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「理想的な淡水水槽」 6.1. ろ過の意義


デュプラメソッド「理想的な淡水水槽」

6.1. ろ過の意義


フィルター(ろ過装置)を使って水槽の水をろ過することによって、水中を浮遊する物質を吸着したり、不必要な物質を水槽の外へ排出したり、また水中に蓄積される物質を変化させる別の物質と結合させることが可能となる。

例えば、水を汚す原因となる生物の排泄物や枯れた植物の組織などは、ろ過サイクルの過程で徐々に分解され、その形を失っていく。これは、たとえ外見上水が透明であっても、フィルターの中にはバクテリアによって分解される途中の物質が残存していることを意味する。このことから、どのようなタイプの物理ろ過装置であっても、それが意外にも生物ろ過装置としても機能していることがわかる。

このろ過の過程において、多量の酸素が必要となることを明確にしておかなければならないだろう。水槽およびフィルターに適切な量の酸素を供給するためには、1時間のうちに少なくともその水槽の水量の半分がフィルターを通るような設計を行わなければならない。つまり100ℓの水量を持つ水槽であれば、1時間にフィルターに流れ込む水量は50ℓを下回ってはならない。

合成樹脂、ウール、活性炭のようなフィルターマテリアル(ろ材)は、短期での使用において効果を発揮する。つまりこれらはあらかじめ決められた能力の範囲内で様々な物質を吸着し、保持することのみが可能だ。長時間ろ過槽内で使用し続けると、その能力は失われたり、変化を起こしたりする。

現代の生物学的ろ過技術は「不要な物質の蓄積」において、依然とはまったく異なる大きな成果をあげている。例えば好気性バクテリアの能力が正しく理解され、様々な種類のものがアクアリウム用に培養されている。好気性バクテリアは水槽内の環境を理想的に調整し、信じられないほどの良い結果をもたらす。

そして今ではバクテリアだけではなく、バクテリアが活動を始めるために理想的な環境を瞬く間に作ることができる乾燥状態の酵素も使用されるようになっている。乾燥酵素とバクテリアは、現代の水槽のろ過にとって大きな役割を果たす。

ろ過システムの一部を担う水草が健康に生長するためにも、ろ過の効いた上質な水は必要不可欠である。



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