浮き世で三昧・狛犬三昧

森羅万象に思いを馳せる

西宮市苦楽園の「越木岩神社」の狛犬さん、その1

2017年08月12日 | 狛犬シリーズ
一昨日、我が人生の中でも実に濃密で充実した2年間を、ともに過ごす機会を持つことができ、もっとも信頼を寄せているお姉さんとお兄さんと再会した。あれから14年経つ間に、1〜3回しか再会の機会がなかったのにもかかわらず、昔と変わらず頼りになるお姉さんとお兄さん(立派に私も含めて中年なのではあるが)で、時の経つのも忘れて、当時と変わらず二人に甘えている自分に戻っていた。

そんなかけがえのない数時間を過ごしながら、狛犬様に目覚めた私の近況を話す中で、お酒の勢いもあってか、親しい友人1人を除いて誰にも開示していないこのブログの話をついついしてしまった。少し時間の経った今、少々気恥ずかしい。とはいえ、趣味の話を共有できるのは嬉しくもあった。

開示後の第一弾として、世に紹介したい狛犬さんの1対を持ってこようと思う。兵庫県西宮市苦楽園の「越木岩神社」である。

「越木岩神社」も、前回紹介した「保久良神社」なみに山の上にある。同じように、名前にも表れている通り甑岩の磐座が主人公の神社である。まずは由緒書を見てみよう。磐座を持つ神社の御多分に洩れず、こちらも相当古い神社であることがわかる。1600年代の明暦、あるいは正保時代に勧請ともあるが、先んじて1400年代(室町時代)に山崎宗鑑が訪れていたという。


神社内の地図。「現在地」と書かれている地図の一番下から拝殿に向かう途中の山道にいた狛犬さんを紹介しよう。ある年の正月に訪れたこともあり、参拝者が並んで溢れかえっているだけでなく、子供達の奉納された絵を飾るために山道の両サイドに塀を作っていたために、最初はこの1対の狛犬さんに気付かなかった。「阿吽」の狛犬さん両方をおさめた1枚も撮れなかった。


まずは「阿」の狛犬さんをご紹介。「保久良神社」の拝殿前にいた狛犬さんと同じように、かざぐるまの模様が身体中に入っていることがわかる。菊模様の彫刻が施された首の周りのたてがみは印象的だ。尻尾に入っている模様も見たことがないタイプである。そしてなにより、尻上げ狛犬さんではないか。「越木岩神社」はなんと出雲系だったのか!尻尾についてはあまり見かけたことのないタイプで、分類するならば裾に飾りのついたシャチホコスタイルとでも言えるだろうか。豪勢さを感じさせる。顔は平べったくて、いくらか昆虫的特徴を兼ね備えていた。



「吽」の狛犬さんも見てみたい。な、なんと「吽」の狛犬さんも尻上げタイプではないか!私個人には「阿吽」両者が尻上げスタイルという、初めての事例との出会い。高いところから眺めている狛犬さんであるため、私は下から撮影する以外になかったのだが、「吽」の狛犬さんの顔から出目金(金魚)を想起させられたのは私だけだろうか。草食動物的な歯がむき出しの様子も迫力がある。


後ろ姿を最後に1枚。たくましげな足にはくびれがあってどこかひょうきんさをあわせ持っている。そしてなにより、桃割れのお尻にも魅せられるではないか。

素晴らしい狛犬さんたちだった。