かくれんぼ

小説的な文章の練習をがんばるー。

醜い感情(FE聖戦 エーディン)

2017-03-27 23:54:32 | バイオハザード



ずっと探していたブリギッド姉様に再会して、すごく嬉しい筈なのに、今、心がざわつくのは、仲良さそうに話す二人を見ているから。











「相変わらず美しい方ですね」


ブリギッド姉様に再会したとき、ミデェールがそう、シグルド様と話しているのを聞いてしまった。

子供の頃からミデェールは姉様に弓の特訓を受け、まるで姉弟のように仲が良かった。
そして今、大人になった二人はお互いどう思うのだろう。


楽しそうに話す二人を見てドロドロとした感情に支配されそうになる。

何の話をしているのだろう。
私と話す時より緊張が和らいでいるように見える。


この気持ちを振り払いたくて、二人に声をかけてしまおうと、一歩重い足を踏み出した、その時。




「…………っ!」






ブリギッド姉様が少し背伸びをして、ミデェールの耳元に何か呟いた。

ミデェールの頬に唇が触れそうなほど近付いた二人はまるで恋人同士だ。

何かを呟かれたミデェールはかっと顔を赤く染めて、何やら照れている。















気付けば二人に背中を向けて走り出していた。
あれ以上見ていられない。


駄目だ駄目だ駄目だ。

黒い感情が止まらない。
ブリギッド姉様と再会なんてしなければ良かった。
ミデェールなんかブリギッド姉様に嫌われてしまえばいい。


そんな事ばかり考えてしまう。







「エーディン様」


突然後ろから声を掛けられる。


「どうしたの、ミデェール」


振り向くことをせず、努めて普通の声色を作る。



「走って行くエーディン様が見えたので追いかけてきてしまいました。……どうかなさいましたか?」
「…………ごめんなさい」
「?」



振り返るとミデェールと目が合った。

私を慰めるようににこりと笑ってくれる彼を見て、さっきまでのドロドロが消えていく。



「エーディン様。昨日クッキーを作ったんです。食べてくださいませんか?」
「…………ありがとう。頂くわ」





今、ミデェールが側にいてくれることに感謝しよう。
ミデェールが側に居る間くらいは綺麗な自分でいよう。



そう心に決めて、歩みを合わせてくれるミデェールの側をゆっくり進んだ。










言い訳

うちのミデェールは女子力最高です。

恋っていうのは(GS 葉月珪)

2017-03-26 10:18:54 | GS


恋ってのは本当に面倒くさい。

相手が笑えば一緒になって嬉しくなるし、怒れば一緒に腹が立つ。
側にいるだけで、心臓が過剰な運動をしたように痛むし、一挙一動に一喜一憂する。
怪我や病気になったら心配になるし、自分の事以上に辛くなる。

恋人になったらなったで、手を繋いでキスをして、会えない日には電話をする。


自分の時間はどこにあるのか。

考えれば考えるほど面倒くさい。




それに何より面倒くさいのは。








「あ、葉月くん!」


俺の姿を見つけて駆け寄ってくる姿が見たくて、もっと寝られる筈の時間を返上してまで早起きして、こいつを待ってる自分が面倒くさい。

一人での時間は嫌いじゃないけど、こいつと再会してから少しだけ寂しいと思うようになってしまった事が面倒くさい。




面倒くさい面倒くさい。





それを楽しいと思える自分が面倒くさい。

本当に恋ってやつは面倒くさい。














言い訳

葉月くんは面倒くさいって思わなさそうだけど、まぁいいだろう。

100の嫌いは100の好き(バイオハザード レオン×クレア)

2017-03-22 23:19:03 | バイオハザード



レオンは本当に性格が悪い。口も悪いし、ワガママだし、俺様で、打算的で、唯我独尊。
褒められる所なんて顔と強さだけだろう。


レオンの悪いところを挙げれば100個は言える。
それほど、ムカつく事しかないのだ。


それなのに。

自分でも信じられない事に、どうしてだか私はあいつが好き、らしい。



だからもっともっと、いくつでもレオンのムカつく所を見つけてやろう。
少しでも多くレオンの事を知っていたいから。















言い訳

短め。
レオンとクレアはケッカップルであってほしい。

甘やかされる(FE聖戦 ホリン×アイラ)

2017-03-21 21:30:41 | FE



「ホリン!お前は私を甘やかしすぎだ!!」


思わず叫んでしまうほど、最近の私は甘やかされているのだ。

















ホリンは器用な男だ。
この外見、このごつい手でよくもまぁこんなに器用な物だといつも感心する。

料理を作れば、色鮮やかで見た目にも美味しい料理が何品も出て来るし、洗濯をすれば、真っ白でシワ一つ無い服が綺麗に畳まれて出て来るのだ。しかも、ほつれなどは直されてまでいる。


私は絶望的なまでの不器用さで、男女逆ならばと何度思ったか分からない。


そして器用なだけではない。
異常なまでに世話好きなのだ。


私はこの男と生活するようになってからというもの、毎日毎日、朝優しく起こされて、出来上がったばかりで健康にも配慮された美味しい朝食を食べ、仕立てたばかりかと思うほど綺麗に洗濯された服に着替えるのだ。
それだけじゃない。
気付けば腰よりも伸びた私の髪を毎日違う髪型に結ってくれる。




こんな生活が毎日続いているんだぞ。
叫びもするに決まっているだろう?




「甘やかしてなんかない。俺が好きでやってることだ」
「だから、やり過ぎだと言っている!私は赤ん坊か病人か!」


そう強めに言うとホリンは見るからに肩を落とし、悲しそうな表情になる。



「迷惑、なのか?」



筋肉隆々の大きな男が小さくなる姿に私が悪いことをしている気分になり慌てる。


「迷惑とかではなくてだな……。こんな生活では私はダメになる。お前がいないと生きていけなくなったらどうするつもりだ」
「それは有り得ないと思うが……それならそれで俺は構わない。というか願ったり叶ったりだな」




構わない訳あるか。
この男には全然私の気持ちは伝わっていないらしい。



「アイラ。俺は好きな奴には尽くすタイプなんだ。いいから甘やかされていろ」


優しく微笑まれてつい頷きそうになる。
駄目だ駄目だ。
いつもこれで誤魔化されていたからな。
今日こそは負けんぞ、私は!



「私だって本当は好きな男には尽くしたいんだ!お前ばかり楽しそうに尽くしてズルい!」



驚いた顔でホリンが私を見ている。
………しまった。

直後緩んだ表情で頭をぽんと撫でてくる。



「今日は随分素直だな、アイラ」
「違う!間違えた!今のは無し!無しだぞ!」



必死で否定してみたが、聞こえていないらしい。
嬉しそうに笑うだけだ。



「今夜は一緒に料理するか。教えてやる」
「…………私にも作れそうなのからにしてくれ」




更に笑うホリンに、熱くなった顔を見られたくなくて、俯くことしかできなかった。















言い訳

なんか書きたかったのと違う。
ホリンはアイラをめちゃくちゃ甘やかしてそう。

お弁当(GS 葉月×主人公)

2017-03-20 00:11:50 | GS
葉月くんは猫が好きなんだけど、多分葉月くんが猫だからだと思うんだ。


「あらー、また寝てる」


お昼を一緒に食べようと、いつものように葉月くんのお友達のにゃんこ親子の所へ来てみたら、葉月くんもこの猫一家の一員のように一緒に丸まって寝ている。

起こすのも可哀想なくらい気持ちよさそうに寝ている姿は本当に猫そのものだと思う。


起こさないように隣に座ってみたら子猫が一匹起きてしまった。


「あ、ごめん」
「にゃーん」


私が手に猫のおやつも持っている事に気付いて、子猫がいつもより高い声を出して甘えてくる。


「あざといなぁ」


猫って絶対自分の可愛さ分かって武器にしてるよね。

まあ、そんなあざとい所も可愛いんだけど。



「みんなで分けるんだから、少しだけだよ」


バリっとおやつの袋を破ると、その音で目が覚めたのか葉月くんもぱちっと目を開ける。



「おはよう」
「……ん」


こっくりと大きく頷く姿が可愛い。
お弁当を二つ持っている事に気が付いてにこりと笑う。
こういう所も猫そっくりなんだから。



「作ってきてくれたのか?」
「そうだよ、早起きして!」
「嬉しい。サンキュ」



そう。
昨日、いつもはお母さんが作ってくれるお弁当を、たまたま昨日は私がお弁当を作っていた。
そのお弁当を、お昼を買いに行くのが面倒だと食事もせずに寝ようとしている葉月くんに分けてあげたのだ。

そうしたら「明日も食べたい」と言われて、その表情が甘えてくる子猫のようで、今日も早起きして二つ、お弁当を作る事になってしまったのだ。



「明日からテスト期間だから、もう明日からは作らないからね!」


お弁当作るのは嫌じゃないんだけど、もう少し練習したいのだ。
だって今日の卵焼きは上手く巻けなくて形が変だし、鮭は味付けが濃い気がする。

そんな失敗しないようになったらいいんだけど……。



何となく恥ずかしくてそんな事言えず、テスト期間を言い訳に、お弁当作成を断る。


すると葉月くんはお弁当を握りしめて、上目遣いで私を見つめる。



「じゃあ今日大事に食べる」


目を細めて笑う姿は本当に猫そっくりだ。



「気が向いた時だけでいいから、たまにはお前の弁当食べたい」



首を傾げる姿が、あざと可愛い猫そっくりなんだから!


こんなの絶対明日もお弁当作ってくるに決まってるじゃない!!



「たまにだからね」と言う私を見て、ニヤリと笑う葉月くんに気が付かないまま、私は翌日のお弁当の献立を考え始めるのだ。

















言い訳

半分寝ながら書きました。