エ・ビ・ス Eco Business Study

環境ビジネスの研究をしています。
エコロジー・ビジネス・スタディ

牛のゲップと温暖化

2008年07月07日 12時22分24秒 | エ・ビ・スの環境雑感
以前「砂漠をつくっているのは牛なのだ」という記事を書きました。
ハワード・ライマン著の『まだ、肉を食べているのですか』の紹介だったのですが、
食用としての牛は、育てるのに大量の水が要るし、
エサになる穀物も大量に要るし、
食べ過ぎると大量に脂肪がつきます。
ライマン氏の主張は「だから砂漠が増えたんだ!」というものだったんですが、
エコイストならご存知、牛のゲップも温暖化に影響を与えています。

牛のゲップ=メタンガス。
メタンは二酸化炭素の21倍の温室効果があります。
みんながレジ袋や割り箸の削減をしたって、
牛が一斉にゲップをしたら、地球の温度は上がるんです。

「また、そんな極端な話をして!」
いえいえ、偽装されていない国産牛の排出するゲップの量、
環境省によると国内の牛440万頭からげっぷとしてでてくるメタンの量は年32万3000トン。
二酸化炭素に換算すると年678万3000トンとなり、
国内の温室効果ガスの年間排出量(二酸化炭素換算)の約0.5%!!
これは無視できません。

去年アル・ゴアが来日した時、TVの番組で、
「アメリカで飼育している、牛のゲップの問題に関してどう思うか?」
という質問に対して、
「牛がメタンのゲップをしないようにするサプリメントの開発をしている」
と答えてました。
アメリカはサプリメント大国ですからね。
でもどんなサプリ?

国内でも、サプリメントの開発をしていたんですね。
研究しているのは北海道大学大学院農学研究院と出光興産の共同プロジェクト。
なんと牛のゲップのメタンを9割も減らせる素材。
「カシューナッツの殻から抽出した植物油」
「酵母菌の1種からつくるバイオサーファクタントという界面活性剤」の2種類。
どちらも同程度の効果があるそうで、
ゲップだけじゃなく、病気の予防や、飼料の利用効率も上げられるそうです。
牛のエサには病気予防のための抗生物質を混ぜたりするそうですが、
これも使わなくて済むので、より健康な牛に育つわけです。

呑んべぇのエ・ビ・スは、おつまみでナッツをよく食べます。
そういえばカシューナッツの殻はこれまで廃棄されていたんでしょう。
これが、牛のサプリになってゲップを抑える。
なんかイイ感じですね。

商品化は2011年ごろの予定だそうで、
うーん、もっと早くならないもんでしょうか・・・


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