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「理想的な淡水水槽」 9.5.3. 水道水と天然の水の違い


デュプラメソッド「理想的な淡水水槽」

9.5.3. 水道水と天然の水の違い


水槽に使用する水道水は、様々な点で自然界の水とは異なっている。例えば水の中に含まれる有機物と無機物との比率を見てみると、それが非常に対照的な値を示すことがわかる。熱帯の河川では有機物と無機物の比率はおよそ100:1だが、水道水ではこれが1:1000となる。さらに炭素と窒素の割合は熱帯河川で10:1程度、水道水ではこれがほぼ逆の割合となる。

一方バクテリアやプランクトンの量と、分解された有機物質の量の割合は熱帯河川で1:10となるが、水槽の中ではこれが10:1、あるいはそれ以上にバクテリアの割合が高くなる。

自然の河川における有機物は、殺菌性を持つ物質を多く含む。そのため自然の河川におけるバクテリア数は水槽内と比べてわずかであり、1平方センチメートルあたりの数は16から40程度というのが一般的であると考えられている。この数に100万を掛けると、水槽内における1平方センチメートルあたりのおおよそのバクテリアの数になる。

十分なコロイド有機物を含む自然界の軟水で育った魚が、無機物の割合が極端に高い水槽に入れられると死亡してしまうという事実はよく知られている。純粋な水道水には有機物による緩衝能力がなく、魚の粘膜を傷つけてしまう。このような状態を魚は不快に感じるため食欲も落ち、細菌や単細胞の繊毛虫由来の病原菌による感染症にかかる危険性が高まる。



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