼するドイツ人。
というわけで、溝呂木博士もドイツ語で会話。
これが、凄いのよー。天本さんのドイツ語の発音完璧!ステキすぎ!

↑天本さん、ドイツ語で会話中(ゆえに字幕)

話はちょいと飛びますが、私はずっとドイツ語を勉強してまして、それもあって
「ドイツ語ペラペラの男性(ドイツ人外す)って素敵」と常々
思っておりました。
背が高くて、頭が良くて、ドイツ語ペラペラ。
…理想そのものの男性が、こんなところにいたなんて!

天本vs仲代

仲代達矢さんも、映画の中ではいつもりりしいというか、鬼気迫る役が多いのですが
この映画では素晴らしくすっとぼけており、いい味だしてました(笑)


ラストは、天本さんの趣味というかライフワークだった「スペイン」に乗じ(?)
スペイン式の決闘で決着をつけます。
しかし、何故か決闘スタートのカウント(1,2,3)はドイツ語だった(笑)
やー面白かった。
最後の人を喰ったようなオチも笑っちゃったし。
(このオチが結構ルパン的)

さて

岡本喜八監督が撮った1978年の「ブルークリスマス」という作品があるのですが
ここに感想書いてますが)
謎のUFOを見た人の血液が青くなる、という話なんですよ。
ちなみにこちらも主演は仲代達矢。
仲代達矢は、某国営放送の記者ということで、この青い血の謎にせまりますが
途中、色々な圧力により断念。
そして、青い血の秘密?機密事項?を握っていると思われる謎のドンが出てきます。
…天本のじじ様です。ちなみにこの映画の中じゃ一言も喋りません。
なのに凄い存在感。
天本さんは、青い血の子供が生まれた、という病院に赴きます。
でもって、医者に
「青い血の子供が生まれましたか。母体も青い血なのですね。母子共に処理してください
「処理だ」

と、エラく恐ろしいことをうすら笑顔でおっしゃるのが、天本氏の助手?
いや秘書かな?
…岸田森サマだったりする。
最強、いや、最狂コンビですな。
まだ大日本人口調節審議会は存続してたのか!
と、今更ながら思い出されたのでした(笑)

                天本のじじ様       森さま

この二人、出番は全部で5分位なのに、強烈すぎでした(笑)
この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 成田三樹夫も好きだ その8 | トップ | 1月総ざらい »
最新の画像もっと見る

映画・TV・ようつべ」カテゴリの最新記事