◆「財務アナリストの雑感」 2024◆

会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

「株式市場の声」は業者の声

2008-03-03 | 会計・株式・財務
久々に株式ネタを。
と言っても、こんな環境下で個別銘柄の話をしてもしょうがいないので、相場全体に関するある論考をご紹介。

月刊企業会計4月号 p.83~84末村日経特別編集委員
「成長至上主義改革論の底の浅さ」。
末村委員の論考はソフトバンク関連で一度このブログでもご紹介したことがあります(06年11月)が切れ味があって共感持てる論者です。

オピニオンショッピングとのご批判もありましょうが、私の声を代弁してくれておりますので以下、気に入った箇所をご紹介。

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○株式市場には「福田政権の改革姿勢の後退」
「買収防衛を是とする市場音痴の裁判所の不定見」
「ねじれ国会と政局本位の政治」などの怨嗟の声が満ちているが、
PER15倍、利回り2%の日本株の株価評価はほぼ適正だ。
昨年来の円高を勘案すれば、ドルベースの日本株の下落率が
とりわけ大きいわけでもない。

「敵対的買収を阻む閉鎖性が外国人投資家を落胆させ日本を見限らせている」
などというのは「もっと儲けさせろ」という業者の要求以外の何者でもない。

そんな声を真に受ける必要があるのか。



○証券化などの手数料で空前の高収益を上げた欧米の金融機関を引き合いに、
不良債権は処理したものの、薄利多売の従来型商売から抜け切れない
日本の金融機関に浴びせられる罵声は聞き飽きた。

サブプライムローン問題が火を噴いた当初は「日本の金融機関の損失が少ないのは
臆病でリスクを取らないから」と難癖を付け、それなりの損失が明らかになると
「毒饅頭を組成して売ったのならまだしも、投資家として買っただけなら情けない」
とトーンを変えた。

その後、欧米の金融機関は怪しげな商品を投資家に売りつけただけでなく、
在庫のほか自身の投資を抱えて七転八倒しているのを見て、彼らは何というのだろうか。

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(抜粋おわり)

・・・・・・・末村氏は
「日本の構造改革に終りは無いが、その中身は「上げ潮」論者の言う
成長至上主義の欧米追随のモノマネ改革でなく、
足元の財政・金融・為替政策を総点検して地に足のついた議論を始めるべき。」
と結んでおります。



「欧米が正しい」と安易に流れてしまう風潮にピリオドを打つべきなのでしょう。
「会計基準」も実は「欧米が正しいから日本も合わせろ」ってことになっておりますが、これも危険かも。でも、こちらの流れはいかんともし難いですね。



とにかく,株はそれなりに下がりました。
日本株も「足元」を丹念に見ていけば、長期投資向きの銘柄、
結構あるのではないでしょうか。

私なら財務内容の良い会社で高配当利回り(今だけかも知れませんが)で
投資してみたいですね。

おカネがあれば・・ですが・・・。



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