「トーナメントにおける圧倒的なハイウェイトは、早春と晩秋に作られる」
これは八郎潟に於いて、長きに渡りトーナメントに出場してきた人々の間で囁かれ続けてきた言葉である。このことはあらゆるフィールドに於いてもほぼ共通の事実ではあるが、実際に過去八郎潟で叩き出されてきた5匹で7キロオーバーと言うハイウェイが記録されたのは、殆んどが早春と晩秋に行なわれたトーナメントであった。
そして4月の第1週、4/5に行なわれた第1戦は、北東北に位置する八郎潟に於いては、天候によっては早春よりも更に早い「晩冬」といってもよいシチュエーションになってもおかしくはない時期なのだが、幸い例年よりも早い気温上昇に助けられ、何とか早春といえる状況で開催されることができたのであった。
結論から言ってしまうと、今回のトーナメントは優勝者を除くと、2位で2匹、3位から4位が1匹で、残りはノーフィッシュと言う非常に厳しい釣果となってしまった。しかし、4月の第1週に開催される事が決まった時点で、この厳しい釣果は誰もが予想をしていたことではあり、唯一のサプライズは優勝者が持ち込んだ魚のクオリティーであった。
優勝者のMr.Dさん、トガセさんコンビは、新生大橋北側のリップラップで、まだ増水前で最低水位の八郎潟のリップラップを巻物を中心に釣っていった。時期的にノーバイトの時間が長かったそうだが、時合は開始早々にやってきたという。
同一エリアで立て続けに、3匹のビッグフィッシュをクランクベイトで仕留めることに成功した。この時期での連続バイトは非常に貴重なものであるが、それを3連続で得て、しかもノーミスで捉えることができたということは、もうこの時点でこの日の優勝を決定付けたといってもよいだろう。しかも、その後に更にもう1匹ビッグフィッシュを追加できたことは、ぶっちぎりの優勝を約束されたに等しい出来事であった。
そして、多くの参加者を驚かせたのは、その4匹の総ウェイトであった。ビッグフィッシュ賞をももたらした2170グラムのスーパービッグを筆頭に4匹で6430グラム。平均すると1匹あたり1600グラムと言う超ハイウェイトであった。あえて「たられば」という仮定を使わせていただければ、これで5匹のリミットをそろえることができていたならば、8キロ越えという超スーパーウェイトが記録されていたかも知れないほどの成績である。
4月の第1週という八郎潟ではかなり早めの開催となった第1戦は、優勝者の一人舞台とも言える内容で幕を閉じた。