ファミリー メンタル クリニック

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要するにひとりごと・・・

劣等生は存在しない-アニー-コルディエ

2009年02月04日 | 児童精神医学
劣等生は存在しない-アニー-コルディエ著を呼んでいる途中だ。
購入したのは2年前?
ラカン派の精神分析家が著した本だ。

自分で診察していてADHDであるかもしれないが、今の問題はそこから来ているものではない・・・・アヤシイ・・・・と独り言をいう瞬間がある。
中学生になり勉強しない。小さな頃から落ち着きがなかった。
確かにADHDを臭わせる。

しかしだ・・・・・親の態度は、この子が自分たちの言うこと聞かない理由を医学的な問題にしてほしい、そんなニュアンスが見え隠れする。
強いて言えば、子どもがADHDであるというなら、お父さんが全くその通りの症状で成人している。ちゃんとした職にも就いている。だから、お子さんも同程度に問題はないでしょう・・・・と言いたくもなる。

何が言いたいか訳からなくなる前に結論から言うと、発達障害であるかどうかははっきりしないが、家族関係で親の欲望の通りに生きてきた子も思春期になると自分というものを見るようになる。
親の欲望の通りの生き方が出来なくなる。

もちろん親が子どもに健全な形で期待することは大切だけど。
神経症的な構造で問題が複雑になることがある。
たいていの場合、子どもは健全な形で表現する。
その意味を分からない、分かろうとしない親がいる。

そしてクリニックは相談機関ではない。相談なら児童相談所、教育委員会などへどうぞ。
治療が必要なら、子どもがそれに同意する形でないと何も進まない。
どうせ、子どもだし・・・・そんな姿勢は子どもには敏感に見破られてしまう。
子どもが自分の欲望・理想に向かって生きていくことを支えるのが治療だ。
それは、親離れを加速することになるかもしれない。
親の欲望通りにいかない我が子の健全な姿を認めないといけないかもしれない。

子育てのジレンマ。いずれ自分のもとを巣立ち、1人前にするために育てているという前提を忘れてしまいやすいこと。

・・・・ふ~
ラカン派の臨床は実は発達障害の臨床にきわめて役立つものであると最近痛感しているところであった。

劣等生は存在しない  そんなこんなで読むと難解と言うよりもエキサイティングな本だ。

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