日々是、趣味三昧【Golf,BASSFishing,etc】

日記な独り言。趣味の記録。

■告白■湊かなえ 2008.10.30

2008年11月01日 | 日々是、読書

 読書週間ですな 

第29回小説推理新人賞を受賞した作品の連作らしい。
この本は「新人とは思えない」と審査員がうなった作品。
構成がいまいちだが・・・といわれている。

「告白」という題が示すようにすべてが事件に関わった人物の独白、日記形式で展開していく。
私が一番興味を引かれるた人物は、新任の担任教師。
生徒に投影された自分を見て満足するだけの教師。
その投影も自己満足以外の何ものでもない。
だが、保護者から一目置かれやすいという現実。
一生懸命さが「うざい」と子供たちに一蹴される世の中。

「学校、親子、生徒と教師、という客観視だけでは本質が見抜けない」

作者はここを読者に必要に押し付けてくる。
たとえば、Bという少年が登場する。
作品中、このBが一番多角的に語られている。
先生から、新任先生から、幼馴染から、母親から、姉から、自分から、Aから・・・
関わる立場でこうも印象が違うものかと思い知らされるはずだ。
このために日記形式の独白な展開にしたといっても過言じゃないだろう。

作中、ノンフィクションを思わせる事件、人物が別名で登場する。
その事件や人物を、やはり「立場が違うとこう見る」と語っている。
アン・ノンフィクションを挿入することで現実との距離感を出しているのだろう。

日記独白形式本として稀に見る成功例といって間違いない。




読まれるときは、一晩で一気に読めます(私は3時間で読みましたw)


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