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裁判員の心のケア、5回まで無料に…最高裁

2009年06月17日 | 精神保健・医療行政
裁判員の心のケア、5回まで無料に…最高裁
(記事提供:読売新聞)
裁判員裁判で悲惨な事件の審理に参加し、精神的なショックを受けた裁判員らの心のケアを充実させるため、最高裁は、臨床心理士らによるカウンセリングを5回まで無料で受けられるようにする方針を決めた。
対面式のカウンセリングを行う業者と7月中旬をめどに委託契約を結ぶ。47都道府県すべてでカウンセリングが受けられる。

裁判員制度では殺人などの重大事件が対象のため、裁判員や補充裁判員が、証拠として示された遺体の写真を見たり、検察側の冒頭陳述などで残酷な犯行状況を聞いたりする可能性がある。

裁判員らが精神的なショックを受けた場合の対処が課題になっており、最高裁は24時間態勢の無料の電話相談窓口を設ける方針を決めていたが、専門家から「それだけでは不十分」という指摘が出ていた。

対象は裁判員や補充裁判員と、その経験者。利用期間に制限を設けず、裁判員を務めた後、一定の時間を経て心身に変調をきたした人も利用できる。

悩みを打ち明けたい場合は、最高裁が開設した相談窓口に電話し、地域のカウンセリングルームなどを紹介してもらう。専門医の診察を希望する人には医療機関も紹介。

6回目以降のカウンセリングや医療機関にかかる費用は自己負担だが、裁判員は非常勤の国家公務員に当たるため、裁判員を務めたことで心的外傷後ストレス障害(PTSD)などになったと認定されれば、国家公務員災害補償法に基づいて補償も受けられる。

最高裁は「裁判員の心のケアは、陪審制や参審制を導入している国と比べても遜色(そんしょく)ない対応になると思う」としている。

(記事提供:読売新聞)

裁判員になりPTSDとなり、国家公務員災害補償法に基づいて補償も受けられると記事では述べられているが、そんなの何もありがたくない。

裁判員になった人たちが国を相手取って裁判をしたときは、裁判員制度の手続きをする裁判ではなそそう。
本来なら、市民の常識で行政訴訟などを裁判員に判断してもらうべきじゃないのかな?
殺人事件の写真や再現ビデオでも見せられた日には皆PTSDとなりかねない。
さらには、自分が下した判決で死刑にしてしまい、えん罪の疑いはないのか良心の呵責に耐えきれず・・・・そんなケースも増えそうだ。

何か、無理がある。

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4 Comments

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Unknown (karao)
2009-06-18 20:49:45
こんにちは
08年10月29日に東京商工会議所と最高裁の共催による裁判員制度の説明会に参加して、質問コーナーが時間切れとなったために閉会後個別に質問を行い、解説ご担当の最高裁判事殿から、読売・朝日・日経の法務担当記者の方がメモを取っている前で、下記の回答をいただきました。
【質問】裁判員へのメンタルケアや、職務が原因で生じた精神的な変調発生などの損害の補償については非常勤の国家公務員として扱われるというが、裁判員を務めたことと、損害発生との因果関係の立証責任を裁判員が負うとされており、そこまでの負担はできないので、就任を辞退したいと申し出た場合に認められるか。
【回答】 その場合は過料を科すことなく、辞退を認める。
(ただ、この説明会自体が、全くどのマスコミにも取り上げられませんでしたので、当然この質問と回答についても記事にはなっていません。)
08年4月に日経新聞に載った記事では、最高裁は、裁判員の約10%にメンタル的な影響が出ると想定しているそうですが、突っ込んだ議論があまりされていないのが不思議です。
実際には、裁判員の辞退の可否判断は、各地裁の裁判官が行う訳ですが、上記の理由で裁判員辞退を申し出た人に対し、A地裁では辞任を認めて、B地裁では過料10万円を課した・・・ということが起きると、問題になると思います。
その意味で、上記回答は責任ある立場の方のものですので、重要だと考えています。


10% (Nakamata )
2009-06-18 23:28:09
実際にPTSDと思われる人達の治療は困難なことが多いので,10%を予想するのは無理があるように思われます。

市民が参加するのは他にも色々あると思います。
貴重なコメントありがとうございました。
裁判員のメンタルケアと守秘義務について (karao)
2009-06-21 17:39:49
こんにちは
裁判員心のケアの問題について、私の勤務する会社の衛生委員会で出された質問を、法テラスにさせていただき、最高裁から法テラスへの文書回答ということで、電話回答をいただきました。
【電話での質問】
裁判員を務めて精神に変調をきたした場合に、
評議の内容を会社のメンタルヘルス担当の産業医には、話しても良いか。
否の場合、最高裁が指定した医師・カウンセラーには話しても良いか。
【法テラスコールセンターの責任者殿からの電話回答】
『裁判員が、裁判で生じた心理的な圧迫の解消のために、勤務先で契約した守秘義務を負っている産業医や、通常守秘義務を負っているカウンセラーに対して相談を行う場合は、その相談の過程において、評議の内容を話しても差し支えない。
(最高裁が斡旋した医師やカウンセラーに対しても同様)』
回答をいただいた際に、この内容はどこかに明文化されているかを確認しましたが、
明文化はされていないとのことでした。
明文化されていないと、刑罰の対象である守秘義務の範囲があいまいになり、問題になると思います。
そこで、現在、最高裁の裁判員制度Q&Aにこの問題の掲載を依頼しています。
この情報は、以前取材を受けたことがある読売新聞の記者にも、メールで送信したのですが、翌日朝刊にに掲載された例の「カウンセリングが5回まで無料で受けられる。云々」の記事には反映されませんでした。この記事は、「6回目からは自己負担」と言いながら、一方で「裁判員が精神的なショックを受けて、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などに認定された場合は、国家公務員災害補償法に基づいて補償をする」という記述があり、その「補償」が6回目以降のカウンセリングに適用されるのか、という重要な部分に触れられていません。
この問題を、新聞掲載当日に読売の社会部と、上記記者に送信しましたが、何の反応もありませんでした。
以上、ご参考まで。
karaoさんどうも (Nakamata)
2009-06-23 23:11:29
裁判員制度について,貴重なコメントありがとうございます。
このblogの読者の中に,まじめな方も少なくないことが分かりました。

確かに,ご指摘の通り法務省はPTSDが当然一定の割合で起こりうることであると分かっていながら,あまり公にしたくないようですね。

凶悪犯罪に関して検察側はビジュアル的にインパクトのあるスライドなどを用意すると,それだけ記憶に残りやすくなります。
その日のうちに夢でうなされる市民裁判員が出ることでしょう。
そして,法廷で被告から罵倒されたり,にらみをきかされたりすると事件の写真や説明とは別に,直接の心的ダメージになる可能性も高いと思われます。

地裁のある各地区でPTSD治療のスペシャリストがいるか・・・・極めてアヤシイと言わざるを得ないでしょう。