政府、テレビの専門家、NHKなどは、福島原発で放射線の汚染の数値が出る度に、
「直ちに健康に影響が出るレベルではない」と「冷静に対応」と言っています
なぜ、政府や専門家は「放射線障害を防止する法律や規則」に定められた限度と異なる数値を言っているのでしょうか?
法律の値は次の通り(1時間に換算)
1時間あたり(マイクロシーベルト)
一般人の目安 0.1 (1年が基準)
管理区域の設定の義務 0.6 (3ヶ月が基準)
放射線作業者(男性)限度 5.7 (1年が基準)
放射線作業者(女性)限度 1.4 (3ヶ月が基準)
「直ちに健康に影響がない」というのは、たとえば1時間に100マイクロシーベルトの被曝をしたときに、政府が言った意味は、
●1時間だけそこにいれば一般人の基準値の1/10だから、この数値だけでは健康に影響があることはない。その家に1日いれば2.4ミリシーベルトになるから基準値を超える、
●今日の午後とか明日に病気になるわけではない(時間)、
のどちらかでしょう。
すぐ影響はないという時間的な方は当然ですが、放射線の障害というのは主に遺伝子障害や白血病、甲状腺ガンなどですから、放射線をあびてからかなりの時間を要します
多くの人はその場所に住んでいるのですから、1時間あたりなどの放射線の強さはあまり意味がありません。
1時間に時間を掛けると、約42日間で7.2ミリシーベルトですから、かなりの放射線をあびることになります。
「直ちに健康に影響がない」のは確かです
1時間だけあびても、また今日の午後、気分が悪くなるのではないからです。
1時間だけあびるなら10マイクロシーベルトですから、一般人の1ミリシーベルトの1/100になります
確かに「直ちに」健康には影響がありません。
法律にもそっています。
もし将来に健康障害が出たら、政府、東電は「私は「直ちに」と言ったのですよ」といえば良いようになっています。
「放射線が1時間あたりとも言っていますし、勿論、法律も知っていますよ
あなたは「直ちに」という日本語が分からないのですか」と言われれば反論もできません。
つまり、「直ちに・・・」というのは「そこで生活していたら」というのとは日本語が違うのです.
「冷静に対応」、「決してパニックにならないように」というのもなかなか意味深長です.
10マイクロシーベルトと聞けば、国民は、
「直ちには健康に影響がないが、10日、そこにいると規制値を大きく超えるので、私の家族は待避が必要だ」
というのは実に「冷静な対応」です。パニックでもありません。
この人が20日間、家にいて家族に健康の障害が出たときに、
「あのときに「冷静に対応」と言ったじゃないか!」
と怒鳴り込むと、官僚は落ち着いて、
「ええ、冷静に対応するというのは、放射線の量をお考えになって規制値を超えるまでに移動することですよ」
と言われてしまいます.
官僚とはそういうものです。
このように考えると、
「規制値を自分で計算して、法律の値にもとづいて考えた方がよい」
「直ちに」の後、CTスキャンのような例を出して、法律の規制値を言わなかったり、法律の規制値は「目安であって、健康とは関係がない」と言ってみたりするので
混乱はしてしまいます。
しかも、それを言っているのは官僚ではなく、官房長官だったり、テレビの専門家だったりします。
もう少し誠意のある、わかりやすい表現を使って欲しいものです。
放射線の単位では、マイクロシーベルト(μSv)というものも使われます。
これは、1000分の1ミリシーベルト(mSv)のことです。
1(Sv)=1,000(mSv)=1,000,000(μSv)