33cmの銀の延棒。完璧な魚体の一尾。
猛暑が続く今年の夏。水生昆虫のハッチは極端に少なくなっている。
釣れたヤマメのストマックを確認すると小さなニンフが数量しか入っていないことがある。
しかし源流のヤマメがペアリングに入っているように、確実に季節は秋に移ろいでいる。
そんな中、大型のヤマメは、栄養を蓄え産卵期に備えるため食欲は盛んになっている。
白泡の下に潜む大型ヤマメに、このグラスホッパーは強烈にアピールする力を持っている。
そして今日もグラスホッパーは、素晴らしい33cmのヤマメを引きずり出した。
もう暫くすると、ヤマメの魚体にも婚姻色が現れてくるだろう。今日の一尾に出会えたことに感謝した。
夏空の下、稲は青く伸びていた。もうすぐ涼しい風が吹き始める。
了