題詠blog2007

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036:湯

2006-12-27 | 031-040の歌
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036:湯 (ねこちぐら)
浸かり居しは煮え湯かそれともぬるま湯かいずれ身に沁む心地の悪さ

036:湯(zoe) (すりきれ)
カタカタと牛乳瓶が揺れだした水が湯に変わっただけなのに

036:湯(西中眞二郎) (しなやかに、したたかに、無責任に・・・西中眞二郎雑記帳)
幼な子にあれど仕種のなまめきて父と来し子が湯船に遊ぶ

036:湯(智理北杜) (智理北杜)
酒飲みの粋な姿に憧れた 父は夜更けに湯漬けをさらり...

036:湯(船坂圭之介) (kei's anex room)
浴槽の底よりあがる湯のごとき瞋恚を怺へつつ身沈ます

036:湯(柴やん) (明日はきっといいことがある)
湯に浸かり一日の疲れ癒しおり湯上りの牛乳ちょうど冷えてる

036:湯(みずき) (空)
真青なる彼の日の泡(あぶく)馥郁と今日のいで湯にしたたりて消ゆ

036:湯(はこべ) (梅の咲くころから)
湯を沸かし茶を点てておる雨の午後静かに過ぎるひとりの充実

036:湯(ふしょー) (DEATH IS A LONELY BUSINESS)
湯中りに効く膝枕いつまでも逆上せていたい君と温泉

036:湯(五七調アトリエ雅亭) (題詠専用ブログ)
露天風呂湯の香硫黄の温泉にリュウマチ治療効果抜群

036:湯(畠山拓郎) (想いまっすぐに)
嫌なこと洗い流して湯につかり生きていること少しうれしい

036:湯(稚春) (青いキリンの番外編)
ぬるま湯に浸る幸せ上でなく下でもないなら何でもいいの

036:湯(此花壱悟) (此花帖)
起き抜けの春の湯船でしゅらしゅしゅしゅその後のことは知らんぷいぷい

036:湯(髭彦) (雪の朝ぼくは突然歌いたくなった)
いつかまた蛇口ひねらば湯の出づるくらしの終る日の来たらむか

036:湯 行方祐美 (やまとことのは)
熱湯のごとき悲しみ抱く夜ことばの坩堝割ってはならず

036:湯(坂本樹) (ひこうき雲)
いつか見たひこうき雲もやさしさもぼくはゆっくりお湯にとかして

036:湯(オガワ瑠璃) (ことばの調理 ~ レシピ100 ~)
茹でこぼす熱い蒸気に包まれて掛けるめがねがたちまち曇る

036:湯(オガワ瑠璃)(再投稿) (ことばの調理 ~ レシピ100 ~)
茹でこぼす熱い湯気に包まれて掛けるめがねがたちまち曇る

036:湯 (新井蜜) (暗黒星雲)
湯豆腐に入れるとうふをてのひらにのせて切るのがこわいとっても

036:湯(春畑 茜) (アールグレイ日和)
薬湯のすべては喉をとほりたり春さびさびと匂へるままに

036:湯(本田鈴雨) (鈴雨日記)
渋滞にプレートナンバー「ゆ」のありて湯につかりいるここちを想う

036:湯(はな) (はなことば)
昼下がり一人紅茶の湯気ゆらり君はコーヒー好きなんだよね

036:湯(駒沢直) (題詠blog2007参加用。)
温めたカップの湯気が君という生き方なんだと朝は思える

036:湯(惠無) (なんでもない一日)
潰れかけた想いが言葉にならなくて湯気の向こうをじっと見ている

036:湯 (治視) (cherish!)
カフェオレをお湯に溶かして マシュマロを浮かべてなくなるのを見ている

036:湯(新津康) (NOTHING WORKS)
たった一人のための湯船。吹雪の日に銭湯に入る贅沢。...

036:湯(よさ) (やわらかい螺旋)
湯に浸かり他の誰かの体温を思い出さない努力してみる

036:湯(フィジー) (逢えなくてもI Love You)
疲れ取る湯船に浸かり振り返る今日一日は何色だろう

036:湯(原田 町) (カトレア日記)
大祖母のブリキ製なる湯湯婆を取り出し使ふ眠れぬ夜は

036:湯(小春川英夫) (さるさるパパ)
花びらがじゅうたんになる公園は銭湯の煙突の近く

036:湯(暮夜 宴) (青い蝶)
吐き出した思いをそっと啄ばんでくれるアヒルと湯舟にふたり

036:湯(蓮野 唯) (万象の奇夜)
朝焼けに馬体の影が浮かび上がり湯気立つ汗が後光のよう

036:湯(ドール) (花物語?)
熱湯を注がれ音をたて割れてしまったワイングラスのように

036:湯(yuko) (tankaの森)
お茶よりも白湯がいいのと言う母の艱難多き一生(ひとよ)を想う

036:湯(川内青泉) (青泉の部屋)
耳おさえ片手にのせて湯に入れる隣の祖母の離れ業だよ

036:湯(野州) (易熱易冷~題詠blog編)
湯たんぽの似てゐしものを思ひをりたんぽぽ狡く綿毛飛ばしぬ

036:湯(帯一鐘信) (シンガー短歌ライター)
 激流を沸かしたお湯で喉元の火傷の跡を知らしめる声

036:湯(野樹かずみ) (告げ忘れたこと)
てのひらで子どもは湯ぶねの湯をたたく外の雨はげしくなれば激しく

036:湯(磯野カヅオ) (その時の主人公の気持ちを三十一文字で述べよ。)
ぎこちない関係のまま湯に沈みあんかけ風の入浴剤と

036:湯(田崎うに) (楽し気に落ちてゆく雪)
真夜中にカバはほんのり湯気を立て川面に映る月をみている

036:湯(白辺いづみ) (Iduming☆World)
梅の湯の煙突登り棒にして虹の世界へ行けないだろうか

036:湯(ダンディー) (旅を愛する男)
「て」か「を」かのひとつの文字に戸惑いて時を忘れて長湯をしたり

036:湯(香-キョウ-) (Sky on Blue)
食卓に並ぶ料理の湯気見れば 何故か安らぐ母の愛情

36.湯(文月万里) (Kagerou つれづれ)
白濁の湯に首浮かべをるわれら不義密通の罪びとのごと

036:湯(新野みどり) (明日は明日の風が吹く)
熱い湯を注いでコーヒー淹れる朝もう過去ばかり振り返らない

036:湯(富田林薫) (カツオくんは永遠の小学生。)
ぬるま湯にしずめたからだいつまでもいつからかそのままでわたしは

036:湯(青野ことり) (こ と り の ( 目 ))
傷ついた羽をやすめて眠るならぬるま湯ほどのぬくもりの胸

036:湯(小早川忠義) (ただよし)
「ぬるま湯」は血潮と同じ温度なり平凡のうちに潜む衝動

036:湯(こはく) (プラシーボ)
ベストでもベターでもない回答をこばむ決意で湯が冷めてゆく

036:湯(野良ゆうき) (野良犬的)
適温のお湯で溶かしてドロドロのこの世の虚実を飲み込んでみる

036:湯 (すずめ) (すずめの詩)
税金を湯水の如く票田に撒いてうそぶく国民の為

036:湯 (紫月雲) (resume 1970-2007)
しんしんと伝わりてくる骨肉の祈り溶けたるワコルダーの湯

036:湯(天国ななお) (お月様は許さない)
元栓をひねらなければ永遠に湯沸かし器からチチチチチチチ

036:湯(五十嵐きよみ) (99本の薔薇の花束)
 十代はすでに遠くてバスタブの湯を抜くときのかすかな悲鳴

036:湯(夏実麦太朗) (麦太朗の鍛高短歌4)
焼酎を注いだ後に湯を注ぐ逆の手順は考えにくい

036:湯 (佐原 岬) (memo)
湯の中に潜ってとけてしまいたい浴槽だけど棺桶がわり

036:湯(橘 こよみ) (aglio-e-olio)
UFOに注ぐ熱湯清いまま流されるなど許さぬ土曜

036:湯(中村成志) (はいほー通信 短歌編)
残り湯のあるかなきかの白濁にあの人を見て栓を引き抜く

036:湯(nnote) (題詠blog2007,nnote)
ゆるゆると溶け出す思いぬるま湯の中ならきっと泣けるんだろう

036:湯(百田きりん) (きりんメモ)
これからも涙がお湯であることを発見しつづけるつもりです

036:湯(Yosh) (☆生短歌☆)
病気では豪華な食事はできませぬ 重湯一杯 一日の糧

036:湯(本田あや) (明晃晃)
猫舌な私はぬるま湯な君の隣で明日も退屈したい

036:湯(稲荷辺長太) (マシンガンスキップ アドリブマニュアル)
押すなよと三回唱えて飛び込んだ熱湯はじけて神呼ぶ儀式

036:湯(稲荷辺長太) (マシンガンスキップ アドリブマニュアル)
押すなよと三回唱えて飛び込んだ熱湯はじけて神呼ぶ儀式

036:湯(ぱぴこ) (テクテク)
悲しみを湯せんにかけて泡立てるあなたを責めて泣けばよかった

036:湯(みゆ) (*** はなたんか ***)
足湯にて温(ぬく)めた身体ぽかぽかと 一輪草でいいと思う日

036:湯(夏瀬佐知子) (夏瀬佐知子の小説のつもり日記)
冷え性のわたしはいつも白湯を飲むさゆさゆさゆとゆっくりと皮下(ひか)

036:湯(星桔梗) (風船がわれるまで 2)
湯冷めする程の速度であなたへの愛が彷徨いはじめる月夜

036:湯(素人屋) (素人屋雑貨店)
湯のみ二つ新茶が香る 笑ってよ今日も明日も笑っていたいよ

036:湯 (遠藤しなもん) (忘れちゃった。)
湯かげんを問う口ぶりで話す君に意地を張るのもバカらしくなる

036:湯(ワンコ山田) (歩道を走る自転車のこども)
向日葵を浴びて湯になれひなた水ビニールプールは乱反射して

036:湯(きじとら猫) (きじとら小部屋)
熱の夜にあなたが降らすやさしさは葛根湯の一袋分

036:湯(aruka) (外灯都市)
湯気に似たまなざしをしたバレリーナ夜のサーカス・テントでひとり

036:湯(振戸りく) (夢のまた夢)
いまどきの中高生はパケットを湯水のように使うのですね

036:湯(愛観) (◆◇ひ と ひ ら こ と ば ◇◆ ~題詠100首と短歌詩~)
簡単に崩れるボクラ湯の底できちんきちんと並ぶ真四角

036:湯(佐原みつる) (あるいは歌をうたうのだろう)
電気ポットではなく薬缶に湯を沸かすこんな報せを受けた夜には

036:湯(川瀬菜穂) (あしたのわたしは)
後ろから抱きかかえられお湯の中そのまま溶けて一つになろう

036:湯(花夢) (花夢)
ポケットの隕石が大声で泣くからお風呂のお湯でふやかす

036:湯(葉子) (三十一文字の声)
物足りぬくらい意外と味わいが噛めば噛むほどぬるま湯男

036:湯(ひわ) (十三夜)
ぬるま湯に耳まで浸かるこの日々が繭であるとも思えずにいる

036:湯(萌香) (空の青さをみつめていても)
ぬるま湯に包まれながら人肌の記憶に揺れる三日月の夜

036:湯(つきしろ) (あめふりぼし)
両の目が赤くなるほど寂しくて、沸かしすぎてるお湯がうるさい

036:湯(おとくにすぎな) (すぎな野原をあるいてゆけば)
スキナベーブ溶かしたお湯にひるがえる熱のある日の一反もめん

036:湯(みなと琳) (奇会都市)
「いい湯だな」「のぼせるなよ。奴は突然やってくる」古きよき日本の伝統

036:湯(黄菜子) (月待ち人の窓辺)
湯にひらく花茶のあわき黄金に黙し疲れしくちびるを寄す

036:湯(あみー) (正直なたましい)
ちはやぶる湯浅弁護士 全身できょうも地球のねじを巻いてる

036:湯(寺田 ゆたか) ( “たまゆらのいのち”)
湯ぶねにておならをしたと叱られてうなだれてゐし小さきちんちん

036:湯(橘みちよ) (夜間飛行)
とほつ世は獣も人もひとつ湯に入りて癒えしかこの山の秘湯

036:湯(カー・イーブン) (ほぼ31音)
恋なんてペットボトルに詰められた湯水のようにきらきらしてる

036:湯(霰) (徒花日記)
屈折した光に白く伸びる脚見つつ独り言つ熱湯のなか

036:湯(村本希理子) (きりころじっく2)
耳かきに湯を沸かしゐる心地してわたしに遠き人を忘れる

036:湯(市川周) (ミルミルを飲みながら)
受勲せし竜兵は泣く(肥後も泣く)熱湯風呂にささげし一生(ひとよ)

036:湯(短歌製造機メカ麦3号) (短歌製造機blog)
火をつけて身体重ねる我々の男湯のみで男と女 (オペ:青木麦生)

036:湯 (佐藤紀子) (pocoapoco)
湯煙りが下水溝より立ちのぼり温泉町は冬も暖か

036:湯(スズキロク) (夏休みはもう終わり)
湯冷めする覚悟で走る 温めてくれるんでしょうって言うために

036:湯(ME1) (FILL mobile)
 南瓜なく柚子湯もなかった冬至の夜 あなたの腕があれば良かった  

036:湯(澁谷 波未子) (沈思黙考)
我一人湯船に浸かり星を見る 君も見ているかも知れなくて...

036:湯(小籠良夜) (《冥の逸脱》)
湯に雪ぐまだ尻青き小姓など喰ひ散らしつつ募るいらだち

036:湯(繭) (アブストラクトマイライフ別館)
卓に置くグラスの白湯はうすにごりの光を放射す六月の雲

036:湯(遠野アリス) (ジムノペディ)
喘息や恋の発作が起きた日は白湯の甘さすらも憎たらしい

036:湯(きくこ) (きくこ)
道すがらふっと目にいる湯ののれん誘うが如く夕風に揺れ

036:湯(萱野芙蓉) (Willow Pillow)
正論は燦とかがやき善人にいつも煮え湯を飲まされてゐる

036:湯 (里坂季夜) (コトノハオウコク)
あたたかく透明なものあふれさせ濁る想いを沈める湯船

036:湯(月原真幸) (さ か む け の ゆ び き り 。)
逃げ込んだスターバックスコーヒーのキャラメルマキアートの味の湯気

036:湯(桑原憂太郎) (桑原憂太郎の短歌Blog)
喧騒が飽和してゐて湯湯婆の温みのやうな午後の教室

036:湯(描町フ三ヲ) (水面走行)
妄想を培養させる力持つ給湯室は最後の砦

036:湯(A.I) (Private Window)
湯浴みせばコロン静かに揮発して役目を終えし瘡蓋となる

036:湯(さかいまみ) (恋するキモチ。)
絶対に認めてもらえぬ愛と知りお湯にもぐって涙こぼした

036:湯(やすまる) (やすまる)
みみもとに渦巻く声はざらついて給湯室を蒸気が満たす

036:湯(上田のカリメロ) (ほわほわの森)
湯の花の意味をも知らぬ世代にて 生きることさえ許させぬ時

036:湯(佐倉すみ) (ありがとベティ)
ぬるま湯の中丸まっていたころに覚えた一番大切な音

036:湯(うめさん) (今日のうた)
ベビーバスの赤子は口をとがらせて手足まるめて湯に浮かびをり

036:湯(逢森凪) (みそじのみそひともじ(再))
かみさまに届く祝詞がわからずに流した涙が湯船に沈む

036:湯  (翔子) (花こみち)
 難しい手紙書き終え蝉時雨今宵は腰湯ナンプレと

036:湯(岡元らいら) (3+1-題詠blog2007-)
湯と水の境界線を引きたくて見定めてたらのぼせて鼻血

036:湯 (一夜) (短歌るBlog)
カップ麺湯を入れながら蘊蓄を 「3分よりか2分が美味い」

036:湯(青山ジュンコ) (take it easy)
湯たんぽのぬくもり残る冬の朝もう少しだけと抱きしめ眠る

036:湯(椎名時慈) (タンカデカンタ)
水音にドキドキしつつ湯加減を聞いてた時代ふと思い出す

036:湯(末松さくや) (旅人の空(待ち人の雪別館))
おずおずと葛湯を溶いて差し出せばしみわたるのかきみはゆるんだ

036:湯(ちえりー) (あんな話こんな話)
年一度祖母と温泉行きし日の湯の香りぞ懐かしきかな

036:湯(桶田 沙美) (31Words Runner #011)
湯煎して溶けたチョコが折れたなら世界を少し信じてもいい

036:湯(睡蓮。) (睡蓮。の隠れ家ブログ)
もう遠い艶やかなりし頃の肌 湯気にぼやけて風呂でのぼせる

036:湯(史之春風) (はちぶんめblog)
いい湯だなハビバノンノンいい湯だな泣けてきちゃうな泣いちゃおうかな

036:湯(わたつみいさな。) (乱切りくじら)
湯上りのバスタオルにも嫉妬するあなたを包む術などなくて

036:湯(遠山那由) (百億粒の灰の鳴る空)
絶望しか見えない夜更け浴槽の湯に音立てず流れる涙

036:湯(滝秋 邑嘉) (エンバラスド・クウェアティ)
湯冷ましを持ってこようか 熱はまだ深く澱んだ奥にいるから

036:湯(兎六) (一人暮らしの日記)
笊蕎麦を食べて蕎麦湯と呼んでいる茹で汁飲んで鍋を洗って

036:湯(大辻隆弘) (大辻隆弘 題詠100首のために)
ホットワラ、いな白湯と言へ唇をささやくやうに指で濡らして

036:湯(みち。) (幸福アレルギー。)
湯が水になる瞬間はあいまいで冷めていくって意味がわかった

036:湯(里木ゆたか) (木犀の灯り)
湯の中に心溶けゆきあるがまま認めし時ぞ涙こぼるる

036:湯(今泉洋子) (sironeko)
湯布院の風呂につかりて冬天の星の檻から抜け出せずゐる

036:湯(小埜マコト) (カルアミルクを飲みながら)
湯上りの君の背中がすべすべで嫉妬している35歳

036:湯(みずすまし) (水紋)
湯上りに浴衣着せられ駆け出した夜店の明かり夏の夜の夢

036:湯(川鉄ネオン) (今週の俺が俺が)
しゅんしゅんと気体になってく湯をみてたぬるいままなら続いてたのかな

036:湯(+イチゴ+) (+ イ チ ゴ ノ ウ タ +)
湯上りの桜色した指先に 一目惚れした 旅先の夜

036:湯(橋都まこと) (笑ってどこでもサヴァイヴァル)
浴室の湯気で曇った鏡には未来の私が映っています

036:湯(藤原 湾) (湾の創作の日々。)
一日の 疲れを お湯にとかしては さっぱりとして 麦茶を一杯

036:湯(紫歌) (歌つくろう)
茹でたての枝豆とビール待つ夜に湯上りの君と上機嫌な月

036:湯(空色ぴりか) (題詠100首2007/空色ぴりか)
はじめての参鶏湯(サムゲタン)なれどこの味はなんだかとっても懐かしくて

036:湯(pakari) (魔法文明)
2センチも足りないカップヌードルにぬるま湯を足すようなチャリティー

036:湯(内田かおり) (題詠2006深い海から)
柔らかき静寂のとき風炉釜の湯はつつましく音を飲み込む

036:湯(はせがわゆづ) (迷走ランドセル)
ぬるま湯に溶けてく骨の甘い匂い(恐らく恋の傷痕だろう)

036:湯(佐藤羽美) (hinautamemo)
亀の湯の閉鎖は決まり私家版の詩集のような匂いをさせる

036:湯(やや) (言の葉たち)
曼珠沙華のひらく夕ぐれ羊水の湯より出でたる命を掬す

036:湯 (題詠100首blog-あいっちのうたあそび。)
湯を入れて白いカップをあたためるアッサムの葉のひらきゆく午後

036:湯(西巻 真) (題詠100首のためのブログ)
うたびとよしずかに箱に身を沈め湯があふれ出てくるまでを待て

036:湯(近藤かすみ) (気まぐれ徒然かすみ草)
亡き母と湯豆腐を食む夕餉なりこの世の果てまでずんずん運ぶ 

036:湯(水野彗星) (彗星不動産)
ぬるま湯のような教室泳いでも成長してくカラダがキライ

036:湯 (お気楽堂) (楽歌三昧)
新装の宝湯にまだケロリンの黄色い桶は残っているか

036:湯( 夜さり) (夕さり夜さり)
濃き霧に面影すらも手繰れない湯滝・湯の湖の秋の入り口

036:湯(K.Aiko) (「夢幻館」-別館-)
愛される私とおもう満ちてゆく 湯舟 しずかに手足をのばす 

036:湯(animoy2) (I (愛)短歌)
湯治とはこういうことか 湯がしみる 骨がとけてく私のからだ

036:湯(しろ) (星月夜)
朝六時から裸に朝陽を浴びて伸ぶきそは男湯の露天風呂なり

036:湯(*ビッケ*) (とっても短い今日の歌)
ゆっくりとコーヒー豆に湯を落としいろんな事がしみ込むように

036:湯(David Lam) (でたらめなうたどもよ!)
トーストに白湯を飲みおる吾が妻といつか旅せむパリとリスボン 

036:湯(瑞紀) (歌信風(かしんふう))
木の匙に白熱灯の光のせ葛湯を掬う のすたるじあ

036:湯(長谷川智) (烏のつぶやきα)
桃色の湯気毛穴からしゅわしゅわりアニメな恋続編を待て

 036:湯 (minto) (あすとろさいと)
 寒い日は群れてゐたいと湯豆腐にかぼすをかけてアツアツを食む

036:湯(萩 はるか) (Betty's second Bar)
馬の背に湯気立ち上る秋冷えの空の青さにナナカマド映え

036:湯 (     Popん?TANKA)
ベルリンの壁ベルリンのかべがらがらと湯むきトマトのうすかわみたい

036:湯 (新月の夜に)
お湯かけて三分経つと出来上がる妻が欲しいと寝ている妻に

036:湯(ひぐらしひなつ) (エデンの廃園)
喉をくだる葛根湯さよならをようやく言えて迎えた朝の

036:湯(笹井宏之) (【温帯空虚】)
湯上りのあなたの髪を梳くときも私は浅い浅い海です

036:湯(木下奏) (ブログ・キ・カーデ - 木下奏 blog)
銭湯にいるみたいだねとアパートの風呂ではしゃいでクレームがくる

036:湯(moco) (LyricHolic)
微粒子の消えていく音 湯気の先ぼやけた明日のその先を見る

036:湯(たか志) (象と空)
お湯さして三分間待てなくてついついコートのボタンをちぎる

036:湯(寒竹茄子夫) (鮎と銀杏)
湯の町を背な寒くして彷徨す火蛾の鱗粉あやしく零(ふ)る夜

036:湯(宵月冴音) (新銀星亭~Nova Villa Argentee D'Etoile~)
つまの居ぬ初めての冬の雪の夜に湯たんぽの熱とかなしみを抱く

036:湯(みにごん) (MINI'S LIFE blog)
湯上りの色気を探す旅に出た少女の声が風になる時

036:湯(里原志穂) (空の下で)
湯の上を渡るシャボン爪先の銀色光る満月の夜

036:湯(ハルジオン) (ハルジオン デイズ)
湯たんぽをふたつ並べて暮れてゆくささやかな夜世界のまんなか

036:湯(平岡ゆめ) (le petit cahier)
足すことも引くことも多分難しいパスタはお湯に躍り続ける

036:湯 (冬の向日葵)
ゆっくりとチョコの匂いの立ち上る湯煎しながらバレンタインデー

036:湯 (砺波湊) (トナミミナト2007)
ぬるま湯に高野豆腐はふくらめば満ち足りたように泡粒を吐く

036:湯(浅葱) (空耳の森*番外地)
残り湯で洗濯をする主婦の知恵気づけば母から受け継いでいる

036:湯(小野伊都子) ( cahier bleu)
湯ぶねには今日のかけらが浮かぶので先に入っておいてください

036:湯 (JEUX INTERDITS)
後れ毛の垂れるうなじを見せ付けて僕を誘う湯上りの君

036:湯(野田 薫) (COLORFUL∞PILE)
お湯だけが暗いところであたたかい 冷たい私はとても正しい