デュプラメソッド「理想的な淡水水槽」
2.2.3 化学的に安定した水
水草水槽における二酸化炭素(CO2)の供給と炭酸塩硬度(KH)との関係
熱帯の淡水域、とりわけ流水河川では、季節・水位・光量などの変化にかかわらず、その水質は化学的に驚くほど安定している。年間を通じ、pHや二酸化炭素含有量、炭酸塩硬度(KH)、総硬度(GH)などがほとんど変動しないのである。化学の専門家でもない限り、このような現象を理解し、また水槽内で実践することは非常に困難である。
一般的な淡水水槽において様々な種類の生物を飼育する場合に重要なのは、中性(pH7)付近のpHと十分な酸素濃度、そして最低でも3~4°dH程度の炭酸塩硬度を保つことである。これはなぜか。それはこのような条件が、水槽という限られた生態系の中で、酸性の水を好む生物とアルカリ性の水を好む生物を両方育てることができる妥協点だからである。
中性付近のpHをキープするためには様々な方法があるが、二酸化炭素の供給によって水草の活動をコントロールして行うこともできる。しかしこれには、上でも述べたが最低でも3~4°dHの炭酸塩硬度が必須条件となる。その理由、つまり二酸化炭素の供給量や供給効率になぜ炭酸塩硬度がかかわってくるのかについては後述する。水槽内の様々な要因の安定性・連続性が保たれていて、初めて水槽に適切に二酸化炭素を供給することが可能となるのである。
熱帯河川の水質は年間を通じて驚くほど変化が少ない。
これを水槽で再現するには多くの知識と経験が必要だ。
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二酸化炭素 CO2 炭酸塩硬度 KH 熱帯 水位 水質 pH 総硬度 GH
中性 pH7 酸素濃度 dH 生態系 酸性 アルカリ性
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