益田森林・林業普及情報

島根県西部農林振興センター 益田事務所

間伐材でナメコ生産してみませんか

2005年11月30日 | 森の恵み
間伐材でナメコ生産?何、突拍子もないことを言ってるんだ、と頭を傾げる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、根拠がないわけではありません。林業新知識という冊子でそのやり方等について紹介されていたのです。それで、うちのグループで是非やってみようということになったので、昨年植菌してみました。
使用したのは、ヒノキの間伐材(伐採直後の含水率の高いもの、乾燥期間の短いもの、ながいもの(しっかり乾燥させたもの)の3通り)とサクラです。
植菌時期は、夏真っ盛りの8月当初という、従来では考えられない時期ですが、これも実績として新知識に掲載されてましたのでチャレンジしてみました。植菌後はスギの35年生程度の林分に置いて終了です(あとは発生を祈るばかりです)


・・・それから1年数ヶ月経過した11月中旬、匹見の現場から帰る途中にナメコのことを思い出したH主任普及員がフラッと現場に行ってみると・・・、なんと大量発生していました。

        
    ヒノキに発生したナメコ                サクラに発生したナメコ

その翌日、U課長と採取に行きましたが、その結果は、

サクラ(14本)        2.1 kg
ヒノキ1(含水率高 23本)  5.0 kg
ヒノキ2(乾燥期間短い 2本) 0.04kg
ヒノキ3(乾燥期間長い 12本)1.8 kg
注:()内の数字はほだ木本数

サクラはもちろんですが、見事にヒノキからも発生して大量収穫できました
重量に結構さがありますが、ほだ木本数に差があったので、この辺はいたしかたないです・・・というか、実は含水率の高いヒノキも伐採直後のものと乾燥期間の長いものを3日間浸水させたものとで番号を振ってたんです。その番号は1と4。マジックで木口面に書いただけで、配置表も作ってなかったので、長期間の放置で1か4か判別できなくなってしまって・・・。ということで、ヒノキ1のほだ木本数と採取量が多くなってます
ヒノキ2も結構発生はしてましたが、まだ小さくて採取できない(食べられない)ものが多かったため、この程度の量になってしまいました。

問題の味と見た目ですが、いろんな人に配って意見を聞いてみましたが、味自体は問題ないようです(やはりヒノキの香りはしないみたいです)。
ただし、見た目はサクラの方がいいようです。写真では分かりにくいかもしれませんが、柄の部分がサクラの方が太くてしっかりしてて、かさの部分も形の良いものが多く見受けられ、それに比べるとヒノキは貧弱なので、商売にはむかないかもという感じです。ですが、家庭で楽しむには十分なレベルだと思います。

               

ヒノキで2~3年発生すれば、家庭では十分楽しめるし、間伐材の新たな利用ということでPRできると思うので、来年以降の発生を期待しながら、観察を続けていきたいと思います。



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