日々修行、日々発見

仕事etc柄、エンターテインメント全般や、スポーツ・武道の話題を中心に、柔らかく書く雑記帳です(タイトルは硬いけど)。

LOVERS 十面埋伏

2004-08-31 | 映画寸評
先週の土曜になりますが、
映画『LOVERS
を見てきました。

チャン・イーモウは紛れもなく好きな監督なのでやはりはずせないな、と。

相変わらず、映像は綺麗です。HERO以来、すっかりチャン・イーモウの
手法として確立した感があります。特に色彩の統一感などがこれほど美しい映画
も他には無いのではないでしょうか。
また画面全体の色の統一感とはまた別ですが、最初の踊りのシーンは、衣装・背景
を含めて、何か一つの極致を感じなくも無い完全なシーンといえるのではないでしょうか。

でもこの監督、『初恋の来た道』などでは、確かに色彩
感覚は良かったけど、それはごく自然にあるものの切り取り方であったり、
光と影の対比や画面への混ぜ方がうまく、それによって色のある部分を一際効果的に
見せているのがとても繊細で、感動したものです。
それを思い返すと、すっかり作られた美しさ…という意味では、ちょっと気になります。

まあでも、ハッとする絵は間違いないし、戦闘に対するアイデアや構図の作り方、
カメラの使い方などは面白いし、映像に関わる人間はとりあえず見るべし、でしょう。

ストーリーは、原題『十面埋伏』を思うと、とても入り組んだり驚きに満ちていたり
とかを期待しますが、まあそれほどでも。『HERO』でわかりにくいとか難しいと
か言われたりもしたらしいですが、それが気になったのでしょうかね。
まあ邦題どおり、徹頭徹尾LOVERSの話であり、それ以上にもそれ以下にもならず。

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期待しすぎるとちょっと物足りない感とか、話もまあありがちという展開だったりで
気持ちが乗り切れない部分があったりしますが、瞼に何か感傷めいた光景が焼き付い
てしまう、そんな印象の強さはあった映画だと思います。

あとやっぱり、チャン・ツイィーは綺麗ですね。
初恋の~時からほんとに光るものがあったけど、ここまで磨かれるとは。。

オリンピック 柔道を振りかえり思うこと・続々

2004-08-30 | Weblog
ついにオリンピックも最終日。
一日飛んでしまった私なりの”柔道への”締めくくり。

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おじさんが言った一言。

『柔道とは、”道”である。』

ただの競技としての結果だけではない、だからこそ本気で挑み、
その結果が良くも悪くも自分の糧になり人生を導くものである、
そんな事をこの一言で言いたかったのではないのかと思います。

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前置きがえらく長くなりましたが、この話しをもう一度噛み締
めて思い返していたのは、まさかの敗退をした井上康生選手が

『これから先の柔道人生はあるし、人生も続く』

と語った言葉を聞いたからです。


彼が負けてこの言葉を口にした事は、彼がこの敗戦をしっかりと
受け止め自分の糧にする事が出きる心を持った人間である事の表
れであるように思えました。
そして今後にまだまだ大いなる期待が持てる、と思いましたし、
彼のこの姿勢こそ、メダル以上に我々が受け止めるべきものであ
るのかもしれないとも思うのです。

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でももちろん、結果の出た選手達にも多大なる力をもらいました。

彼らを見ていて感じたのは、一人一人、違う何かを感じたこと。
”谷本選手の目力””上野選手の闘志”、など、特にメディアみ
いにテーマでも付けようと思った訳では無かったのに、自然と違
うものを個々から受け取り、このBLOGにも書いてしまいました。

どの選手も死ぬほど練習をし、プレッシャーを背負い、頂点を
はかりしれない程の必死の思いで望んできたのでしょうから、
そこに関して差を論ずることはできません。

それでも、彼ら彼女達の生きる歩み方が、柔道を通して凝縮
して表現されていたからこそ、私が受け取ったものは違った
のだと思います。

そしてそれだけの個性が見えるほど、自分を磨き上げてきた
からこそ、この結果であり、自分を貫き通した結果、一本で
取る柔道に繋がったのではないか、そう感じるのです。

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『柔道とは道である』という15年前の言葉が、
目の前で次々と表現され、私の心に強くよみがえった、
そんな今回のオリンピック柔道でした。

選手の全員に、お疲れ様と有難うを、心から送りたいと思います。






無限カノン3部作

2004-08-28 | 書籍
島田雅彦氏の”無限カノン3部作”

『彗星の住人』
『美しい魂』
『エトロフの恋』

以前、朝日新聞の書評に載っている折、なんとなく気になっていた
のですが、図書館で見つけたので読んでみました。


ある家系の4代に渡る”報われない恋”を描いたこの小説、
蝶々夫人、マッカーサー将軍、そして天皇と、歴史に絡まる事で
大河ドラマを思わせるようなスケール感とスリルがあります。

恋にありがちな、すれ違い、もどかしさ、そういったベタな展開が
多いけど、上に挙げたような人々との関わりからくる危険な環境や
状況によって、まさに”命がけの恋”が描き出されている事により、
彼らの行く末と

『”禁忌”にすら立ち向う恋の力、
 そして恋の力が無し得る事、そこから産まれるもの』

が何なのか、とつい引きこまれてしまいました。

エトロフの恋だけはちょっと違う感触のものであり、(それが面白
くないとかいう事ではないけど、)ちょっとそこは不思議ではあり
ましたが、読後感もよく、他にはあまり無い作品なのではないかと
思いました。

そして小説の中を超えて、ふと考えてしまうのです。
これからも恋は何を産みだしてゆくだろうか、
それが美しい魂?それとも…

オリンピック 柔道を振りかえり思うこと・続

2004-08-27 | Weblog
柔道選手団も帰国し、よくテレビで姿を見ますね。
という所で昨日の続き。

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『死ぬまでやれい』の一言。

決着がつくまでやる、押しているように見せれば良い等では駄目
だという事、そして絶対に勝つという気持ちをいつまででも持ち
続けられるくらいじゃないと駄目だ、と言いたかったのだと思い
ます。

一見、精神で勝つんだ、という短絡的精神第一主義のようにも聞
こえてしまいますが、

おじさんは、選手時代も含め、ヨーロッパに柔道を教えにいったり
していたそうです。そんな中で、恐ろしく大きい外国人選手に向か
い合う事にもなった訳です。
その中には、ほんとに有名な選手もおり、一緒に写っている昔の写
真を見せてもらうと、その身体のサイズ違いがほんとにすごかった…

おじさんいわく、
『崩すったって、ちょっとそっとじゃびくともしない。首ねっこつか
 まれて抑えつけられて、すごいんや、奴らは』
と素直に認めざるを得ない。

でもそこで悟ったと思うのです。明確に勝負がつく、つける、そこに
向かって修練するからこそ本当に力がつくのだろうし、そしてそれで
負ければ、相手を真に認める事が出きるし、自分にも納得がいくのだ
という事。

おじさんの目には、あの時一緒に見た全日本の試合の多くが、中途
半端で、勝ち負けよりも、何も残らない意味の薄さに、思わずあの
言葉を言ったのではないかと思うのです。

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おじさんの影響も少なからずあったのでしょう、私は大学に入って
から少林寺拳法をはじめ、そこから武道・格闘技の道に曲りなりに
も足を踏み入れました。

おじさんは私が武道をやり始めたのが嬉しかったようで、自分の
お客さんに『息子はやらんかったけど、こいつがやってるんよ』、
みたいになんだか嬉しそうに話しをすることがありました。
全然レベルは違うけど、少しまたおじさんと通じるものができて
嬉しく思ったことを思い返します。


私が少林寺をやりはじめた頃のある日、おじさんは私に聞きました。

『少林寺拳法ってのは何なの?』

私は『護身術で、打撃も立ち関節もあってうんぬん…』と説明し
はじめたのですが、おじさんは途中で、『護身術なんてそんなんじゃ
…』と言い、私にこう問いました。

『柔道とは何か。』

当然頭をひねった私に、おじさんは一言、力をこめて
重々しく言いました。


『柔道とは、”道”である。』

私はこの言葉にただただ圧倒されました。

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(また長くなったので明日…)


オリンピック 柔道を振りかえり思うこと

2004-08-26 | Weblog
なんとなく日本選手の活躍が収まってきて、騒ぎが
収まってきたという感のあるオリンピック。
話題なものには飛びつく、という日本人らしいかも…

”柔道”で盛り上がっていたのもいつの時か、とまで思うのですが、
それで思い返していた言葉があります。

『死ぬまでやれい』
ある人が、柔道の日本選手権を見ている時に言った言葉です。

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誰でも人生において、大きな影響を受けた人間がいると思います。

私も、時々において非常に師と呼べる人に出会ってきました。
本当に出会いって大事だなと思います。

高校時代、良く遊びに行っていた(良くというか、毎週土曜は午後そこに行き、
皆で遊び、ほぼ必ず泊まってました・・・)友人宅があります。
家族全員、仲良くしてもらいました。

友人の父は、柔道7段。
自分の事業をやっているにも関わらず、日仏柔道連盟の理事長をしている程の人でした。

背は高くないけど、一目でわかる恰幅のよさ、
広島弁混じりの豪放な話しっぷり、でも優しさと愛嬌がめちゃめちゃある、そんな方でした。

友人が居ようと居まいと良くそこに居た私は、ある日、
その友人の父と柔道の”日本選手権”をTVで観戦していました。
その頃、まだ格闘技の道に進んではいなかった(興味はあったけど)私には
良くわからないけど、すごいなあと思うの半分、でも一時期の柔道は動きも少なく、
見て面白いと思う感じではなかったのを覚えてます。

おじさん(と呼ばせて頂いてたので、そう書かせてもらいます)は
技についてとか、選手についてとか、いろいろ話をしていたのですが、その中で
冒頭に書いた言葉、
『死ぬまでやれい』
と強く語り、私の心に残ったのでした。


10分(日本選手権はそうだったと思うのですが)の試合で決着がつく、
当然判定がある訳で(当然、オリンピックのゴールデンスコア方式の延長戦というのも
無かったし)、正直実力者が揃う選手権、そんなに簡単に明快な勝負がつく
ばかりではありません。

でも、そんな事だから強くならないのだ、とおじさんは言いたかったのです。

(ちょっと長くなりそうだから、明日につづく…)


今日な一杯 ~Glen Albyn

2004-08-26 | 今日な一杯
昨日は、吉祥寺George's Barで元会社の先輩と一杯。

【Glen Albyn】 26年  UD社レアモルト 1975

もう閉鎖された蒸留所なので、後は市場にあるだけというレアもの。

味に適度な甘味がありつつ、塩味(潮じゃない感じ?)をも感じました。
不思議と言えば不思議ですが、それがとてもバランス良い。
カスクで度数は当然高いのにも関わらず、ぴりぴりした感じがなく、
長く寝かされただけあるのかなと思います。
そのせいか、フィニッシュも余韻はあるけど、すーっと良い感じで
消えていきます。

もうなかなか飲めないと思うと、とても大事に飲んでしまいました。

ちなみに昨日は
【Bowmore】 12年カスク  CADENHEAD オーセンティックコレクション
も頂きました。

ケイデンヘッドのボウモアは珍しいのではないでしょうか。
何か舌の上でざらつくような感じがしました。
これもちょっと不思議な一杯でした。

マスター、ごちそうさまでした。


ドリームチーム敗れるか…

2004-08-25 | Weblog
オリンピック野球、オーストラリアに再度負け、決勝進出ならず。

聞いたときは驚きました。
まさか2度同じ相手に負けるとは、しかもキューバならいざしらず…

正直、最近プロ野球への興味はとても薄くなっていたのでオリンピックも興味としては、
柔道・レスリング・サッカー・水泳・バレーボール…うーんその次の候補かな、
という位が、開幕前の気持ちでした。

でも、
朝日新聞に沢木耕太郎氏の大会取材エッセイが連載されているのですが、
8/14のそれを読んで野球にも気持ちが入っていたのでした。

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”夢を抱いたとき『ドリームチーム』が変わった”

アメリカのバスケットから有名になった、プロによる”ドリームチーム”は、
見る者にとっての『ドリーム』ではあっても、彼ら自身には『ドリーム』が存在しない。
彼らにとってオリンピックが最高の目標ではないから。

だからドリームチームには否定的な見方が生まれてくる。

野球の日本代表にしても同じ事は言え、彼らに『ドリーム』は無いと言えるはずである。
金メダルを取るという『義務』はあっても。
でも、それを目指して長嶋茂雄という不思議な人と共に戦っているうち、
いつしかその『義務』が『ドリーム』のようなものに変化していった。
さらに、長嶋監督が病に倒れてからは明確な『夢』となった。
監督のために金メダルを持ちかえるのだ、と。

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これを読んで、私は確かにそうかもしれない、と思いました。
ちょっと否定的な意見に共感する部分もあり、プロはそこまで真剣になれるのか?
と疑う気持ちもあったのですが、でも選手達を見ているうちに、逆に違和感を感じていました。

それは、そこに無いと思っていた真摯さが、溢れんばかりにあったから。

だからこそ感じていた違和感だったのだ、とこれを読んで思ったのです。

さらに沢木氏はこう記しています。

「彼らが明確な夢を抱いたとき、彼らはドリームチームではなくなったように思える。
彼らはドリームを実現するために必死になっているほかのアスリートと
同じ集団になっていったからだ」

そう、だから純粋に応援したいと思わされたのです。
それは元をただせば、長嶋さんの力、と言ったらいいすぎでしょうか。

決勝のがしたのは残念だけど、
背番号3に、メダルが届くことを、心から祈りたいと思います。

やはり、ノゲイラ凄し

2004-08-24 | Weblog
結果は当然知ってたけど、映像は見てなかった『プライドGP 決勝戦』をTVで見ました。

小川も残念だけど、仕方なし。ヒョードル強すぎ。

それより、ノゲイラがうまい事に、改めて感動。

ハリトーノフ戦、そして残念ながらノーコンテストになったヒョードル戦。
下になって足をたくみに使って相手をコントロールする技術はほんとにすごい。

重く、そしてボディーバランスの良い選手にあれだけ上からプレッシャーかけられると、
普通ほんとに身体を潰されちゃうけど、足腰をうまく使ってそれをさせない。
そして、グラウンド打撃ありだと厳しいと言われる相手の股への”もぐり”系も狙ってゆくし。

さすがにヒョードルのグラウンドパンチの早さ、タイミングの良さは健在だし、
最終的に勝負としてどうなるかはわからないけど、とにかくノゲイラのテクは
やっぱりすごい、と感銘を受けたのでした。

次のプライドで、是非再戦して欲しいです。とにかく早くみたいもの。

『華氏911』を見る

2004-08-23 | 映画寸評
先週の土曜、見てしまいました
華氏911』。

賛否両論あると思いますし、賛否両論あってしかるべき、
まずは見て、自分で考えるべし、そんな映画です。

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ブッシュとビンラディン一族の関係の告発、イラクで戦死した米兵の家族の取材、9.11、
イラクでの米兵の活動取材やインタビュー、議員達への突撃取材…
この映画の中で映し出されているのは、まぎれも無い”本物の映像”たち。

”本物の映像”ではあるけれど、そこで提示される”事実”がどこまで”真実”なのか
はわかりません。映像なんて、モンタージュその他の技法を使う事で、真実らしく見せる、
さらに真実の捏造だって充分可能なのですから。

でも、その”本物の映像”を見た時、少なくとも我々が今までそれらを”見ていなかった”
事実を思うと、この映画を一方的側面からしか見ていない、と単純に批判出来るものでは
ないのでは無いと思います。
既にメディアによって抑制されている(あるいは物理的に届き得ない)映像情報しか
我々は目にしていなかったという事に改めて気付かされます。

そんな情報だけで、イラク戦争に賛成や反対など、誰が出来るのだろうか?

でもその判断をしてきているのもまぎれも無い事実であり、それこそとても
恐しい事ではないか、と愕然とします。

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一方、これは映画である必然性があるのだろうか、例えばTVのドキュメンタリー番組で充分では?
という声があがっていたりもします。

でも、充分に演出は利いていると思えます(利いているからこそ、問題にされちゃうのでしょうね)。
カットの繋ぎ方、音楽の使い方、そして突撃取材だって事実だけどムーア監督が欲しい絵を
撮るために自ら演じているに近いとも思え、つまり映画全体は、まぎれもなく
ムーア監督の演出手法が漂っているのです。
だからこそ、ただの映像の羅列よりも、気持ちを揺さぶられるものがあり、
逆に恣意的と言われる事にもなるわけです。

途中、ちょっと長々と感じる部分はあったりもしますが、でもつい見てしまわざるを
得ない構成になっているし、その意味でまぎれもなく映画だと感じました。

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いろいろと場面についてなど、書こうと思えばいくつもでてきます。
そして、ショッキングな場面もあります。
同じようにイラク戦争を写したものが多かった『報道写真展』でもかなりショックを
受けましたが、違う意味でショックを受けます。

ネタばれにもなるし個々に書きはしませんが、1つだけ書くとすれば、
『ノリの良い音楽をかけていくと、イケイケな感じになってくるんだ!』
と、戦車の前で語ったイラク駐留米兵の言葉がある意味一番ひっかかりました。

それくらいでないと、現実の戦場で恐怖には打ち勝てないのかもしれないけど、
もしも、そうやって人の命が現実に奪われているのだとすれば、一番ショッキングな
事なのではないでしょうか。


もっと私達は、世界を知り、そこにいる人達を思って生きていかなければいけない、
完璧はもちろんあり得ないけれど、知らない事、そして知らないで判断しているのだという事、
それを忘れちゃいけない、と強く思わされた映画でした。

丹田に意識を

2004-08-22 | Weblog
今日は午前中、パレストラで柔術。

オリンピックの余韻もあり、柔道の寝技っぽく?フックガードでも多用してみようかと
思ったのですが、全然うまくいかないです。
まあいきなりそんな程度で出来たら誰も苦労しませんね。。

それ以外今日は、スパー中一つ気にしてみたのは、自分が上の時、下の人に
特に足を利かせるなどで身体を浮かせて崩そうとされたとき、変に力まず、むしろ脱力気味で
丹田に意識だけは集中してみた事。

立禅しててそれをやると身体が重くなるような感じがしてたのですが、
これをちょっと膝立ちとかでやってみたらと思ったら、かなり良い感じ。腰がぐっと沈む感じで、
相手も浮かせられなくなってました。
まあ腕のコントロールとかで引きこむようにとかいろいろされちゃうので、
全くやられない訳じゃないですけど、簡単に浮かせてスウィープされたりはしませんね。

そうなるだろうと予想したからやったには違いませんが、なんだか不思議です。

柔道 ダブルで金の歓喜。

2004-08-20 | Weblog
オリンピック柔道最終日、
ダブル金、という最高の締めくくりとはすごすぎです。

やはり、最重量級で優勝、文句無しに最強国、と言える気持ち良さを感じます。
すげー気持ちいい!
と競泳・北島選手のマネしたくなる程?に。

にしても、
鈴木選手の足技、あの体格にして、大きな技だけでなく細かい技も使えるのはすごい。

塚田選手、抑え込まれたのを逃げただけでなく、すかさず抑えにいったのは、
しのごうではなく”勝とう”という気持ちの象徴に思えました。


これでオリンピック柔道、終わりとはちょっと寂しい気も。
総括編を書こうと思いますが、ちょっと連日寝不足…
で、明日は午前中から柔術やりにいくので、今日は寝ることとして後日。

ほんと良いもの見せてもらったので、明日、自分もその分頑張って練習しよう。。
お約束的に、塚田選手ばりの後ろ袈裟でも狙おうかな、無理無理(笑)


『壬生義士伝』 愚直なる武士道

2004-08-20 | 映画寸評
夏休み中鑑賞のDVDで3本の2本目。

壬生義士伝

昨年やたらCMやってたし、日本アカデミーも取ったし、説明はいらない
邦画ですね。映画館で見たかったのですが、機会を逃し、DVDもやっと見れました。

この映画、オリンピック前に見ましたが、始まった今の方がいろいろ考えさせられています。

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見る前は、幕末最高の戦闘集団”新撰組”と”金に執着する武士”というミスマッチな設定が
まず惹きになる部分であり、そのミスマッチゆえの面白さがどう描かれるのか
興味深いな、と思っていました。

けれど、主人公・吉村貫一郎の愚直さや金に執着する様が、次第に滑稽さ等微塵も感じられない、
美しい生き方にまで見えてきました。

その理由の1つが、ちゃんと家族の側が描かれていたから。
人間がどう必死になってでも生きる、最も必然な理由がそこに明確に見えました。

そしてもう1つは、斉藤一。
齋藤一が憎み、斬ろうとした吉村。それは最初ただの気まぐれから、と描かれつつも、
本当は最初から齋藤が吉村に何かを感じた証に思えました。
だから吉村がただの田舎侍という所から、一気に何かを内に隠し持つ人物なのでは、
と緊張感を持って見れたと思います。

その齋藤が感じ取った何かは、後で描かれる2度と主を変えぬと誓う武士としての
心であったのかもしれません。
死を厭わないとする斉藤であるからこそ、敏感にそれを感じ取り、その時点から
嫉妬にも似た気持ちが、齋藤に憎しみという感情を持たせたのではないでしょうか。

この映画、筋立てというよりも、この2人の理屈抜きの関係が、一番の見所でしょう。

正直、全体としては、基本的な構成が回想のせいか、合間が増長に感じた部分もあり、
新撰組全体の描き方も中途半端に感じる所もあり、感動はしたけど、強くグッとくる程で
なかったのですが、こうやって思い返し考えてみると、妙に気持ちに残るものがあります。


それは、吉村の”愚直なる武士道”。

「ただ盲目に命を捨てられる事が武士道ではない、何のために命をかけるべきか、
それを持ち、貫けることが真の武士道である」

そう、吉村の行き方は示しているように思います。
そして、それを否応無しに感じ取ってしまったのが、齋藤一なのでしょう。


「武士道」を描いた映画といえば、「ラストサムライ」が代表的になっている感がありますが、
やはり描き方の深さが違うな、そう思った映画でした。


お勧め度:
武士道という言葉に妙に惹かれる人 ★★
新選組というだけでピクッときちゃう人 ★
NHK大河に不満足な人 ★★★

追)浅田次郎の原作も、読んでみたいものです。


阿武選手の執念

2004-08-20 | Weblog
阿武選手やりましたね。

2回もオリンピック初戦敗退という試練を乗り越えての金、本当に価値が
あるもので感動しました。

決して、全てすかっと1本勝ち、というような試合ではないですし、
準決勝なんか本当にはらはらしました。

でも、阿武選手には”前向きな執念”をとても感じました。
それは苦難の道のりがあり、そしてそれをしっかりと見つめた結果、
得たものなのではないでしょうか。
そしてその執念が、この結果に結実したのだなと強く思いました。

本当におめでとうございます。



井上康生の武士道

2004-08-19 | Weblog
ショックです。井上選手が1本負けなんて…

オリンピックに出場する全日本人選手の中で、最も金確実とまで言われていたのに、
これがオリンピックの魔力なのでしょうか。今日、大学の拳法部の練習に行き、
その帰り現役達に
『今日の井上は絶対でしょ。でも、小川だったそう言われて負けたのだし、
わかんないっちゃわなんないからやっぱり見たい』
と言って飯も付き合わずに帰ってきたのですが、
まさか帰りつく前に負けているとは…

井上選手は最近、武士道にすごく感銘を受け、すごく考えるようになったと言ってました。
こういった精神的な部分って、すごく人間として大事だと思うし、とても素晴らしい
選手になったなと思っていたのですが、、、

それが結果に結びつくとも限らない所が、本当に勝負の怖いところであり、
武道の難しい所だったりします。
どの武道でも、案外技術は劣っていても何も考えずにイケイケな選手の方が強い、
って事は結構あったりしますよね…

でも、敗戦後に一旦インタビュー受けずに通りすぎたのに、
後でちゃんと戻ってきて、しっかりと答えていた所に、
ちゃんと井上選手の”武士道”を感じました。

その心があれば、絶対にもっともっと強い人間になると思いますし、
応援し続けたい、そう思わせてくれた敗戦と受け止めたいと思いました。

上野選手の闘志

2004-08-19 | Weblog
今日も上野選手が金メダル、おめでとうございます。


去年の大阪での世界柔道、寝技で一本取りまくっていたのがとても印象的だったのもあって
とても興味を持ち、ある意味ヤワラちゃん以上に応援したくなっていたので、
なんだかとても嬉しいです。


金メダル取っても思いっきり喜びを表現したりせず、淡々としているかのように見える、
そんな控えめな上野選手。
でも、内に秘めたる闘志というのを、とても感じるのが魅力的です。

今日は世界柔道の時と較べると調子的にはひょっとしたら今一つにも見えたりもしました。
でも調子だって波はあるだろうし、無論緊張もするだろうけど、それでも
自分の柔道を貫ける心の強さをこの人は持っており、金メダルを取れた一番の強さの
要因なのではと感じます。

昨日の谷本選手の時も思いましたけど、自分に自信をもって自分を貫けるという事が、
いかに大事かという事、再認識させられた気がします。


ともかくも、おめでとうございます。
そして日本柔道、この調子でまだまだ行って欲しいですね。

最後ですけど、泉選手も銀は残念とも言えますけど、でも良い柔道を見せてくれましたし、
悔しいでしょうけど初出場銀メダルは、充分誇れるものです。