富島健夫作品 読書ノート ~ふみの実験記録

富島健夫の青春小説を読み感じたことを記録していきます。

映画『おさな妻』

2010-06-14 17:01:09 | その他
原作のレビューはこちら


『恋するまで』で富島作品に狂い、すぐDVDを借りたのが2月の上旬。

内容もそうだが、関根(現高橋)恵子が若くしてヌードを披露したことで、
当時そうとう話題だったようだ。


以下某所で書いた日記引用
-------------------------------

1970年大映

ストーリーは、あえて書くこともなかろうが、17歳でみなしごとなった玲子が、バイト先の保育園で、子持ちの建築デザイナーと知り合い結婚する話。

今となっては他愛ない話ですが、予告編では「賛否両論を巻き起こした」なんて大々的に文字が踊っていました。

感想としてはこの映画は関根恵子を見る映画でした。

役どころでは17歳だが、当時の関根恵子はなんと15歳。
がっちりとした体格と大人びた表情、色気のあるセリフまわしがとても10代には見えない。

見どころである初夜のシーンは、さすがに胸もうつらず、ほとんどうつぶせになり、峰竜太っぽい相手役(新克利)がごそごそやっていました。
今となっては大したことがなさそうだが、さすが15歳という年齢を考えると「体当たりの演技」といえるのだろうな。


さて、映画は通俗作品だろうが、原作はどうなのだろうか。
作品中の

「夫婦には強い絆があるから」
「絆って?」
「体よ」

というせりふにのけぞったが、「愛しあう二人にとって性は大切なもの」というメッセージは込められているようだ。

図書館でまた取り寄せるか…。



最後に、胸キュンしたセリフをひとつ…


  目は見るためだけじゃなく、つむるためにもあるんだよ


-------------------------------

このセリフがいつ出てくるのかと思ったが、結局原作には出てこなかった。
予告編には「きみが妹のような気がして…」というセリフもあるが(本編はなし)、これもない。
(youtubeを貼り付けようと思ったら削除されていた。DVDには収録されています)

映画と原作は全く別物でしたね。

映画のほうが、まさに「レモンのみずみずしさがいっぱい」で、さわやかな感じ。
原作では大して登場しなかった喜久子が、玲子のライバルとしての役柄をしっかり果たしており、
ストーリーも娯楽性をましている。
(この喜久子役の女優さんがカッコイイんだ!)

吉川が喜久子とあやまちで“ラブ”をした過去があったり、
ふてくされた玲子が家出してゴーゴーを踊りまくったりするところにも人間らしさを感じる。


そうか、原作は“完璧な理想の女性(と恋愛)像”を描いていたのかもしれない。


さてDVDを見てまもなく、レイトショーで「関根恵子特集」をやっていて、
せっかくだからとトークショーのある日に見に行ったのだが、すごかった。
映画館で逃げ出したくなったのは初めてだった。

当時の少年・青年たちに何を与えたのかが感じられた。

ご本人はすごくきれいでした。でも魔性の香りもただよっていた…。
(ちなみにその時見たのは『高校生心中』。ひどい映画だった)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。