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「理想的な海水水槽」 1.2. 知識の空白


デュプラメソッド「理想的な海水水槽」

1.2. 知識の空白


既に述べたように、海水アクアリウムの分野ではまだわかっていないことがたくさんある。例えば今日では人工海水の素から海水を作り、海草に定期的に適切な栄養素を与えることは簡単である。しかし、その栄養素の緩衝(バッファ)システムについて私たちはいったい何を知っているというのだろう。

また現代(1989年)の技術をもってすれば、自然光に近い光を花虫綱(※サンゴやイソギンチャクなどの生物)に供給するために、水槽に強力な集光照明を備えることは可能である。しかし、紫外線などの目に見えない光について私たちはどれほど理解しているだろうか。それは水槽内の個々の生物にどんな影響を与えるのか。そしてそれをどうすれば強めたり、あるいは遮ったりすることができるのだろうか?

無脊椎動物にエサとして栄養分やプランクトンなどを与えることは簡単である。しかし、水槽の中の無脊椎動物が種類ごとにどのような栄養分を必要としているか、私たちは本当にわかっているのだろうか。

現在の私たちは、残念ながら機関銃で掃射を行うしかない状態にある。つまり、あらゆる方法を水槽で試し、それがいずれかの生物に受け入れられることを望むしかないのだ。

すべてのアクアリアナーと研究者に私は呼びかける。海水水槽に最適な環境を作るための知識の空白を、どうかあなた方の知識や経験で埋めて欲しい。


 
Amphiprion ocellaris(カクレクマノミ)と孵化間近の卵




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