J@Dの備忘録

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四国旅行5日目(道後温泉)

2023年07月06日 | おでかけ


今日は晴れ。今日は旅行の最終日である。最後の朝風呂を楽しむために早く起きるつもりが、目が覚めたのは午前6時過ぎだった。
客室の障子を開けると、外はすでに明るくなっていて、上空には雲ひとつ無い青空が広がっている。朝日を浴びた松山城が遠くに見えていた。朝風呂に入り、最後の松山の温泉を満喫すると、朝食を食べる。

ホテルをチェックアウトした後、ホテルの近くにある義安寺という寺に足を運ぶ。この寺は曹洞宗の寺で四国八十八箇所番外札所となっている。


この寺の名前にもなっている義安はこの寺を建立した河野義安から取ったもので、河野氏は当時、伊予を根拠とする豪族であった。豊臣秀吉の四国征伐の際に小早川隆景の説得により降伏し、一族や譜代の家臣が当寺に集結し、井戸の水を飲み交わして二君に仕えないことを約し、自刃して果てたと伝わっている。
本堂で参拝した後、寺務所に寄って御朱印をもらおうとしたが、書き置きしか無いとのことなので、ここも御朱印をもらうことはあきらめた。

ホテルから送迎バスで道後温泉駅に向かう。道後温泉駅から南東に100mほど行ったところに道後公園がある。この公園は先ほど参拝した義安寺のゆかりの深い河野氏の根拠とした湯築城跡で、現在は県立の都市公園となっている。


道後温泉北口から園内に入り、階段を登っていくと、湯釜がある。


この石造りの湯釜は浴槽内の温泉の湧出口に設置するもので、現在の道後温泉本館が出来た明治27年まで使用されていたとのこと。


湯釜上部に置かれた宝珠の「南無阿弥陀仏」の文字は、河野通有の依頼により一遍上人が刻んだものと言われているとのことである。


道後公園の敷地内には武家屋敷や土塀の復元などを内容とする文化財を生かした公園として整備されている。


公園の一角に外堀土塁を切り取って展示しているコーナーがあった。外堀土塁は外堀を彫ったときに出る土を盛り上げて造られており、「掻揚げ土塁」と呼ばれているとのこと。堀と一体となって城の領域を形づくり、敵の侵入を防いだり、城の内部を外から見られないようにする役割を担っている。


公園の中心部には本壇があった場所に展望台が整備されていた。展望台の上からは松山城の天守閣が望めた。


日中は晴れて青空が広がった。薄い雲が所々にたなびいているものの、強い日射しが降り注いでいる。昼間の最高気温は33℃で、真夏日となった。湿度が高めで、西よりの風が吹いている。
外を歩いていると、蒸し暑くて汗だくになってしまったものの、日陰にはいると風が心地よい。茂みの中からセミの音が聞こえているものの、ウグイスの鳴き声も聞こえる。遠くからドバトの鳴く声も聞こえてきた。

道後公園を後にすると、道後温泉駅に向かう。道後温泉駅前の足湯で最後の温泉を楽しんだ後、まずはJR松山駅に向かった。

( 四国旅行5日目(円明寺) に続く )

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四国旅行5日目(円明寺)

2023年07月06日 | おでかけ



( 四国旅行5日目(道後温泉) より続く )

JR松山駅に到着したところで、帰りの電車までにまだ余裕があったので、予讃線に乗って、2駅隣の伊予和気駅に向かった。


松山駅から電車に乗って8分ほどで伊予和気駅に到着する。ちなみに伊予和気駅構内にはお好み焼き屋がある。しかし、小さな駅舎を眺めると、どう見ても駅舎の中にお好み焼き屋があるのでは無く、お好み焼き屋に駅舎が併設されているように見えてしまうから不思議だ。


伊予和気駅から歩いて3分の所に、四国八十八ヶ所霊場第53番の円明寺がある。


仁王門をくぐると中門がある。


中門の中に入ると、その先に本堂がある。


まずは本堂で参拝する。本尊は行基菩薩作と伝わる阿弥陀如来である。
その後、大師堂で参拝する。


参道を挟んで大師堂の反対側にある観音堂で参拝を済ませる。


その後、納経所で御朱印をもらった。
大師堂の左脇を廻った所には聖母マリア像を浮き彫りにしたキリシタン灯籠がある。


高さ40cmほどの十字架形の灯籠には合掌するマリア像とおぼしき像が刻まれ、隠れキリシタンの信仰に使われたとの説もあるとのこと。


円明寺を後にすると、再び伊予和気駅から予讃線の電車に乗って松山駅に戻った。


お昼を抜いてしまったので、松山駅で駅弁を買おうと思ったのだが、既に売り切れとのこと。仕方ないので、帰りの電車の中でお茶をするつもりで、駅の売店で四国銘菓「句里タルト」「坊っちゃん団子」を詰め合わせた松山銘菓撰「和魂洋才」を買う。更に麦茶のペットボトルを買い込んだ。

松山駅で休憩と買物をした後、15時28分松山駅発の特急しおかぜ24号に乗って岡山に向かう。


( 松山銘菓撰「和魂洋才」 に続く )

岡山駅に到着したのは18時11分である。
岡山駅で夕食を食べたかったが、切符は往復割引切符が適用されているので、途中下車が出来ないとのこと。仕方ないので駅弁を買って帰りの新幹線の中で食べることにしたのだが、在来線の売店ではほとんどの駅弁が売り切れていた。

とりあえず、残っていた駅弁の中から「黄ニラあなごめしと岡山づくし」という駅弁を買った。更に缶酎ハイを買って、新幹線の改札に入る。


ところが新幹線改札内の売店には駅弁が山のように販売されていた。在来線側の売店で駅弁を買ったのは失敗だった。もっとも買い直すつもりも無いので、駅構内にあるカフェでお茶をした後、20時01分発の新幹線のぞみ60号東京行きの列車に乗り込んだ。


( 駅弁(黄ニラあなごめしと岡山づくし) に続く )

駅弁を食べた後、ICレコーダーに入れた音楽を聴きながら車窓を眺めていると、いつの間にか寝てしまったようだ。気が付いたのは列車が熱海を通過する頃である。
列車が東京駅に到着したのは23時12分である。それから中央線快速電車に乗り換えて、帰宅の途につく。

電車が日野駅に着くと、電車を降りて改札を抜けた。駅の外に出ると、上空には暗い空が広がっていて、星が瞬いているのが見える。湿度が高くてムシッとした陽気である。北よりの風が少し涼しく感じられた。
重い荷物を背負って、家に着くと風呂に入って汗を流す。風呂上がりに冷たいスポーツドリンクを飲んでいると、ようやく落ち着いた気分になった。

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四国旅行4日目(道後温泉開運めぐり)

2023年07月05日 | おでかけ


今日は雨ときどき曇り。今朝は5時に起床した。障子を開けて窓の外を見ると、上空には薄い雲が広がっているものの所々に穴が空いて青空が顔を出してる。今朝の気温は25℃で湿度が高く、北よりの風が吹いている。空気がシメシメとしていて、少し空気が蒸すような陽気である。
今日も朝風呂に入ってゆっくりと湯に浸かる。熱い湯は体を活性化させてくれるようである。顔を洗い、髭を剃るとスッキリとした。部屋に帰ってきて外を見渡すと、上空の雲は次第に厚くなって、松山の市街地がくすんで見えた。遠くに松山城の天守閣がそびえ立っていた。


雨は午前8時前に降ってきた。雨は一時、強く降ってきたものの、その後は雨が降ったり止んだりの空模様となった。
今日はホテルで朝食を食べた後、ホテルの近くにある四国八十八ヶ所霊場第51番石手寺に向かう。寺の正面には太鼓橋が直角に設けられていて、寺院の山門には橋のたもとから入る。


山門をくぐって参道を直進すると、やがて正面に仁王門が見えてきた。仁王門は国宝で、左右の仁王像は運慶の息子である湛慶の作と言われているとのこと。


仁王門をくぐると、正面の階段の上に本堂が見えた。


右に三重塔、左に阿弥陀堂がある。三重塔は国の重要文化財に指定されている鎌倉時代の建物である。1階の濡れ縁には住職自らが四国八十八カ所の霊場参りを重ねて、集めた各霊場の砂を布袋に入れて並べてある。砂袋を撫でて心身を回復するという効果があるらしい。


阿弥陀堂には阿弥陀如来が祭られている。


本堂に進んで、参拝する。鎌倉時代末期の建築物で、本尊は薬師如来である。本堂の右手には大師堂があり、ここでも参拝を済ませた。


その後、納経所で御朱印をもらい、仁王門を出る。後でもらったパンフレットを見ると、他にも見所はあったようだが、雨で足下が悪かったこともあって、境内を堪能することが出来なかった。
石手寺の境内に地蔵院という寺院がある。この寺院は伊予十三佛霊場第五番の真言宗豊山派の寺で、本尊は延命地蔵菩薩である。


境内は正面に本堂があり、左手に子育地蔵尊を安置したお堂がある。本堂を参拝して、右手にある納経所で御朱印をもらった。
境内を出ると、一旦ホテルに戻り、ホテルからの送迎バスで道後温泉駅に向かった。道後温泉駅から東の方角に歩いて行くと、伊佐爾波神社がある。


神功皇后・仲哀天皇御来湯の際の行宮跡に建てられたといわれている神社で、京都の石清水八幡宮を模したと言われる八幡造りの赤い社殿が山の上に鎮座している。


階段を登り切ると、目の前に赤い楼門がある。楼門をくぐり、社殿に進んで参拝。その後、回廊を廻った。


社務所で御朱印をもらおうとしたが、書き置きしか無いとのことなので、諦めて境内を出る。境内の東側に抜けると、宝厳寺という寺がある。


宝厳寺は時宗の開祖一遍上人の生誕地である。武家の出身である一遍上人は幼い頃に出家し、各地で盆踊りの起源ともいわれる踊り念仏を広めたことでも知られている。ちなみに時宗総本山は遊行寺であり、以前はこの裏手にある住宅地に住んでいた。これだけでも、何か縁のようなものを感じる。


鐘楼門をくぐり、本堂で参拝する。平成25年8月の火災により全焼した本堂等は平成28年5月に再建し、新たに一遍上人堂も建立されている。本尊は阿弥陀如来である。
本堂の左脇に一遍上人堂がある。内部はミニ博物館になっていて、一遍上人像や一遍聖絵が展示されている。入場無料で、ゆっくりと観覧することが出来た。


寺務所で御朱印をもらおうとしたが、やはりこの寺でも書き置きしか無いとのことなので、諦めて境内を出た。
道後温泉駅と伊佐爾波神社とを結ぶ道路の中程に湯神社の入口がある。


階段を登り切ったところに、湯神社と中嶋神社が設けられていた。両神社のある小高い山は冠山と呼ばれていて、この北側に現在保存修理工事中の道後温泉本館が一望できる足湯が設けられている。
中嶋神社は四国四県の製菓業者によって、兵庫県豊岡市にある中嶋神社の御分神「田道間守命(たじまもりのみこと)」を迎え、四国分社として創建されたとのこと。湯神社は道後温泉の守り神・大国主命(おおくにぬしのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)が祀られているとのことである。

湯神社で参拝する。


湯神社の納経所は閉鎖されていたので、御朱印はもらえなかった。
空の散歩道と名付けられた遊歩道に設けられた足湯に入りながら、保存修理工事中の道後温泉本館を一望する。現在は霊の湯と又新殿、休憩室がある2階以上は休館しているが、1階で入浴することが出来る。保存修理工事の工期は令和6年12月まで(予定)とのことである。


日中は雨ときどき止む。昼間の最高気温は28℃で湿度が高く、南よりの風が吹いている。ムシムシとしていて、じっと立っているだけで汗が全身から噴き出し、水をかぶったようにTシャツを濡らした。額や首筋から汗が滴り落ちて、タオルで拭っても、後から後から滴ってくるようである。
すっかり休憩したところで、今後は道後温泉本館から少し東側にある圓満寺に向かった。この寺は阿弥陀如来が本尊の浄土宗の寺院である。周囲を墓地で埋め尽くしたような小さな寺の境内の一角には「湯の大地蔵尊」を安置したお堂がある。この白い巨大な地蔵尊は奈良時代の高名な僧・行基の作といわれているとのこと。


その後、あらためて道後温泉本館に行き、湯に入ることにした。

( 四国旅行4日目(道後温泉) に続く )

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四国旅行4日目(道後温泉)

2023年07月05日 | おでかけ



( 四国旅行4日目(道後温泉開運めぐり) から続く )

あらためて道後温泉本館に向かう。本館前には係員が立っていて、湯に入りに来た客を案内していた。


工事中の建物は狭く、靴を脱いで階段を上がったところに料金の支払窓口があり、ここで料金を支払うと、係員の指示で急な階段を降りて行く。階段下は脱衣所になっており、ここで服を脱ぐと浴室に入った。
体を洗い、湯に浸かる。浴槽の湯は深く、自分の股下くらいの深さがある。途中に腰をかけられるところに張り出しがあるが、その高さはちょうど自分の膝下くらいの高さである。湯は熱く、長湯をするような温泉ではない。一旦、中休みを挟んで、しばらく湯に浸かっていたが、体が火照ってきて湯から出た。

脱衣所で服を着ると建物の外に出る。外は蒸し暑くて、湯上がりの体から汗が噴き出すように感じられた。
道後温泉本館を後にして、今度は道後温泉別館「飛鳥の湯」に行ってみる。


この温泉と隣接する公衆浴場「椿の湯」との間には「ハダカノヒロバ」と名付けられた中庭がある。


この中庭には約230点の花の写真を設置した蜷川実花が手がける大規模なインスタレーション作品が設けられている。


この広場では、地中から湧き出る温泉を表現した噴水の演出があった。なお、噴水は午前10時から午後3時まで、中庭中央の地面から1時間おきに出るとのこと。
道後温泉別館「飛鳥の湯」では1階浴場の入浴と2階個室休憩を組み合わせたプランで入浴することにした。

このプランでは貸浴衣と貸タオル、お茶、お茶菓子が付く。夏目漱石の小説「坊ちゃん」にもこんな下りがある。
「温泉は三階の新築で上等は浴衣をかして、流しをつけて八銭で済む。その上に女が天目へ茶を載せて出す。おれはいつでも上等へ這入った。」


入口脇の窓口で料金を支払い、建物の中に入る。入口を入ってすぐ左手に受付窓口があるので、受付でチケットを見せて館内に入った。2階に上がると、正面には大広間があり、右手奥に個室休憩室が5室ある他、左手奥には特別浴室とお手洗いがある。
階段を上がりきったところで、係員に案内されて個室休憩室に向かった。「白鷺の間」「玉之石の間」「椿の間」「行宮の間」「湯桁の間」と名付けられたそれぞれの個室休憩室はそれぞれ道後温泉の伝説をテーマに装飾されている。空いている部屋の中から選べるということで、その中の1室に入室した。


部屋の広さは4畳半ほどで、中央に座卓が設けられており、座布団が置かれている。卓上には4枚のラミネートされた紙が置かれている。この内、3枚は片面印刷の紙で、それぞれ部屋の紹介と温泉の壁に映し出されるプロジェクションマッピング、2種類の菓子の紹介がされていた。
「2階個室のご利用について」とかかれた紙の裏面には「つめたいドリンクメニュー」「アメニティ販売」「飛鳥乃湯温泉 オリジナル商品」が掲載されている。


係員から説明を受けて、湯上がりにもらうお菓子を選ぶ。菓子は一六本舗道後夢菓子噺」の椿か、白鷺が選べる。


選んだ菓子は白鷺緑茶餡の饅頭である。
ひと通りの説明を受けると、さっそく風呂に入ることにした。浴衣に着替えて階段を降り、1階の大浴場に入る。大浴場には内湯の他に露天風呂がある。ゆっくりと入浴して汗を流した後、個室で冷緑茶とお菓子をもらった。

冷緑茶は天目台の上に載せられている。お菓子は皿の上に敷かれた敷紙の上に1つ載せられていて、紙おしぼりと楊枝が添えられていた。


お茶の蓋を取り、菓子を包み紙から出す。


紙おしぼりで手を拭き、冷緑茶を飲む。汗をたっぷりとかいた体に冷たい緑茶が美味しい。
楊枝を袋から取り出して、お菓子を食べる。


お菓子を半分に割ると、濃い緑色の断面が現れた。


饅頭を楽しみながら、冷茶を飲む。冷茶はお替わりすることが出来る。二杯目の冷茶を飲みながら窓の外を眺めた。室内は空調が効いていて、涼しく感じられた。
午後5時前には雨は止んだ。西の空の雲が切れてきて、青空が見えてきた。夕日が射し込んで空が明るくなっている。ムシムシとした陽気で、蒸し暑かった。

道後温泉別館「飛鳥の湯」を出た後は、道後ハイカラ通りと名付けられた道後温泉の商店街をプラプラと歩く。職場へのお土産を買い、お茶をしてホテルに戻ったのは夕方5時過ぎである。
夕食を食べて、ホテルから道後温泉の駅前に向かった。再び道後温泉本館前に行くと、建物に明かりが点いていて、少し幻想的に見える。夜になっても温泉客が絶えなかった。


別館の飛鳥の湯にも行ってみる。


もう一度温泉に浸かることにして、ホテルでもらった入浴券で入館した。熱い湯に浸かりながら、壁に映し出されたプロジェクションマッピングを見る。
映し出されたプロジェクションマッピングは山部赤人の歌をテーマに伊佐爾波の丘から望める伊予の高峰「霊峰石鎚山」に和歌の世界観を表現しているとのこと。プロジェクションマッピングを見た後に湯から上がると、浴衣を着て建物の外に出た。

外はムシムシとしていたが、デザインされた提灯が幻想的な風景を作り上げている。少し中庭を歩き回った後、商店街を抜けた。午後9時を廻って、商店街はほとんど閉店している。ビールの1本でも飲んでいきたいところだが、帰りのバスの時刻を考えると、まっすぐホテルに向かった方が良さそうである。
道後温泉駅前のからくり時計の前には誰もいなかった。昼間降った雨で路面はしっとりと濡れている。足湯に入るのもあきらめて、ホテル行きのバスに乗り込んだ。

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四国旅行3日目(大山祇神社)

2023年07月04日 | おでかけ


旅行3日目の今日は曇りときどき晴れ。今朝は5時に起床した。障子を開けて窓の外を見ると、上空には青空が広がっていて、薄い雲がたなびくように浮かんでいる。今朝の気温は21℃で湿度が高く、北よりの風が吹いている。空気がシメシメとしていて、少し蒸すような陽気である。
昨夜は疲れて泥のように寝たこともあって、今日はいくらか気分がいい。目が覚めると、朝風呂に入るため、ホテルの露天風呂に浸かって顔を洗った。目が覚めたところで、部屋に帰ってくると、今日の予定を確認する。今日はしまなみ海道の途中にある大三島に行くことにしている。ホテルの朝食を食べると、さっそく外出することにした。

ホテルから送迎のバスで道後温泉駅まで運んでもらう。


道後温泉駅の前にはからくり時計とその隣に足湯がある。


道後温泉駅から伊予鉄松山市内線に乗ってJR松山駅に到着した。ここから特急しおかぜで今治に向かう。


ちなみに特急しおかぜは特急いしづちと連結している。先頭車は特急いしづちである。


途中、宇多津駅で特急いしづちは高松に、特急しおかぜは岡山に向かうのである。
今治駅に到着したのは9時56分である。


ここで、路線バスに乗り換えて、大山祇神社に向かう。大山祇神社は瀬戸内海に浮かぶ大三島にある。今治駅から大山祇神社までは約50分ほどの行程である。
大山祇神社前のバス停で降りると、大山祇神社の境内に向かった。


日中は雲が多いながらも晴れて、雲を透かすように青空が見えている。昼間の最高気温は30℃をわずかに下回って真夏日とはならなかったものの、湿度が高く、西よりの風が吹いている。日射しが燦々と照りつけていて、かなり蒸し暑い陽気となったものの、境内は海から吹いてくる風が爽やかに思われて、清々しいほどに感じられた。
鳥居をくぐり、太鼓橋を渡ると、総門・翼舎がある。


総門をくぐると、まぶしいほどに照りつける陽光を受けて、白く光り輝いているような参道が神門に向かって延びていた。


手水舎の前に大楠が植わっている。この大楠に脇に立てられた立て札には「天然記念物『乎知命(おちのみこと)御手植の楠』」と書かれていた。説明文によれば、御島(大三島)に祖神大山積大神を祭った乎知命の御手植楠(樹齢2600年)と伝えられ、古来御神木として崇められている、とのこと。


手水舎で手指と口を清めて階段を登る。階段を登り切ったところに、神門がある。


神門をくぐると、正面に拝殿が見えた。


大山祇神社の御祭神は大山積大神である。天照大神の兄神で、天孫瓊瓊杵尊の皇妃として迎えられた木花開耶姫の父にあたる。山の神であると同時に大海原の神、渡航の神とされ、また日本民族の総氏神として、古来日本総鎮守とされている。


拝殿で参拝の後、神符授与所で御朱印をもらう。境内は静寂で、燦々と降り注ぐ日射しが肌を焦がすように熱く感じられる。日陰に入ると、風が涼しくて気持ちよい。
隣接する宝物館・海事博物館に行ってみる。


宝物館には国宝8点、重要文化財682点にも及ぶ武具類が保存展示されている。平安時代から戦国時代までの甲冑や刀剣類、鏡などが展示されていた。また海事博物館には昭和天皇の海洋生物学研究のための御採取船「葉山丸」の他、動植物の標本、鉱石類が展示されている。
大山祇神社の裏手の山には奥の院がある。大山祇神社の境内を出て、案内にしたがって300mほど歩いて行くと、「生樹の御門」と呼ばれる天然記念物の楠の巨樹がある。樹齢三千年と言われる老楠は根回り31mにも及び、真中が自然の洞をなし、奥の院参拝の通路となっている。


「生樹の御門」をくぐると、空気が変わったように感じられた。木々のパワーというか、とても清々しく、そして爽やかな一陣の風が吹いたように思われた。


奥の院(元神宮寺)は「生樹の御門」から30mほど進んだところにある。小さな堂内には阿弥陀如来が祭られているとのこと。


参拝を済ませると、再び「生樹の御門」をくぐって大山祇神社の境内に戻った。
大山祇神社を参拝した後は、島内のタクシーを呼んで、道の駅 多々羅しまなみ公園に向かった。大山祇神社道の駅 多々羅しまなみ公園は島を挟んで反対側にある。公園からは世界一の吊り橋である多々羅大橋が望めるほか、瀬戸内海の海が一望できた。


公園の展望台に昇ってみる。展望台からは大三島と多々羅大橋が見渡せる。
対岸には生口島や岩城島、伯方島があって、船が進んでいくのが見えた。


しばらく海を眺めた後は、再び今治に戻る。今治へはちょうどよい時刻のバス便がなかったので、タクシー会社に連絡して、今治まで運んでもらった。多々羅しまなみ公園からJR今治駅まではタクシーで1万円余かかった。時間は30分程度で、かなり急いでもらったようだ。今治駅からは特急で松山駅に戻った。
JR松山駅から伊予鉄松山市内線に乗って道後温泉駅に着いたのは午後6時過ぎである。


それからホテルに直行し、夕食を食べて風呂に入った。1日の汗を流すと、すっきりした気分である。

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