星と石ころ日記 図書館

好きな本・漫画について語ってみる。

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世界の全部を走ってる気がするんだ

2009-02-01 20:19:11 | 漫画
『環状白馬線 車掌の英さん』 都戸 利津

2009/01/19発売 花とゆめCOMICSスペシャル 白泉社
「別冊 花とゆめ」第1話:平成18年11月号、第2話:平成20年8月号、第3話:平成20年11月号、特別運行:書き下ろし


◆あらすじ
オーストラリア・メルボルンの路面電車「シティーサークルトラム」をモデルにした「環状白馬線」、そこで働いている車掌の英(はなぶさ)さんと、その路面電車の中で出会う乗客たちとの物語。誰が言い出したのか、「英さんの電車に乗った人は、幸せになれる」


●第1話
初めてでも毎日でも同じお客さんだ

「いつまでも他人のままがお客さんのためなのさ。
他人だったらいつでも乗れるし乗るのを自由にやめられるだろ?」

「みんなどこかへ行きなさるために乗ってんのさ」

ツンケンしてるように見えて実はやさしい英さん。
馴れ馴れしくならず、けれど心を添えてくれる英さん。


●第2話
出会いは別れと同じだけあるが 一番多いのは“出会わない”だ

「自分が乗る前に降りた人たちや 自分が降りた後乗る人たちにゃ会えねぇ
一緒に時を過ごせるのは 乗り合わせた人だけだ

ほんの少しでも乗り合わせたなら 幸運だ」

自分が生まれてから死ぬまで、出会える人はほんのわずか。
だから、出会えた奇跡に感謝しよう、と思った。


●第3話
そう思ったら 俺 世界の全部を走ってる気がするんだ

「俺がここにいるのは 自分(おれ)のためじゃなくて 
お客さんのためだけじゃなくて どこかの誰かのためかもしれねぇ

そう思ったら俺
世界の全部を走っている気がするんだ」


毎日毎日同じことをして、誰からも感謝されなくて、認めてもらえなくても、
それもまた世界の一部。


全編がさらっと描かれていて、見落としそうなところにキラキラ光るものが落ちているような漫画。
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困ったときは力になります

2006-09-23 22:04:05 | 漫画
『らいか・デイズ』 むんこ


「まんがタイム」(芳文社)2003年8月号の新人4コマまんが展に入選。
その後同社の「まんがホーム」、「まんがタイムオリジナル」にて現在まで連載中。


◆あらすじ
頭脳明晰、思いやりがあって、弱気を助け強気をくじく(ケンカも強い)スーパー小学生・春菜来華が主人公の4コマ漫画。


生徒に頼られ先生に頼られ、PTAの父兄にも頼られるという来華の、弱点といえば恋話(こいばな)に弱いこと。恋愛経験がなくわからないから、とクールを装うが、実は純情で乙女チックな女の子。成績でのライバルである竹田くんと相思相愛であることは周りのみんなは気づいているが、当の本人たちがおくてで純情だからちっとも進展しない。

このふたりに友人たち、先生、保護者が絡んで、日々の小さな出来事をやさしく綴っていく。


たかが4コマというなかれ。自分の小学生時代を思い出して、切なかったりおもしろかったり、読み終わると爽やかな気持ちになれる。


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きっとコイツは魔法のピアノだ いつも心を治してくれる

2006-06-11 23:42:43 | 漫画
『ピアノの森』 一色まこと


ヤングマガジンアッパーズ(講談社)連載中 (1998~)


◆あらすじ
森の端と呼ばれる色街通りに住む一ノ瀬海(カイ)は、小さいころから森に捨ててあったピアノを遊び相手に育った。カイの通う小学校に偶然音楽の先生として赴任してきたのが、阿宇野(あじの)壮介。彼はかつて天才ピアニストとして注目されながら、交通事故で左腕に大怪我をして引退したのだった。
そんな阿宇野がカイのピアニストとしての才能を見出し、自己流で弾いていたカイにピアノの基礎を教え始める。
 やがてピアノコンクールに出場したカイであったが、その自由なピアノはコンクールの趣旨に合わず、会場にいる聴衆・審査員の心をつかみながらも入賞することができなかった・・・・



小学生時代から、特待生として大学に在学しながら生活のためにバーでピアノ弾きをしているところまでで一時休載された。

え?これで終わり?という中途半端なところで途切れてしまいずっと気になっていたが、いつのまにか連載が再開されていた。

そしてますますカイのピアノにドキドキする展開になっている。


ストーリーにやや強引なところもあるが、カイがピアノを弾くシーンに引き込まれてしまう。このあとのカイのピアノがどう成長していくのか、どう聴く人の心をつかんでいくのかとても楽しみだ。
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おとなはだれも、はじめは子どもだった

2006-05-17 14:09:48 | 絵本・童話
『星の王子様』 サン=テグジュペリ

岩波書店・みすず書房 他(1953年 初版発行)



ジャンル分けすると童話になるのだろうか。昔から大好きな本で、学生時代に買ったものが今もわたしの本棚にある。



サハラ砂漠の真ん中に不時着した飛行士と、ほんとうのことしか知りたがらない王子さまとの、子どもの心や愛について深く考えさせられる本。バラの花の言葉に心を傷つけられた王子さまは、自分の星を後にして、7つの星を旅する。


いろんなひとや動物たちに出会い、王子さまがほんとうに大切なものをみつける話。





キツネが王子さまと別れるときにおくりものにした言葉。


「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ」


あまりにも有名なこの言葉は、初めてこの本を読んだときからずっとわたしの心にあって、歳を重ねるごとに大きくなる。



他にも好きなシーンがある。王子さまが飛行士に、「ねえ、ひつじの絵を描いて」とねだるシーン。絵の苦手な飛行士は一生懸命ひつじの絵を描くが、どれも王子様さまは気に入らない。面倒になった飛行士が、覗き穴のついた箱を描き、「こいつぁ箱だよ。あんたのほしいヒツジ、その中にいるよ」と言うと、王子さまは大喜び。「こんなのがほしかったんだ!」って。




冒頭の献辞で、作者は言っている。
「おとなは、だれも、はじめは子どもだった。(しかし、そのことを忘れずにいるおとなは、いくらもいない。)」


子どもの頃には、おとなになりたくないって思うことがあるよね。でもおとなになったら自分が子どもだった頃を忘れてしまう。


どこかにその境界線があるんだろうか。その線を1歩超えると「今からおとなです」、なんてあるわけないよね。気づいたらおとなになって、そして忘れている。


キラキラした子ども時代を、おとなに抵抗した思春期を、忘れてしまうなんてもったいない。


それともそんなもの持ち歩くのは流行らないかな。



どんなにあがいても昔には戻れないけど、キラキラしたものを宝物みたいにこっそり隠し持っててもいいよね。
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『雨柳堂夢咄』

2006-03-25 09:58:24 | 漫画
『雨柳堂夢咄』 波津彬子 著

朝日ソノラマ 眠れぬ夜の奇妙な話 連載中 (1993~)

◆あらすじ
骨董屋・雨柳堂に集まる数々の物(ともののけ)と人の不思議な物語を、骨董屋店主の孫で、物に込められた想いを知ることができる少年・蓮を狂言回しにして描く和風ファンタジー。
(“波津ぱらだいす”より)



店主のおじいさんと孫の蓮との関係もやや謎めいていて、蓮のような能力はおじいさんにはないようだが全てお見通し。あたりまえのようにもののけが登場するが、物に対する人の想いがカタチになったもののようだ。

着物の帯に描かれた童子が飛び出てくる話など、人の想いが切なくて危うく泣きそうになってしまった。


ストーリーの不思議さ、切なさもさることながら絵がとても美しく、文庫より大きいA5判で買い揃えている。

先日待望の新刊(其ノ十一)が発行された。



波津彬子先生のHPはこちら

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ここから先の道は お前みたいなキレイな医者しか歩けないのさ

2006-03-04 14:08:28 | 漫画
医龍-Team Medical Dragon- 乃木坂太郎/原案・永井明

2002年~ビッグコミックスペリオール連載中(小学館)
平成16年度 第50回小学館漫画賞受賞


◆あらすじ

天才外科医・朝田龍太郎が、陰謀渦巻く患者不在の日本の医療界にメスを入れる。

朝田は、かつて難民キャンプで、世界レベルの救命医療チーム「チーム・メディカル・ドラゴン Team Medical Dragon」のリーダーだった男。そんな抜群の腕を持つ天才外科医が、大学病院の病巣に次々とメスを入れ、大きな権力に立ち向かっていくというストーリー。



職業柄、医療モノの漫画はどこかウソっぽくて演出過剰だったりして嫌いだったけど、この『医龍』は文句なしにおもしろい。

大学病院内のもめごとが妙にリアルのくせに、朝田が行う医療にはファンタジーがある。彼に絡む研修医の伊集院や加藤助教授など、脇役も個性的で魅力がある。

今コミックスは10巻まで発行されていて、緊迫のバチスタ手術中。その最中に敵対する同僚の母親の緊急手術が絡んでスリリングな展開になっている。連載を読んでいないので、11巻の発行が待ち遠しい。


ところで4月からTVドラマ化されるそうだね。

朝田役は坂口憲治、朝田を大学病院に招き入れる野心的な助教授に稲森いずみ。朝田を慕う、並みの医師より優れた医療知識と腕を持つ“天才看護師”に水川あさみ。次第に浅田に影響を受けていく実直な研修医・伊集院に小池徹平。朝田の手術の腕に惚れ、救急救命部(ER)に引き抜こうとする教授を夏木マリ。


微妙だ・・・・好きな漫画がドラマ化されて、満足できたのは『家栽の人』『きらきらひかる』くらい。はてさて『医龍』はどうなることやら。
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千の仮面を持つ少女

2006-01-29 15:57:31 | 漫画
『ガラスの仮面』 美内すずえ 著

花とゆめ 連載中 白泉社(1976~)


◆大女優を目指す北島マヤと、そのライバル姫川亜弓の物語。
父の顔を知らない貧しい少女・北島マヤが、ひょんなことから往年の大女優・月影千草にその才能を見出され、ひとつひとつ苦難を乗り越えていく。そして演劇史上不滅の名作と謳われる『紅天女』の主演を演じるべく、演劇界のエリート・姫川亜弓と激しい火花を散らして闘う話が幹になっている。そこに芸能プロダクションの社長の速水真澄や、影ながらマヤを助けてくれる謎の紫のバラの人とのラブストーリーが絡んでくる。


マヤが女優として成長していく話もおもしろいが、劇中劇というかマヤが演じる多くのお芝居もしっかりストーリーができていて、ふたつのドラマが楽しめる。一粒で二度おいしいという感じだろうか。


コミックスは42巻まで発行されていて、連載開始からすでに30年。うちではわたしと息子の2世代で楽しんでいる。

しかし!なんといっても進行が遅い!作者は完結させる気があるんだろうか・・・すでにドラマ化もアニメ化もされていてそれなりの完結はしているが、本編のほうはさっぱり。コミックスの41巻が出たのが1998年、42巻が2004年。6年も開いている。43巻はいったいいつ?紅天女の梅の木の精の役は、上演権は、速水さんとの恋は、どうなるの?

30年を超える大河ドラマの結末を、心待ちにしている人もきっと多いはず。







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君が 本当の君になれるところ

2005-12-25 00:22:47 | 漫画
『SHAKARIKI!』曽田正人 著

ビッグコミック連載 小学館(2000年頃?)


◆あらすじ
関西の坂の多い町で、来る日も来る日も自転車で坂を上り続ける少年テル。
中学3年のある日、坂道で自分より速いユタという少年に出会ったことがきっかけで、自転車の名門・日の本大学亀ヶ岡高校に進学することになる。
そこでチームとしてインターハイを目指すことになり、ユタはじめ、多くのライバルに出会い、テルは愛する自転車とともに自分の進むべき道を知る。


熱血・曽田ワールド。背景やコマわりなど、好みがわかれるところかもしれない。わたしはとても好きで、『め組の大吾』同様、何回読んでも楽しめる。

圧巻は、最後の国内でのレースとなった“ツール・ド・おきなわ”。チームメイトでありながら、終生のライバルとなるユタとの一騎打ち。ヒルクライム(山登り)が得意なテルと、ダウンヒル(山下り)が得意なユタとは、それぞれが得意な場所で差を広げてもすぐ追いつかれてしまう。ライバルに勝つためには相手の得意とする領域を攻めなければ、と身体を張って闘うが、身も心も消耗していくばかりで差を広げられない。やがてふたりは大切なことに気づく。「残されたわずかな力を“誰かの場所”で燃やし尽くすなんて、バカげている。残りの100%を本当に自分の愛した場所で“自分だけの強さ”に賭けるのだ・・」

「自分が本当の自分になれるところ」

自転車の、いやスポーツの世界だけのことではないかもしれない。とても大切な教訓。曽田さんの漫画には、そういったものが満ち溢れている。決して押し付けがましくなく、主人公とともにいつも気づかされる。
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君を呼ぶ声

2005-12-18 01:41:51 | 漫画
『め組の大吾』 曽田正人 著

週刊少年サンデー連載 小学館(1995~1999) 第42回小学館漫画賞


◆あらすじ
幼い頃消防士に助けられた経験を持つ朝比奈大吾は、自分も志に燃えて消防士になった。しかしそこは「めったに火の出ないめでたいめ組」と茶化されているめだか浜出張所だった。
最初のほうこそ自分の思惑と違う職場にがっかりする大吾だったが、やがて何度か現場を経験することにより、先輩たちの凄さを知った。そして大吾の持つ才能が開花し始める・・・


文句なしに楽しめる熱血ヒーロー漫画。こういうと誤解を招くようなら、職業漫画とでも言おうか。連載されている頃は知らなかったけど、コミックス(ワイド版)を買って、ハマリにハマッた。何回繰り返し読んだかわからない。
大吾が出場した現場(げんじょう)でひとりも死者が出ないという設定は漫画ならではだと思うが、本当にこんな消防士がどこかにいるかも、と思わせてくれる曽田さんの筆力は凄い。脇役もみんな魅力的に描かれている。

これを読んだあとしばらくは曽田ワールドに染まっていた。いや、今も「カペタ」を楽しみにしている。


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君と草や木は何が違う?

2005-11-12 15:37:51 | 漫画
『家栽の人』 毛利甚八作/魚戸おさむ画

ビックコミックオリジナル連載 小学館(1988~1996)

◆あらすじ
最高裁判所長官を父に持ち、自身も優秀で将来を嘱望されている桑田判事だが、何度となく持ちかけられる栄転の話を蹴って、地方の家庭裁判所を回っている。そこで少年犯罪や家庭内のイザコザなどに関わる彼の姿を描きながら、生きていくうえで大切なものは何かを語りかける。


「どんなに長い処分を与えても、少年は社会に戻ってくるんです。誰かの隣に住むんですよ。そのときに彼が笑って暮らせる可能性を探すのが私たち裁判官の仕事じゃないでしょうか?」

この言葉が彼の信念を表している。1話1話には、桑田の好きな花や木の名前がタイトルとして付けられ、その植物のもつ特性が話の内容とリンクしている。

タイトルは、少女にいたずらして少年院に送られたある少年に宛てた桑田判事からの手紙の全文。

「誰も勝てとは言っていないのに・・・勝ちたいと思うから、弱いとか強いとか自分を評価して苦しむ。強くたって弱くたって、美しいものを見ることはできるんです」

わずか1行の文面には、桑田のこういう思いが込められている。(“トキワハゼ”より)

他にもたくさんのエピソードがある。本館のほうの日記にも何度も記事にするくらいの惚れこみよう。

ゴデチア
クスノキ
冬芽

少年に向けられた言葉もみんな自分に返ってくる。忘れてしまったものを思い出させてくれる漫画だ。


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