ジャムシードの酒盃

drujiの責任で編集される政治・歴史など様々なことを

話題の韓昇助

2005-03-07 | 民主主義
韓昇助氏が高麗大学名誉教授職を辞任

正論に取り上げられて、日本のblogでも火が付いた様に取り上げられていますが、少し滑稽ですね。

日本の右翼は「わが意を得たり」と大喜びで、韓国批判の材料にしていますが、どうも最近の日本の学力低下は流行みたいで、『読解力』不足のようです。

この寄稿文がターゲットにしている法案をわかりやすい日本語で言えば『公文書公開法案』です。
民主化された政府が、軍事政権下での様々な国民弾圧と『軍事政権がどのような重層化された社会構造下で権力と富を独占してきたか(これが親日)』を公文書で公開するものです。

韓昇助(元)教授の『正論:何故、韓国国内でなく日本なのか?位考えるべきでしょう』への寄稿文の目的は、『公文書公開法案』で都合が悪くなった人間が『対日ロビーで日本政府を動かしたかった』だけですね。
また、日本国内にも『韓国の公文書公開法案で都合が悪くなる人』は多数居ますねぇ。

この法案が出てくる話があった頃から、日本のnetでは見当違いの批判の声は多数あったのですが、blogを見ていると、未だに、ずれていますね。たしか、昨年11月頃、安倍君が韓国に行って帰ってきた頃から、この法案が都合の悪い韓国の人たちのロビーが活発になってきています。
民主国家が民主国家として当然の行為『公文書公開』を行って、別の民主国家が『都合が悪い』ことになるなど、悪趣味な笑い話です。「別の民主国家」が本当に民主国家なら、『痛くも痒くもない』はずなのですが。

>「左派思想に立脚し、親日を無条件反民族行為と見なす人民裁判式の過去史論理を批判するため」
変な主張です。『無条件反民族行為』も何も、『ただ単に、情報公開』しているだけですが、論理のすり替えですね。『人民裁判式の過去史論理』も何も、『情報公開』されると、公開されると都合の悪いことを『軍事政権下と言う特殊な権力構造のもとで』自分はやっていました。と言っている様な物だが。

さて、日本の問題だが、『何故、韓国の軍事政権という違法政権時代の情報が公開されると、日本が困るのか?何故、安倍君が動いたのか?何故、正論が取り上げ、右翼が騒ぐのか?』
韓国の池の表面の波紋が大津波になって、日本に襲ってくるのかな?

警察裏金作りは警察組織の構造と深くつながる

2005-02-10 | 民主主義
そもそも、日本の警察は国家警察です。
アメリカなどニューヨーク市警など良く聞きますね。
民主主義国で国家警察を採用しているのは少数派です。これは民主主義の機能と関連するため、通常は自治体警察組織が住民の人権・自由・防犯・犯罪検挙にあたるのです。

日本は戦後GHQの指導のもとで自治体警察が組織されました。現在、都道府県警がその残骸です。
1952年に警察法の改正により、都道府県警のトップ本部長が住民の直接選挙で選ばれる知事の任命権からはずされ、警視庁に移ります。同様に警察署署長も警視庁からの派遣になります。
このため、自らの自治体の住民の権利保護・自由保護・防犯・犯罪捜査・犯罪者検挙の権限が住民から国家のもとに一元的に統率管理されるようになります。

当然、住民の代表として住民を保護する立場にある知事は、そのための道具としての警察組織を利用できなく、更に、その警察の運用の実態すら把握できなくなっているのです。

本来、知事は都道府県警察の本部長や警察署署長の任命権を掌握して、彼らの申告や報告に基づいて、防犯計画と再配備を行い、地域の実情に応じた運用をしなければならないのですが、情報すらないので、警察は裏金の作り放題。住民の生活の動態(生活環境の変化に伴う居住地の移動により都市部から都市周辺部の犯罪が増えているが、それに対応した警察組織の配備変更がなされていない。また、交通網の整備を利用した高度な移動手段を利用した通過方犯罪の増加)に応じた対応がなされていない。

これでは防犯機能すら満足に機能しないのです。
そのことを警視庁は気づいていないし、情報開示請求など国民の監視が強くなったから明らかになってきているのです。
更に、公安員会も各都道府県にありますが、この公安委員会の人事も基本的な部分で政府の公安委員会に牛耳られているので、機能していません。

防衛庁も同じ要因が働いています。
巨大な中央集権型の組織の弊害がこの国を蝕んでいるのです。