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会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

告発本「セブンイレブンの正体」に思う

2008-12-16 | 会計・株式・財務

お疲れさまです。



さて本日、私の頼れる同僚ハカセ君ことY氏から
「UFOさん、こんな情報がありましたよ」と教えてくれたのが、コレ。


東京アウトローズWEB速報版 08年12月12日 
大手取次トーハンが告発本『セブン-イレブンの正体』を前代未聞の配本拒否



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<ポイント>

・「セブン・イレブン・ジャパン」を告発する単行本『セブン-イレブンの正体』
 が11月に発売されたのだが、大手取次会社「トーハン」がこの本の配本を拒否
 するという事態が発生したとのこと。

・セブン・イレブン・ジャパンの実質的創業者である鈴木敏文・代表取締役会長
 兼CEOは、トーハンの取締役副会長も務めているため。

・トーハン側の担当者は、「委託配本するということは、トーハン取締役
 (鈴木氏)の不利益になるような商品を積極的に販売することになり、
 そのようなことはできない」と。
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その告発本がコレ。



セブン‐イレブンの正体
古川 琢也,金曜日取材班
金曜日

このアイテムの詳細を見る


・・・・・そこまで売りたくない本とは一体どんな本なのか。
好奇心旺盛な私は、さっそく目ぼしい書店に当たってみました。



確かに、私が良く行く丸善丸ノ内店には無い・・・・。
トーハンが取り扱わないとすると主だった書店にはなさそう・・・・・・。



で、四方八方手を尽くしてなんとか入手。
ブログのネタにする以上、現物をしっかり確認しないとね。



123ページと薄手の本で、これで1,200円は少々高い印象。
しかし中身は、セブンへの怨念が充満していて、重い!



まず、本の「帯」が泣かせる。
白地に「まるで、カニコー。」とだけある。
カニコー、そう、蟹工船のことである。


内容は、
①廃棄ロス
②加盟店からのピンハネ疑惑
といった二大会計問題が柱。

この問題については、拙稿でも何度か断片的にとりあげておりまして、
詳細については、そちらをご参照ください。

廃棄ロスに関しては、
06年2月25日 コンビニ業界、「1円廃棄」の衝撃

加盟店ピンハネ疑惑に関しては、
08年5月2日 「セブンの暗部に司直の手?でもセブンの幹部は「いい気分」。」


この他、
 ・「おでん」の裏側、
 ・ オーナー監視、
 ・商品配送ドライバーの悲哀、
 ・メディアへの影響力
などなど、私にとっては特段サプライズのある内容ではありませんが、
コンビニに関わる影の部分がコンパクトに一冊にまとまっておりまして、
ことコンビニ問題を学ぶ「初心者」の方にとって好適ではないかと思います。


しかも、トーハンが配本拒否した、という事実そのものも重い。


読まれると困るものが入っている≒内容に一定の信ぴょう性がある、
ということを自ら言っているようなもの。
いわば「不都合な真実」。


そんな本ですから中々一般のお店で入手するのは困難。
何とガードの堅い会社なのでしょうか。






・・・・・・・・と思ってネットで検索していた私は、

思わず椅子から転げ落ちました。



このページを見つけてしまったからです。

  ↓ ↓ ↓

「衝撃のページ」





トーハンが風評リスクまで負って守ろうとしたものは一体何だったのか・・・・・。




燈台もと暗し。



本の流通革命の成果なのかも知れません。



なーんだ、結局のところ、自分の店で売りたかっただけかい?

しかも売れ筋で64位というのが笑える。

オーナーさんたちもこぞって購入しているんですかね?




追記:このほか、イトーヨーカ堂のSCアリオ札幌に
   入っている丸善でも在庫、ありましたけどね。 


なかのひと


+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
                 
  なお、今回から「こいつら」を文末に登場させることにしました。
    意味?察して下さいね。                 
                            
                           
                           

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7 コメント

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よくわからんのですが (Listlessness)
2008-12-16 09:36:47
「配本拒否」の中身がよくわからんのでかなりの憶測を含むコメントになりますが、リンク先の記事のトーハン担当者の言葉からすると「委託配本」はできないということのようなので、「買切だろーがなんだろーがこの本だけは絶対取り扱わねぇ!」というわけではなさそうです。
なので、トーハンとしか取引のない書店であっても、客が「この本を取り寄せてくれ」って注文すれば普通に買える可能性はたかいと思いますよ。
客注なら買えるという状態であれば、ネット書店で買えるのは(それがセブンアンドワイであろうと何だろうと)特に不思議はないと思います。基本的にネット書店は客の注文がない本の在庫は持たない商売ですから、出版社や取次ぎから見るとネット書店は巨大な客注の束みたいなもんなんです。
というわけで、「そんな本ですから中々一般のお店で入手するのは困難。」というのはちょっと違うかな。たしかに「(トーハン帳合の)お店の棚で見かける」のは困難かもしれないけれども、そんなお店でも店員さんに取り寄せてくれって注文すれば買えます。多分。たぶんね。「委託配本*は*しない」だけっていう前提(憶測)が正しければね。
絶版や在庫切れでない限り、すべての本をどの書店でも買えるっていうのが日本の出版流通のいい所です。まぁ、このメリットを維持するにはある種の非効率やら不合理やらが残るって問題はありますけど。
委託とか買い切りとか客注などの用語についてはhttp://www.booknet.co.jp/yougosyu/yougosyu.htmあたりをどうぞ。
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ネットで買えず (blue)
2008-12-16 11:13:05
こんにちは
発売当初にネット書店で注文しましたが、この本は入荷なしで注文キャンセルになりました。のでまだ入手してないのですが。
再度注文したのですが、入荷するかどうか。

表示では メーカー(取引先)に "在庫確認" と。
 
返信する
読みたくなりました (slushfund)
2008-12-16 13:17:17
はじめまして
このblog でこの本の存在を知りました。
読んでみようと思います。
これをきっかけにベストセラーになりそうな予感。
コンビニは注目度があがりそうですね。
返信する
すばらしすぎる!(爆笑) (道草)
2008-12-16 21:36:07
もう、コメント不要でしょう。今年一番の面白い記事でございました。
返信する
有難うございます (dancing-ufo)
2008-12-18 00:56:16



おかげさまで16日、IP数3,000名様を初めて突破しました。
gooブログ24位、
同日の記事ランキングではなんと7位。

山崎元さん(4位)、池田信夫さん(5位)、ぐっちーさん(6位)と、
gooが誇るビジネス系超有名ブロガーに続いてのランクイン
でして思いっきり達成感を感じた次第。


ありがとうございました。


ということで、
自分へのご褒美としまして
モチベーションが回復するまで
ちょっと休ませて下さい。


毎日、働きながらの深夜のネタ更新は、
まさにカニコー状態でしたからね。


しばしお待ちを。




返信する
Unknown (Unknown)
2009-01-20 14:27:51
「金曜日」の本ですか
あそこは委託はなくて買切のみ(=返本不可)だったはずなので、普通の書店では敬遠されてしまいますね
取り寄せることはできると思いますが、店頭で注文した場合2~3週間かかる&前金を要求されると思います

そういえばセブン&ワイに書籍や雑誌を卸しているのはトーハンじゃなかったかなぁ(笑)
返信する
もうご存知かもしれませんが (Unknown)
2009-04-22 19:53:55
当初はコンビニ取り扱いはなかったですよ、入庫未定となっていました。 コンビニオーナーからの要望や、その後のやりとりでコチラがさきに解禁になった記憶があります。 っというのも、発売前から注目しておりましたので…

ライター・古川さんのブログはこんな感じです。
http://pagezero.exblog.jp/9186488/
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