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「理想的な淡水水槽」 10.6.1. 水草の病気 3/3

デュプラメソッド「理想的な淡水水槽」

10.6.1. 水草の病気 3/3


※10.6.1. 水草の病気 2/3より続く


海洋学や水産学に関する文献内や議論の中で、近接する種の異なる水草が互いに悪い方向へ影響を及ぼし合うという意見が繰り返し登場する。そこでは憶測による敵対者、例えばクリプトコリネとヴァリスネリアなどが好んで引き合いに出される。

ここではっきり述べておくが、水草同士においてそういった直接的な影響の及ぼし合いは存在しない。だが確かにある種の植物は水の栄養素の割合を活発に変えることがあるため「競争相手」である他の植物がその影響を受け、その場所でそれ以上成長することができなくなるという現象は実際に起こる。

この現象を説明するために、水槽の中で簡単に同じ状況を再現する方法をここで示してみたいと思う。Cabomba caroliniana(カボンバ)とEgeria densa(アナカリス)は、二酸化炭素を吸収する際、まず最初に水中の遊離二酸化炭素を利用する。これを使い切ってしまった場合、アナカリスは水槽内に存在する炭酸塩の中で結合している二酸化炭素も使うことができる。

このような経過を経て、水槽内のpHが最高で9を超える値にまで上昇する、いわゆる生物による「脱石灰作用」が生じる。これはカボンバにとっては非常に不利な状況である。カボンバは7.5以上のpHでは成長が止まるからだ。このようにアナカリスはカボンバの求める水質を明らかに悪化させるため、必要な二酸化炭素を得るための争いにおいてもカボンバはアナカリスに敗れてしまう。

もちろん良好な状態の水槽ではこのような事態は起こらない。適切な二酸化炭素の添加により、二酸化炭素濃度とpHの相関関係が正常に保たれ、どちらの数値も許容範囲内に収まっているからである。このような水槽ではカボンバとアナカリスをすぐ近くに配置しても、双方ともに健康な成長を見せる。






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