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野山人参 高麗人参購入の際の注意点

2007-01-16 17:51:39 | うんちく・小ネタ

やはりそうだったか!と心配していた事が起こってしまった。

最近の新聞報道で、高麗ニンジンを主原料とした健康食品の一部で、国の定める残留農薬基準を上回る農薬を検出したと報道があった。国民生活センターが高麗人参を主原料とする健康食品18銘柄と、医薬品3銘柄を対象に昨年7~11月に調査し、残留農薬について調べたところ、日本では使用が禁止されている殺虫剤のBHCや抗菌剤のキントゼンが健康食品4銘柄から検出された。医薬品3銘柄では検出されなかった。加工食品の残留農薬は0・01ppm以下と定めているが、4銘柄すべてでこれを上回り、中には5倍の0・05ppmを検出した銘柄もあったという。

 さらに、高麗人参を主原料とする健康食品、エキス、顆粒、カプセル製剤など、18商品に含まれる高麗人参の有効成分(サポニン、ジンセノサイド)量を調査したところ、含有量にばらつきがあり、全く含まない商品もあったという。
 また、同センターにはこの約5年間で高麗人参の健康被害に関する相談が100件以上もあり、皮膚発疹や血圧上昇などの副作用の相談があったという。

なぜ高麗人参の健康食品に残留農薬の問題が生じるのか?

韓国高麗人参にしても、中国産人参にしても、営利を求めるあまり、殺虫剤、栄養剤などの農薬を用いて促成栽培になる場合が多いからだ。完全天然の野山人参であれば農薬の問題は生じない。土壌汚染とは無縁の山岳地区で産出されるからだ。栽培人参は平地で、栽培人参の幼苗を山地に移栽していく移山人参は比較的海抜の高い山地で行われるが、害虫駆除剤の農薬が使用される場合も否定できない。

医薬品となる目的で輸入された人参類は厳密な残留農薬、重金属などの検査を合格したものしか日本の市場に入ってこない。この意味で医薬品としての漢方生薬はほぼ安全であると言える。

なぜ有効成分の殆ど含まれない高麗人参の健康食品が出回るのか?

 韓国、中国での行政側の製品管理の甘さが第一問題だ。現地で健康食品として認可されたものを日本に輸入する場合は輸入規制に及ぶ日本側の品質管理は無い。

 健康食品として原材料を輸入して、日本国内で健康食品を作成、販売する場合では、原材料の輸入時点で特に行政側の品質管理は殆ど無いに等しく、製造販売する企業のモラルの低下も無いわけではない。

高麗人参も生干し人参も元は同じ

高麗ニンジンを蒸し、乾燥して作った「紅参」には、補陽作用に優れ、補気作用としての強い抗がん作用があるという報告もある。6年根が最上品質と言われている。

生干し人参は蒸さないで乾燥させたものである。人参の作用が最も優れるのが純天然の野山人参であることは以前の稿で記載した。高麗人参6年ものの重量は30g以上になるが、野山人参では30g以上になるものは殆ど市場に出回らない。中国国家第一等級の名品である。

 

人参の抗腫瘍作用(抗癌作用)が人気の理由は?

実験的にマイトマイシンなどの抗がん剤の作用を増強させ、かつ、抗がん剤による白血球減少などの副作用を有意に改善する。 実験的に、異物を貪食する大食細胞を活性化するとともに、リンパ球のナチュラルキラー活性を増強する。

がん細胞を生体にとっての異物として、がん細胞を攻撃する細胞性免疫機能を、人参は活性化する。

放射線療法に伴う骨髄抑制を防止する。

抗がん剤や放射線療法と併用して人参を服用することが推奨される理由である。

癌腫瘍内の血管の内皮細胞の増殖を抑え、癌組織の血管新生を抑制することによって、癌組織を栄養不足に陥らせ癌組織の発育増殖を阻止する。

疫学調査によると、平素人参を愛飲している人達では、がんの発生率が低いといわれている。

高麗人参の購入の際の注意点

現地のお土産品には確実な品質管理が疑問なところがある。高麗人参の「須」の部分のみを束ねた「紅参須」は価格も安く、須の先端まで断裂が無いようなものは「主根」に比べて「買い得」かも知れない。

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2007_116_005

写真右: 中国産 高麗人参(紅人参)

写真左: 紅人参須

       

 現品ではない加工品(粉末、エキス剤、カプセル剤)などは低品質の高麗人参を加工した恐れがあるために購入しないほうが無難である。

野山人参はそのまま現品を購入する

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200611_17_032

写真上:長白山産 野山人参

写真下:野山参須として販売されているもの

 野山人参の須も束ねて売られている。人参は掘り出されてから、水に浸され泥を落とす作業にはいる。この段階で、須が断裂すると、人参の養分が水に流れ出て価値が極端に低下すると中国の玄人は言う。比較してみると、、

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200611_17_034

貨(野生人参)の須:断裂が無く、真珠点もはっきりしている。

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200611_17_041

須が断裂していて、成分の喪失が推定される。

野山人参は高価であるが現品の一本を吟味して買うことが望ましい。出来れば、野山人参の鑑別に長けた人物に鑑定してもらい購入するのが無難である。

上海中医薬科大学 朱教授の好意により、野山人参の「偽造の職人技」をご紹介する。

写真を見ていただきたい。一本全体としては、写真右より、人参の地下茎(芦)(ルー)は三節芦といい成熟した国家検定に合格した四、五十年以上の野山参で、上段が馬牙芦、中段が堆花芦、下段が円芦であり、ほぼ完全な芦頭を具えている。

偽造野山人参の例

 

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2007_116_002

偽造野山人参

 堆花芦、馬牙芦上から生長した不定根である?(てい)も下方左に延びている。

?とは堆花芦、馬牙芦上から生長した不定根を指す。(?芦からは?は生長しない)野山参は生長し、四品葉、五品葉と生長に伴い芦頭は長くなる。硬くてしっかりしている地下茎を支えるために、芦頭上に?が生長する。芦や人参本体を支えながら固定する重要な役割を果たしている。三節芦であり、?もあり、ここまでは立派な野山参である。  次に主根部を見てみると、

2007_116_003

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偽造野山人参 主根部と芦の人工的な接続

主根部には立派な鉄線紋があり、これも野山人参の特徴である。

しかし、円芦が貧弱で、主根の接合部分が不自然であり、人工的に埋め込まれ糊で接合されたと思われる箇所が見られる。 さらに

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偽造野山人参の主根と分枝の人口接合部

 写真中央の主根部の10時方向から左上方へ延びている分枝は、よく観察すると主根部との色調の違いや、分岐部分の紋理の不連続性から、人工的に接合されたものであると判断できる。

 このように、出来のいい栽培人参の一部を、売り物にならない野山人参の一部に相互に、人工的に接合し、一本の野山人参として高額販売している場合もある。

 人参はとても貴重な生薬であり、免疫力をアップするには最適な補気薬である。

しかし、残留農薬、粗悪品、偽造品の報道に接すると、「ここまで来てしまったのか!」と慨嘆せざるを得ない。