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「益出し決算 企業ランキング」に思う

2006-05-30 | 会計・株式・財務
いつも冴えない記事ばかりですいません。

3月決算発表が概ね出揃ったこともあり、
最近、ランキング物のご紹介ばかりですが、
本日は日経金融新聞「スクランブル」欄から。

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■「税引前当期純利益-特別利益<0」となる企業のランキング
 
【背景と問題意識】

・日本の企業決算の1つの特徴として挙げられるのが「益出し決算」。
 巨額の特別損失を計上する一方、特別利益を計上して相殺する決算手法。
 企業側は最終利益が巨額の赤字だと経営責任を問われかねない、といった事情
 などもあり、最終黒字にこだわる傾向があるため。

・しかし、この手法が使われると、損益計算書で最も大切な「最終利益」が企業
 の実力を示さなくなることが問題。
 1株当たり利益を恣意的に作ることができるならば、適正な株価形成は困難
 になる、と。


【ランキング(マイナス幅の大きい順)】  単位は億円。

カッコ内は担当監査法人でして、私が調べて記入しました。

①9984 ソフトバンク  ▲690 (中央青山)
②5901 東洋製缶    ▲311 (双研社)
③1820 西松建設    ▲237  (芹沢)
④7013 石川島     ▲173  (新日本)
⑤4631 大日本インキ  ▲162  (トーマツ)
⑥5453 東洋鋼鈑     ▲60  (双研社)
⑦5602 栗本鉄工所    ▲53  (ナニワ)

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(コメント)

①私のほうで担当監査法人を挙げてみましたが、うーん、中央青山、そして
 ビッグ4以外が多いですね。
 先日の「監査法人ランキング」を裏付けているような・・・
 (あくまで結果論ですけどね)。
 やっぱり、ちょっと甘いのかもしれませんね。


②「スクランブル」でも言及しておりますが、「益出し決算」は含み益があって
 こそ成り立つ。しかし、年初騰落率が日経平均を下回っている企業が多いとの
 ことで、含み益を吐き出してまで最終黒字を確保したことを評価する投資家は
 少ないようです。

 特別損失と特別利益を相殺する決算方針。確かに透明性に欠けますし時代遅れ
 の感も。今後、よりネガティブに見られていくのかもしれませんね。


③で、めでたくランキング1位のソフトバンク。
 まだ方針が出ていないようですが、引き続き中央青山との契約を継続していく
 のでしょうかねぇ?
 
 っていうか、あずさ監査法人など比較的厳しい先に変更できるのでしょうか?。
 大盤振る舞いしてくれましたからねー。H18/3期決算は。
 (あくまで個人的意見ですけどね)。

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