デュプラメソッド「理想的な淡水水槽」
4.2. 水槽における照明
様々な種類の水槽用照明の特徴について述べる前に、各種照明の経済性がどのようなものかを明らかにしておこう。
それぞれの照明は異なる値の光束を有し、これはルーメンという単位で表される。現在の照明器具のどのカタログを見ても、すべて光束はルーメン表示である。照明を選択する際には、このルーメンとワット値との関係を見る必要がある。そうすることでその照明の経済性を判断することができるのである。例えば3000ルーメン、40ワットの蛍光灯があったとする。ルーメンをワットで割ると、この蛍光灯の1ワットあたりのルーメン値がわかる。つまりこの蛍光灯は1ワットあたり75ルーメンの光束を有する。ここで下記の表を見ると、それぞれの照明の興味深い経済性の違いに気づくことだろう。
様々な照明の1ワットあたりのルーメン値
フィラメント電球 7ルーメン
Floura 9ルーメン
低ボルトハロゲン白熱電球 16ルーメン
混合灯 19ルーメン
フィラメント蛍光灯 36ルーメン
水銀灯(HQL) 52-55ルーメン
普通蛍光灯昼光色 55-75ルーメン
メタルハライドランプ(HQI) 74-77ルーメン
コンパクト蛍光灯 66-80ルーメン
Lumilux 93-97ルーメン
水槽の照明には非常に多くの選択肢があり、その中から経済性と光の特性を考慮して照明を選ぶことになる。さらに自分の水槽をどのように照らしたいのかということも、照明の選択において重要となる。
通常の蛍光灯は水槽を平面的に照らすことだけが可能であるが、HQI(メタルハライドランプ)などはスポット状に照らすことができる。我々は既に、平面照射による水槽全体に届く柔らかな照明を達成している。この光はさほど強いものではないので、水槽の高さは制限されることになる。50cmというのがこの場合の水槽の高さの上限となるだろう。
HQL(水銀灯)やHQIのようなスポット照射型照明を使用すると、水槽はより豊富なコントラストを与えられることになる。つまり水槽内に明るい部分と暗い部分が存在するということだ。これらの照明にはいくつかの長所がある。
a) 特定の部分では非常に強い光量に達し、これは蛍光灯では決して到達できないレベルである。また一方では魚たちの休息場所となる暗いエリアを確保している。
b) 光の強さが圧倒的に強いため、例えばHQIの場合では深さ80cmまでの水槽に使用することができる。
もちろん経済性の観点から見れば、事情はまったく異なってくる。これに関しては蛍光灯に優位を与えるべきだろう。
照明のルーメンとワットとの関係について理解できたところで、我々は理想的な水槽においては照明が水1ℓあたり少なくとも30~50ルーメンは必要であると述べたい。
理想的な照明の例として、新しいタイプの蛍光灯Dulux Lを挙げよう。これは管の直径が17.5mmしかない長さ41cmの蛍光管で、1ワットあたり80ルーメンもの光量を持つ。例えば幅150cmの水槽に6本のDulux蛍光管を取り付けると、総ワット数は6×36=216ワット、17400ルーメンもの光量を得ることができる。
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