日々・戯言の叫び

感じた事とか色々、表に出せない事を吐き出す独り善がりで嘘つきな日記

ちょっと涼しくなりました

2011-08-20 15:40:00 | 小ネタ
雨降ったからね。
むしむしすることをもありますが、暑いよりマシ、かな?
明日はお出かけですぞー。帰宅時はきっと疲れ果てていることでしょう…。
まだ足は治ってません。大丈夫か、自分!?
今日はアザゼルさん。ですぞー。

よんでますよ、アザゼルさん。
私の好みはどうも世間一般と違うらしいと薄々気付いてはいます。
CPの好みとしては多分アザさく>悪魔サンド>べーさくだと思われます。
芥辺さん? う~ん、好きですが無敵すぎてどうして良いかわからない…。
ついでにアクさくは私が何もしなくて皆様が描いてくれるから別に良いじゃないか!ってなるんだ。
もう好き勝手やるよ、わたし。

付き合っては無いけど体の関係はあるアザゼルさんとさくまさん。


魅惑のテオトコス


「またやってもうたぁ…!」
暗い部屋。ベッドの上で頭を抱える男。
明るいオレンジの髪。逞しい身体。鋭い目つき。
悪魔アザゼル。
男がベッドの上で頭を抱える姿はシュールなものがあるが、本人は欠片も気付いてはいない。
同じベッドには女が眠っている。
当然の如く全裸。
気の抜けた表情で、くぅくぅ寝息を立てているのは彼の契約主佐隈りん子。
床には脱ぎ散らかした服。室内にはアザゼルが慣れ親しんだ夜の匂い。
二人が何をしていたか一目瞭然。
別にこれが初めていというわけではない。
始まりは本当に馬鹿馬鹿しいことだった。
酔っ払った佐隈が深夜、自室にアザゼルを召喚したのだ。
いつもと違う場所に戸惑ったのも束の間、目の前で酒瓶片手にへらへら笑う佐隈にすぐに理解は追いついた。
事務所以外の、ソロモンリングの無い場所での召喚は芥辺に禁じられている。
だが酔った彼女にそんな正論は通じない。
芥辺に気付かれなければ良いかと思いながら、アザゼルはいつもの調子でイケニエを要求した。
もちろん、冗談交じりのセクハラ紛いの発言で。
「何やの、さくちゃん。こんな夜中に急に呼び出してー。
イケニエ奮発してもらわな。おっちゃん、さくがええな。処女貰ったんで? 抱かせてぇな~」
グリモアの一撃で終わるはずだったその言葉はしかし、佐隈のい~ですよぉと言う声と共に叶ってしまった。
「……は?」
「はい、どぉ~ぞぉ」
しまりの無い顔で笑う佐隈がアザゼルを抱きしめる。
胸に飛び込む女の身体に、硬直した。
「え? ちょ、何? マジ……?!」
ただの冗談であったのに。
アザゼルが『イケニエとして要求したのは佐隈自身』であり。その言葉を彼女は『承諾』してしまった!
これは不味い! 非常に不味い!! 血の気が引いてゆく。
『イケニエ』の受け取りを拒否すれば彼女が山羊か何かになってしまう。それは避けなければならない!
――アクタベはんに殺される!
上手く回らない頭が最悪の事態を想定した。
小さい姿のアザゼルは、よくセクハラ目的で佐隈に抱っこを強請る。
アルコールに満たされた彼女の頭は、だからいつものソレと判断したのだろう。
お互いの言葉の内容が致命的に悪かっただけで。
だらだらと嫌な汗が吹き出して、ぎこちなく腕に納めた女の身体は柔らかくて、処女の匂いが鼻腔を満たして、酒の所為で上がった体温が理性を奪う。
混乱の中、アザゼルは佐隈を抱きしめて、そのままベッドへと押し倒した。
――痛くない様に能力を使ったり傷付けない様に人間に化けたり、そんな気遣いはかろうじて出来た。
翌朝。
グリモアを構えながら泣く佐隈に絶賛土下座祭のアザゼル。
「ひう、うぅ! あ、あざぜるさんのぉ馬鹿ぁ!! さいってぇです…うく! ふぅえぇぇっ」
「ごめん! ほんまごめん!! 泣かんといてや、さくちゃん!!」
素直に謝り倒していたのだが、そこは悪魔。責任転嫁もちゃっかりしやがった。
「けどな、さくも悪いんやで!? 芥辺はんに散々言われとったやろ!? 事務所以外で呼ぶなて! しかもあんな夜中に部屋に男あげるとか、危機感無さ過ぎやろ!?」
「うぅ、でもだって私よく憶えてなくて…」
「記憶失くすほど呑むな! その酒癖の悪さどーにかせぇよ! せやからこんなことになんねんで!!」
「五月蝿いですよ、アザゼルさん! アザゼルさんがこんな…こんなことしなければぁ!!」
「ワシはイケニエもろただけですー! くれるゆーたんはさくですー!」
「そんなの憶えてないから無効ですよ!! この変態悪魔ー!!」
「んなわけないやろが、ボケさくぅ!!」
いつものノリで言い合って、最終的にグリモアを振り下ろした佐隈の勝利で終わったけれど。
当然ながらその日は大学もバイトも休みに。
そしてアザゼルは佐隈の世話を甲斐甲斐しく焼いた。
それから、この関係は続いてしまったのだ。
どうしてなのか?など、聞かれたってわからない。
週に一度有るか無いかの関係だ。
お互い「…かなぁ?」と思ったときに何となく。
佐隈の部屋で一緒に過ごす。呼び出されたからといって、必ず寝るというわけでは無い。
ただ一緒にTVを見たり、雑談したり。同じベッドに入っても何もしないで寝てしまうこともある。
この関係を一体なんと呼ぶのか。本人たちにもさっぱりなのだ。
恋人というには甘さが足りず、セフレというには割り切れない。
二人揃って考えたが、途中で頭がぱぁん!した。
パンクである。ショートである。オーバーヒートである。
そもそも淫奔の悪魔で身体は重ねても心を重ねたことなど無いアザゼル。幼少時のトラウマから常に異性とは一線引いていた佐隈。
二人合わせても恋愛経験値がゼロに等しいのだ、いくら考えたって答えは出ない。
誰かに相談しようにも、酔った勢いで持った関係が続いてますなんて言える訳が無い。
唯一相談できそうな相手がいないわけではないけれど――。
アザゼルの同僚にして、佐隈のもう一匹の悪魔である彼。
でも駄目だ。知られたら腹を抱えて笑い転げるか、ここぞとばかりに罵倒の嵐に違いない。
何より、二人の上司に密告されるかもしれない。
知られたら最後アザゼルは殺される。比喩でなく、確実に。
佐隈だってただでは済まないだろう。あれほど悪魔に隙を見せるな、弱みを見せるなと言われ続けてコレなのだから。
幸い男女関係を見抜く能力を持っているのはアザゼルだけで、事務所では佐隈の態度も変わらない。
それは二人の関係があまりにも曖昧だからかもしれないが、気付かれないに越した事は無いのだ。
ずるずると続く関係。
二人で過ごす時間が存外心地良く、止めるに止められない。
佐隈がどう思っているのか知らないが、アザゼルだって一応考えているのだ。
ただ、淫奔を司るゆえ行為そのものを拒否することが出来ないだけで。
ヤるだけヤってからこうして悩む。
理由としては、回数が増えるだけ芥辺にばれ易くなるから。
本人、真剣だ。これ以上無いほど。
極力痕はつけない様に、次の日に響かない様に頑張っているがそんな気遣いも結構ぎりぎりなのだし。
基本的な体力からして違う悪魔のアザゼルが、人間に合わせるのは実は大変なのだ。
佐隈は全然気付いていないが。アザゼル以外との経験が無いため比べ様が無いからだけど。いや比べられても嫌なのだが。
傍らの佐隈は何の悩みも無さそうに、口を開けた間抜けな寝顔。
「呑気なやっちゃなぁ」
ぷぃ~っと、白い頬を引っ張る。。
何度もキスした頬が色気なく伸びた。それになんとなく笑う。
「う…うにゅぅ……」
眉をしかめて唸るだけ。起きる気配の無い彼女に苦笑を零して、アザゼルもベッドへと潜り込んだ。
すぐにもぞもぞと動きだした佐隈がアザゼルの胸に擦り寄ってくる。
寝心地のいい場所を探してごそごそ。ちょうどいい所が見付かったのか、また静かに寝息を立て始めた。
「まぁ考えてもしゃーないわな。ばれたらそのときはそのときや」
小さく呟いて、きゅうっと佐隈を抱きしめてやる。
すっかり腕に馴染んだ柔らかな身体が気持ち良い。
仕方が無い。この関係を嫌ではないと思っているのだから。
お互い本気で拒めないのだから。
嗚呼、本当に仕方が無い。
目を閉じながら、よく分からないけれど心地良いこの関係が出来るだけ続けば良いなと思った。


哀楽饗宴シンパシー! 笑う蝙蝠、可愛い小鳥をぺろりと食べた。喰われた小鳥は腹の中、二人の秘密を唄ってる!!

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