Box of Days

~日々の雑念をつらつらと綴るもの也~ by MIYAI

MYLON

2005年04月28日 | old diary
 MYLON。マイロンと読む。グループ名であり、先日買ったレコードのタイトルでもある(1970年発売)。スワンプ寄りのシンガーソングライターといったサウンドが実に心地よい。かかっていたレコード屋で即買いした、かなりお薦めな1枚。プロデュースはアラン・トゥーサン。

 グループの中心人物はマイロン・ルフェーブルなる人物。僕はこの人のことを全然知らなかったんだけど、これだけ内容がいいとちょっと気になるわけで。早速、ネットで検索開始。

 するとなんとまぁ、ジョージの名前が出てきてびっくりしたのだった。えっと、このマイロンさん、1973年にテン・イヤーズ・アフターのアルヴィン・リーとの連名でアルバム『On the Road to Freedom』を発表している。これって麻薬中毒だったマイロンを友人であるアルヴィンが助けようと企画したもので、錚々たる面々がレコーディングに参加している。その中にジョージもいたというわけ。しかもだ、かの名曲“So Sad”をプレゼントし、スライド・ギター、ベース、コーラスと大活躍しているというじゃないか。“So Sad”、大好きなんだよなぁ。これと“Simply Shadyのコンビは、ボブ・ディランでいうところの“Simple Twist of Fate”と“You're a Big Girl Now”の関係に等しい。『Dark Horse』のハイライトだね。このマイロンとアルヴィンのヴァージョンの方が最初に世に出たことになるんだよな。うーん、聴いてみたいな。ちなみに、12弦ギターを弾いているのはロン・ウッド。これまたダークホース的。

 さらに調べてみると、このマイロンさん、なかなか面白い人生を歩んでいた。まず、17歳のときに“Without Him”という曲を書くのだけど、この曲をメンフィスの教会で歌っていたとき、それをたまたま聴いて感動した人物が、この曲をレコーディングする。その人物こそ、なにを隠そう、かのエルヴィス・プレスリーその人であった。かくして“Without Him”は、エルヴィス初のゴスペル・アルバム『How Great Thou Art』(1966年)に収録され、それからの1年でマイロンの曲は130人近いミュージシャンによってレコーディングされることになる。若くして巨万の富がころがりこんできたマイロン。こうなりゃあとはジャンキー・ロードをひた走るっきゃないと。そういうわけござい。でも、その後、友人達の助けと、神のご加護があったのか、ゴスペル・シンガーとして成功。80年代後半にはグラミー賞までいただいちゃうのだから、ほんとに才能のある人だったんでしょうね。

 結論:すべての道はビートルズとエルヴィスに通じる。