goo blog サービス終了のお知らせ 

おれさま箴言集

人はやはり、‘サイハテ’においてくだをまくものde㌃

167 『雷の季節の終わりに』  恒川 光太郎

2006-12-15 23:03:26 | 読書カード
<<異世界の小さな町、穏(おん)で暮らす少年・賢也。「風わいわい」という物の怪に取り憑かれている彼は、ある秘密を知ってしまったために町を追われる羽目になる。風わいわいと共に穏を出た賢也を待ち受けていたものは-?>>

★★★★★★☆☆☆☆
こんなファンタジーば読みたかったとです。
日本を舞台とした「モノノケ系」の空想物って実際どれもほとんど変わらなくて、もろ型にはまった感じのするものが少なくない気がするんだけど、この作者は「ベタ」すら上手く使いながらしっかりと独自の世界を作りあげている。

しかし相変わらずのこのセンスの良さ。空に住む物の怪の名前が「風わいわい」だなんてほんと素敵じゃありませんか。その気取らないけど詩的な文章は読んでるだけで良い気分になれます。コミックを読んでるような軽い感覚でなんの引っかかりもなくさくさくと読み進める事ができるのに読み終わった後のこの充実感ったら。。。ほんと言う事はありまっせん。