◆「財務アナリストの雑感」 2024◆

会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

公認会計士+AI+ブロックチェーン=?? 

2017-01-05 | 会計・株式・財務
大変ご無沙汰しております。
何とか生きながらえております。
本年もよろしくお願いします。

新年で気分一心、発作的に記事を投稿してまいります。


さて、多くの方にとって仕事始めとなった4日。
日経1面のコラム「春秋」で出鼻をくじかれた会計士先生方は多かったのではないでしょうか?
(私もいきなりコケました)

以下、抜粋してみますと・・・・。
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会計士は(中略)資本主義の発展に少なからぬ貢献をしてきたといえよう。ところが今、この専門的な職業の存続を危ぶむ声があがっている。人工知能(AI)に不正会計の事例を学習させることで、すばやく虚偽を見抜けるようになってきたからだ。

(中略)

帳簿の点検がAIに置き換わり始めたとき、会計士はどうしたらいいか。「決算をもとに経営者との議論を深め、業績改善策の助言に力を入れる」。ある会計士は提供するサービスの付加価値を高めるという。産業構造の変革期は廃れる仕事がある半面、伸びる仕事も出てくる。AI革命の今、そのただ中に入ったようだ。


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要するに、会計士の仕事はAIにとって変わってしまうよという警告。
既に色々なメディアで紹介されている話でもあり、決して目新しい話ではないのですが、
新春早々で狙い撃ちとなると、ちょっと凹みますよね。

しかし、これだけじゃないんですよね。
私が正月に読んでいたこの本では、さらなる「追い打ち」がありました。

ブロックチェーン・レボリューション ――ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか
ドン・タプスコット,アレックス・タプスコット
ダイヤモンド社


この本のP.93以降でブロックチェーンの視点から会計業務の将来像を展望しておりますが、なかなか刺激的な内容です。
たとえばこんな感じ。詳細は現物でご確認下さい。

・会計士というのはキノコのようですね。暗くてじめじめしたところに閉じ込められている。

・現代の会計の問題点は4つある。
 (1)帳簿の管理が企業の経営者に任されている(常に誠実な行動をするとは限らない)
 (2)ヒューマンエラーを防げない
 (3)抜け道が多すぎる(不正を隠そうと思えばどこにでも隠せる)
 (4)時代おくれである(たとえば、大半の会計ソフトウエアはマイクロペイメントに対応していない)  

・(不正を一掃したいのであれば)複式簿記ではなく、ブロックチェーンを追加して「三式簿記」にしたらどうか。
 取引をするたびにタイムスタンプ付きでブロックチェーンに記録する。
 それを株主や会計士がいつでも見られるように公開しておけば、効率的に情報を検索したりチェックしたりできる。
 数字をごまかすことは不可能だし、ボタン一つでリアルタイムの財務諸表が見られるようになる。
 ブロックチェーンの中に監査が組み込まれることになるので、会計事務所に頼る必要もなくなるとの見方も。
 デロイトの担当者も「監査がブロックチェーンであっと言う間に処理されるようになったら、我々のビジネスモデルはひっくり返る」と。


AIだけでなく、ブロックチェーンによる「三式簿記」が本当に普及したら、会計士の存在意義がますます低下することになるでしょう。
すぐにどうこうなるとは思いませんが、今のうちから何らかの覚悟と準備が必要かもしれませんね。

また、いきます。

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