日々・戯言の叫び

感じた事とか色々、表に出せない事を吐き出す独り善がりで嘘つきな日記

餃子が喉に詰まりました

2011-06-16 20:11:48 | 小ネタ
リアルに。
いやね、録画していたアザゼルさん。10話を晩御飯食べながら視ていたんです。
笑いすぎて、詰まった。
あのEDは力入り過ぎだろ、スタッフw
面白かったです。
…そうか、全13話か。
はい、逢魔ヶです。


逢魔ヶ刻動物園。
いまだに略し方が定まらない。
妥当にオーマガだろうか?


熊→華ちゃん。
精一杯甘くしようとしたらこうなった。
不思議。
あと、私は好意=食欲なネタが大好きらしい。



飢える舌先


牙が疼く。
それは、酷く。
喉が渇いたわけでも、腹が減ったわけでも無い。
震えるように、牙が疼く。
口の中、牙そのものが訴える様に。
志久万は舌で牙をなぞる。
鋭い牙は、それだけで自らの舌を切り落としそうで。
むず痒くて、どうしようもない。
嗚呼、どうすればよいのか?
自分は人間で、決して獣では無い。
この疼きはなんだろうか。
疼きを持て余す志久万の視線の先。
走り回る飼育員の姿。
服から覗く健康的な肌。ころころと動く双眸。
うっそりと、志久万が哂う。
「おい…」
「へ? あ、志久万さん、何かきゃっ!?」
用ですか?と続ける前に、志久万は彼女を担ぎ上げた。
騒ぐ彼女を無視して、寝泊りしているテントへと歩みを進める。
どさりと寝床に落とせば、酷いだの痛いだの抗議の声が上がったけれど、聞く耳など有りはしない。
白いシャツを無理やり剥ぎ取り覆いかぶされば、ようやく志久万の様子に気付いた華がか細い声を漏らした。
「し、しくま…さん? あの……」
「――黙ってろ」
抵抗しようとした四肢はすでに押さえて。
低く低く脅せば、ひゅっと息を呑む音。
黒い瞳に戸惑いと無知と微かな恐怖が滲み、だが逃げ出そう助けを呼ぼうという明確は意思は感じない。
その無防備さに志久万は口の端を吊り上げる。
――嗚呼、滑稽だ。
眼下の少女をじっくりと観察する。
黒のタンクトップとカーゴパンツ。
露出は多いはずなのに、いまいち色気というものが無い。
それは健康的に日焼けした肌色ゆえか、それともいつもの彼女を知っているからか。
けれど、今そんなことはどうだっていいのだ。
志久万にとっては些細なことでしかない。
目の前、小さく震える華に牙が一層疼くから。
この肉を食い破って滴る血を舐め取って、温かい臓物に食いつけばどうなるだろうか?
熱く脈打つ心臓はこの牙の疼きを止めるだろうか?
咬み砕く骨すらきっと甘いに違いなく、その目玉は飴の様に蕩けるのだろう。
知らず舌なめずり。
ゆっくりと頭を下げて、細い腕へと牙を押し当てる。
小さな悲鳴が華の口から漏れた様だが、それすら疼きを煽るだけ。
柔らかな肌を食い破らないように、細心の注意を込めて、牙を食い込ませる。
本当は、今すぐこの薄っぺらい肌を食い千切ってしまいたいけれど。
傷付けないよう様に、けれど、咬んだという証は付く様に。
これまでしたことも無いような、絶妙な力加減。
一咬みする度、華の身体がひくりと震える。
腕を咬み、指先を咬み、剥き出しの肩が目に入る。
誘われるように舌を伸ばし、咬み付けば、
「いっ!」
上ずった、高い声。
僅かばかり加減を誤ったか、鋭い牙は柔らかな肌を浅く切る。
滲む赤に舌を伸ばして、舐め取った。
今度は、声を抑える喉へと食指が動く。
細い喉は白く僅かに上下して、志久万は殊更ゆっくりと舌を伸ばし、一舐め。
「ひゃっ!?」
零れる悲鳴に、くつくつと哂って。
広げた口で、咥え込む。
「しくまさ…」
彼女が言葉を発する度、牙に、舌に喉の震えが伝わって。
それが命そのもののように感じられて、心地良い。
志久万の心に何か黒いものが溢れてゆく。
背が粟立つ。牙が疼く。
嗚呼、飢えてゆく。
このまま咬み潰してしまいたい!
きっと、それができれば満たされるだろう。
横目で華の顔を窺えば、彼女は目を瞑り懸命に恐怖に耐えている。
いくら動物が好きでも、いや好きだからこそその恐ろしさを、牙の鋭さを熟知している華は。
急所である喉に獣の牙が喰い込む意味を知っている。
それでも、悲鳴を上げず。
志久万を信じて耐えているのだ、この小娘は。
――嗚呼、嗚呼! 滑稽だ!!
愉悦に震える志久万に気付かず、華の双眸はただ閉じられるのみ。
堅く瞑った瞼から、ほろりと零れた雫が見える。
志久万は名残惜しさを隠さず喉から離れ、その雫を舐め取った。
苦味のある塩辛さが、舌を痺れさせる。
己の影で微かに震え続ける彼女が、心を満たす。
そのまま彼女を眺めれば、何も降ってこないことに違和感を覚えたか。
ようやっと薄っすらと華がその目を開けて、潤んだ視界に志久万を映す。
「志久万さん…?」
名を呼んだ彼女のその幼い唇に、口付けた。
理解が追いつかないのか、呆然とした表情の華を見下ろして。
志久万は小さく微笑んだ。

いっそ喰らい尽くせば楽なのに。


餓えるのです渇くのです。さぁ、どうか、貴方の全てで私を満たして下さいな!!

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