東京大学「福島復興農業工学会議」

農業工学の力を結集して一刻も早く福島を復興するための現実的な技術開発を目指します。

融解土掃出し法は使えない!-凍結は均一に融解は不均一に-

2012-03-21 15:30:14 | 日記

その3のレポートで「融解土掃出し法」の可能性を指摘した。しかし、3月17日に飯舘村の水田の様子を見て周りその方法は使えないことを実感した。

問題は不均一な融雪である。水田では雪がところどころパッチ状に解け、水溜りになっていた。また、雪の解けた場所にはワラや夏草が残っていて、地表面は凸凹状態である。水溜りの下をスコップで掘ってみると、予想通り凍土層が数センチある場所と、既に凍土がなくなっている場所があった。雪の下では凍土を残している場所が多かったが、わずか30cm程離れた畝の山と谷の部分で雪や凍土の解け方が違う。地表面が平らでない上に、嬬恋村のキャベツ畑で見たように土はドロドロの状態にはなっていないので、とても「トンボ」や「ブラシ」などで掃き出すのは無理そうである。

あれだけ威勢よく「融解土を掃き出せ!」と主張したのに誠に情けない。やはり現場を見ないとだめである。ということで、学術会議のシンポジウムの3日後の現地調査に基づいて融解土掃出し法のアイディアを撤回します。

飯舘村の水田の融雪状況(2012年3月17日)



コメントを投稿