ファミリー メンタル クリニック

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要するにひとりごと・・・

それは「2次障害」と考えないといけない

2008年09月19日 | 児童精神医学
どんな症状も早期発見・早期治療・早期介入に越したことはない。
このところクリニックに続けてくるタイプの子たち。
おそらくは単純にADHD症状だったか、自閉症スペクトラム症状なのだろう。
しかし、小学校低学年の頃に細かく聞くと特徴的な症状は出ていた。
場合によっては精神科医の診察も受けていた。
何ら問題なく過ごしていたように見えていた。

それが、突然今年になり、訳もなく同級生に手を出す足を出す!で困っている。
とにかく他人への暴力だけはやめさせるため病院に行って下さいと言われた・・・・と受診する。
親御さんは、家では暴力もないし・・・・と困惑する。

宿題に時間がかかっていた。
お姉ちゃんとは違い、怒られている理由が良く分かってないようだった。何度も何度も同じ事で怒られる。
睡眠リズムがずれやすかった。
パニックになるときは子どもとは思えないくらい怖い顔でしばらく収まらなかった。

しかも教師はADHD、ASDの可能性があるなんてことは本当に考えてないのかもしれない。
暴力さえ収まれば良いので・・・・と親を説得する。
誰にでも暴力を振るうことが本来の症状であれば、診察室でボクはアザだらけになっているはずだ。
ストレスのかかる質問をしても一度も子どもから殴られたことはない!
殴られる教師は自分に問題があるとは思わないのだろう。幸せな人だ。

8歳の子は8年の(いやお腹の中にいることも考えると約9年の)歴史がある。
仮にADHDの症状だとしても小学校に入学し3年経つと色んな要素で修飾されてくる。

教師よ! ADHDの診断基準をもう一度見て欲しい。
他人への攻撃・暴力という診断基準はないはずだ。
そんな事が起きているときは教師の言う「2次障害」で問題が雪だるま式に大きくなってきていることを意味する。
それまで放っておいた我々教師の反省する点はないのだろうか? そんな議題が職員会議で出ないのだろうか?

少なくても小学校3年生4年生は入学する時点で「特別支援教育」について教師は最低限のことは学んでいた時期の筈だ。



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5 Comments

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特別支援教育 (RAM)
2008-09-19 23:09:58
地方によって特別支援教育への取り組みは違うのかもしれませんが、うちの子が通う特別支援学校では、ほとんど行われていません。先生達が特別支援教育の意義を研修などで知ったとしても、実際のノウハウがないのです。そういう状況にいる教師こそ、特別な支援が必要なんだろうなぁ・・・と。
まして、法律違反に問われる等という危機感は、まったく持っていないようです;;
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法律違反・・・ (Nakamata)
2008-09-20 09:20:55
自閉症と診断されていた子が給食を食べれない・・・・あくまで症状なのに、無理矢理食べさせてPTSDとなった。教育委員会が訴えられた事件がありましたね。最終的な判決は分かりませんが1審では教育委員会敗訴でしたね。
その理由の一つは特別支援教育を行う義務がある教師が、それを怠ったから。そんな所だったと思います。
講義で時々取り上げますが、実際の教師には法律的なことがピンと来ないようです。

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教師の反省 (あおい)
2008-09-27 03:00:09
はじめまして、検索でたどり着きました。
私は小学校で教師をしています。
4月に赴任した学校で、まさに上のような状況になり、自分自身の指導力を反省していました。
保護者からも3年生になって豹変したと言われ、前担任からも去年は大丈夫でしたと言われ、自分自身の指導力のなさに反省し、この子がパニックを起こした日は眠れぬ日々を過ごしていました。でも、何かが違う?もしかしてADHD・・?
そう思い受診を進めているところです。
この子にあった支援の仕方、学習の進め方、友人関係の築き方などをいろいろ知りたいと思います。
今日、保護者と苦しい一年になりそうですが、十年後のこの子の幸せを信じて、一緒に今をがんばっていきたいですね。と話したところです。
これから、先生のブログに遊びにこさせてください。よろしくお願いします。
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どうか力を抜かれて下さい (kaetzchen)
2008-09-27 15:46:53
あおいさん,私は教員ではありませんけど,教員の友だちから色々と相談されることが多いです.

私自身も人間関係ではかなり苦しい思いをした経験があり,小4の後半は登校拒否に陥りました.結局,高学年の担任の先生が(首都圏だったので)受験をして違った人間関係の中に飛び込みなさいと言われ,個性を尊重する学校の中でようやく自分を取戻しました.

幼稚園や低学年で苦しんでいる子供たちは過度のストレスに晒されているのかなと思います.逆に言うと,教員の数が足りない,ADHD などの心の問題についての研修が徹底していないのではと思ったりもします.要するに「臭いものには蓋」をしたいのが「学校社会」の本音じゃないかなというのが私の感想です.

あおいさんもどうか,目の前の問題に振り回されず,力を抜いて「学校社会」の圧力から解放されることを考えて下さい.半年の間,うつ状態だった,40年前の子供より.
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運動会 (あおい)
2008-09-28 21:06:43
今日は運動会でした。
運動会に参加できるかなと心配していたお母さん。
運動会をがんばって、お母さんを喜ばせたい。ごほうびをもらいたいと思っていたその子。
練習をあまりやっていないけれど、大丈夫かな。午前中の種目だけでも参加できるといいなと思っていた私。

朝一番に登校したその子と、雨でぬれたいすを一緒に拭いて、「ありがとう。がんばろうね。」と気持ちよいスタートをきりました。

途中ちょっとしたことはありましたが、出番をしっかり終えて、閉会式まで参加し、「100点満点。よくがんばったね。」とたくさん褒めることができました。

怒り出しそうになった時に、ゆっくり同じ言葉を繰り返し話す。時には、後からやさしく抱くようにして話すようにしています。

9月に入って、いろいろな方(外部も含め)の協力もあり、よい方向に行きそうなそんな気持ちになっています。

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