エテポンゲの独り言

残したい瑣末な話し

時代の空気かなぁ・・・

2005年09月03日 | 社会

 若い頃銭湯に行ったら脱衣箱のずっと上には上映中の映画のポスターがズラリと貼ってありました。私の地元では東映のヤクザ系が多かったかな、高倉健や鶴田浩二の写真じゃなく絵でした。

 子供だからお金なんか持っていない、入浴後のドリンクなんか飲めません。たまに親がいれば牛乳を飲みました。本当はフルーツ牛乳が飲みたかったけど許してもらえないんです。親にすればどうせ金を使うなら栄養のあるものと思ったんでしょう。今でも心残りは銭湯のフルーツ牛乳です・・・

 そんな銭湯には必ず警察の指名手配ポスターが子供でも見える低い位置に貼ってありました。その中には凶悪犯にまじって極左の過激派の顔写真も入っていました。今ならオームの連中ですね。高校生の頃印象に残ったのはやはり重信房子です。当時週刊誌でも美人闘士とか言われて私等もなんとなく知っていました。最近自ら捕まってその実物を30年ぶりに拝みました。週刊誌は女であれば誰でも美人にする奴らです。

 70年代はなんとなく改革礼賛の時代でした。若い人には信じられないでしょうけどまだ未来に希望を持てる空気があったんです。古いもの保守的なものは全てバツで、新しく左翼的な考えはOKみたいなところがありました。今思えば年配の方には失礼な事ばかりしていました。反省ですね。

 今日BSで小野田寛郎さんのインタビューを交えた番組を見ました。小柄な人ですがまさに巨人とはこんな人を言うんでしょう。人間の根源的な強さを教えられました。ただ彼が突如ブラジルに移住した経緯を聞くと当時の日本の空気を思い出しました。自分に対する義援金を靖国神社に寄付した行為を世間に非難されたりしたことです。自分にとってごく自然な発想が世間と大きく乖離してたんです。たしかにそんな空気があの時代には蔓延していました。

 前にも書きましたが私たちの常識はあくまでその時代の制約を受けたものなんですね。特に思想や主義なんかで凝り固まった考えには注意しましょう。あ、宗教もね。結局は自分や周りを不幸にするように思えます。ごくごく自然に肩の力を抜いて思考するのが一番と思います。デカルトじゃないけどcogito ergo sum で行きましょう。


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