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新会社法のウラ技か?三角合併の類似行為に思う

2006-08-04 | 会計・株式・財務
いやぁ、暑くなりました東京も。
ぬいぐるみ体型の私にとって試練の夏本番です。


で、本日のネタですが、
企業会計9月号p.113の「三角波」という何気ないコラムからご紹介。

専門用語が多いですが、結論としては、
実は「三角合併の類似行為」が現在でも可能である!という、
いわば新会社法のウラ技のようなお話。

以下、ポイントをご紹介。実物もご覧下さいね。

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■三角合併とは?

合併の対価として被合併法人の株主に対して、
合併法人の「親会社」の株式のみが交付される合併のこと。

合併等の対価を「金銭等」と規定することによって、
およそ財産的価値のあるものであれば何でも良いこととされた。

三角合併が解禁されると外資企業による日本企業の買収が行い易くなること等から、
会社法上の解禁日は来年の5月まで先送りされている。


■三角合併の類似行為って、具体的には?

 ~全部取得条項付種類株式の活用~

定款の変更により、被合併法人あるいは株式交換完全子法人(以下、被合併法人等)の
既存株主の保有する被合併法人等の株式を「全部取得条項付種類株式」に転換する。

そして当該全部取得条項付株式の「取得条項を発動」させると、取得の対価として
現金や別の法人の株式を交付することが可能である。

 (例) 全部取得条項付種類株式をそれを発行する会社が取得すると同時に、
     その取得した自己株式の引受人を募集し、当該引受人が出資した財産を
     「取得対価」として当該会社の株主に交付する。
     
     この一連の行為を通じて、株式交換を行ったのと同様の効果が得られる
     うえに、株式交換の場合に必要とされる債権者保護手続きも不要であると。


■類似行為はまだ有ります!

  ~合併類似分割型分割の活用~

 吸収型再編(吸収合併、株式交換、吸収分割)のうち、再編の対価によって株主総会
 の決議要件が、「特別決議」、「特殊決議」、「総株主の同意」の三段階に区分される
 のは、吸収合併と株式交換のケース。

 吸収分割においては、対価がいかなる場合でも「特別決議」でOK。
(理由:従来の分割型分割の概念が無くなり、分社型分割と剰余金の配当という形に
    整理されたことから、分割法人の株主が分割の対価を直接取得することが
    観念されなくなったため。(←うーん、難しい))

 分割法人の事業を全部移転し、分割後、分割法人が解散を行うような分割を行えば、
 実質的には、合併を行っているのと同様の結果となる。

 しかも、分割法人に交付される分割承継法人の親会社の株式あるいは金銭といったもの
 は、剰余金の配当に過ぎないため、株主総会の決議要件は過重されることは無いと。

 分割の対価柔軟化も合併等の対価の柔軟化の一環として、施行が1年延期されているが、
 施行後は合併に代わる手法として利用されうると。

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(コメント)
文章ばかりかつ専門用語も多く、難しく見えるかも知れませんが、
スキーム図を自分で書いてみると理解が進むと思います。

しかしこういう抜け道(語弊がありますけど)をサッと見つけ出す能力。
見習いたいものです。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2006-08-05 21:55:30
中央青山監査法人がみすず監査法人に名前変えちゃうそうです。

中身も変わることを期待しますね。。。
返信する
よりによって・・・・ (dancing-ufo)
2006-08-05 23:09:02




みすず

 ↓

ミスズ

 ↓

ミスの複数形

 ↓

とんでもない失敗をしでかしそうな・・・・



どうせ変えるなら、

もうちょっと・・・ね・・・・。







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